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考えさせられるアニメ映画『聲の形』

2016年09月18日 20時39分59秒 | Weblog

 今日は妻と、前々から気になってたアニメ映画『聲の形』(2016年松竹制作)をMOVIXで見た。昨日からのロードショーであったこともあり、若い人を中心にものすごい数の観客だった。MOVIXでも最大の上映スクリーンがほぼ満席になっていたのには、久々に驚いた。
 『聲の形』(こえのかたち、英題:A Silent Voice)は、大今良時による漫画。最初の作品が45Pで『別冊少年マガジン』2011年2月号に、リメイクされた作品が61Pで『週刊少年マガジン』2013年12号に掲載された。『週刊少年マガジン』にて2013年36・37合併号から2014年51号まで連載。単行本は全7巻。2015年版『このマンガがすごい!』オトコ編で第1位、『マンガ大賞2015』で第3位を獲得した。第19回手塚治虫文化賞新生賞受賞作。京都アニメーション制作・山田尚子監督によりアニメーション映画化された。
 ストーリーは、聴覚の障害によっていじめ(嫌がらせ)を受けるようになった少女・硝子と、彼女のいじめの中心人物となったのが原因で周囲に切り捨てられ孤独になっていく少年・将也の2人の触れ合いを中心に展開し、人間の持つ孤独や絶望、純愛などが描かれる。物語は2人が小学校時代における出会いの回想から始まる事になる。舞台となる地名は架空のものが用いられるが、作中に描かれる風景は主に岐阜県大垣市をモデルとしている。本作は、作者が専門学校時代に投稿した漫画の結果待ちをしている間に描いていた作品でもある。その着想は、作品の投稿当時から現在に至るまで育っているテーマ「人と人が互いに気持ちを伝える事の難しさ」の答えを作者自身が見つけ出せなかったため、「読者に意見を聞いてみたい」という気持ちで描いたという。その後、読みきりが掲載されて議論が起こった際には「嬉しかった」と感想を述べている。また、手話通訳者の作者の母親からの協力もあり、劇中では手話の場面が多く描かれる。なお、題名を「聲」の字にしたのは、調べた際にそれぞれ「声と手と耳」が組み合わさってできているという説があることを知ったためであることと、「気持ちを伝える方法は声だけじゃない」という意味を込めて「聲」にしたという。タイトルは何れも『聲の形』で副題等はないが、詳細部分が異なっておりこれ等を区別するため最初の作品を「オリジナル版」、リメイクで読み切り掲載された作品を「リメイク版」、再リメイクで週刊連載されている作品を「週刊連載版」とする。
 この作品には、色んな意味の考えさせられる点がある。聾唖者とのコミュニケーションの難しさ、わからない反応からのもどかしさ、周りの人間の対応、声に出して自分を主張できないことの辛さ、人を好きになることの意味、生きることの意味、友人とは何か、友人になるための責務や義務はあるのか、親・兄弟・姉妹はどのように対処していかねばならないのか、障害者を持った家庭の置かれた立場やその上での生き方、根本的な生きることの意義や意味等・・・。
 この作品を見ているうちに、とめどもなく涙が溢れてくる。気持ちが伝わらないもどかしさ、自分のせいで友人たちの関係を悪化させてしまったことへの反省から、自宅マンションから飛び降り自殺をしようとする硝子、それを阻止しようと自らがマンションから落下し瀕死の重傷を負う将也、ふたりの純粋な思いに感動し、心が揺さぶられてしまうのである。こんなアニメ映画を見たことがない。とてつもなく大きな、そして重いテーマを青春群像の中にさりげなく表現している作者の度量に驚愕してしまうのである。生きること、相手の事を思うこと、人生とは、青春とは・・、色んなことに思いめぐらし、反省しながらも生きることの重要な意味を感じ取れる作品なのである。