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青春ドラマ

2011年10月29日 19時45分35秒 | Weblog

              
 最近のドラマを見ていると、あまり青春ドラマがないように感じられる。生きることの意味を模索していた時代に、青春ドラマはひとつのヒントを与えてくれた貴重な番組でもあった。そんな番組が、今は少ない。家族愛や恋愛ものはあれど、渇望していた青春という時代の生き様を指南してくれるものが本当に少ない。
 1970年代は、青春ドラマが花盛りであった。自分自身は、何を目標に生きていくのか?というダイレクトな問いかけに、多くの人が答えを見つけようと、必死だった時代だったからこそ、こんな青春ドラマが花盛りだったのかもしれない。どのように生きていくことが最高なのか、どんな思いで行動しなければいけないのか・・・、誰もが悩んでいた時代。そんな時代に、色んなヒントを与えてくれたものが、青春ドラマだったのである。
 先日、帰宅途中にふと寄った書店に、思いがけない雑誌があった。宝島社発刊の「俺たちの旅DVDBOOK」である。このドラマには、本当に感銘を受けた。まだ、青春という時代に入りかけていた頃に、連続放映されたNTVのドラマだったのである。割りといい加減な生き方をしているような主人公カースケこと津村浩介(中村雅俊)。こんな生き方が本当に良いのかを常に考えさせられたドラマだった。毎日が気楽に生きていける主人公の生き方に、あまり賛同できない部分が多かったのである。そんな意味からして、この「俺たちの旅」というドラマは、ちょっと異質な青春ドラマだったのだろうと思う。確かに、自分自身の思いのまま生きることに、憧れるし、また、羨ましさも感じた。しかし、本当にそんな生き方が出来るのだろうかと、疑問も多く感じたのである。自分自身に正直に生きることの大きな意味を感じもした。
 この「俺たちの旅」は、ドラマとしては、当時では珍しい1時間完結もの。(大概の青春ドラマは30分の連続ものが多かった)そして、最後のエンディングシーンでは、クロージング・エッセイが字幕で流れる。これが、実に感銘を受けた。なるほどと感嘆することも多かった。このドラマの大きな特徴のひとつなのである。
 
【クロージング・エッセイ】
 <第26話>誰が何を言おうと、男は自分の道を歩いていく
 <第29話>純粋であればあるほど、人はキズついていく 何故なのだろうか?
 <第32話>たとえ淋しくても たとえ苦しくても いろんな事があった方が
                                いいじゃないか 人生にはー
 <第34話>金も 名誉も 地位もいらなきゃ 生きることはこんなにも 楽しいのに
 <第36話>人は なりふりかまわず 働くとき なぜか美しい
 <第37話>淋しさを知っている 人間だけが 笑って生きていくことの 
                                      楽しさも知っている
 <第38話>哀しい愛があり 結ばれない恋もある しかし人間は
                                  誰かを愛さずにはいられない
 <第43話>ひとつの出会いが ひとつの別れを生む
                       そして 人は又 人と出逢う

 非常に含蓄のあるエッセイである。各話のドラマのエッセンスとして、テロップで流れるこれらのエッセイは、ずっしりと心に響く。時に、涙することもある。そんな意味で、「俺たちの旅」は、青春ドラマの金字塔なのである。   




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