桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

文恭院殿御實紀

2009年03月21日 21時06分53秒 | 歴史

 三連休の中日です。久しぶりに千葉県立西部図書館へ行きました。新松戸から一駅だけ武蔵野線に乗って、新八柱から歩きます。
 途中まで日本の道100選のうちの一つ-サクラ通りを歩きます。
 ザッと目視したところ、花が咲いていたのは二本。それも一輪と二輪だけでした。二輪咲いていたほうは花が白っぽいので、素人判断ですが、染井吉野ではないみたいです。



 この図書館は去年の夏、四連休となる夏休みに行って以来です。
 去年は「藤岡屋日記」全十五巻中の三巻(何巻だったか記憶なし)を借りました。第一級の歴史的史料と評価の高い書物ですが、おぢさんにはつまらないだけのものでした。

 浅草に住んでいたとき、台東区の中央図書館がほとんど隣といっていいところにありましたので、二日か三日に一度は行っておりました。そのときにも借り出して、「なんとつまんねぇ」と思ったのですが、そのことをすっかり忘れておりました。

 開架図書に並べてあればすぐ気がついて、借りたりしなかったのですが、西部図書館では閉架収蔵図書なので、係の人が持ってきてくれるまで見たことがある本かどうか、わからなかったのです。
「ご希望の図書が用意できました」という意味の電光掲示が出ると、カウンターまで行き、求めていた本との出会いになるのです。

 しまった! と思いました。
 係の人がドドーンと積んだのを見て、そこで初めて浅草時代のことを思い出したのです。どれほど貴重なものか知らないが、おぢさんにとっては猫に小判、馬の耳に念仏です。借りたところで、最初から読む心づもりがないのですから……。

 立派で、取り分け頑丈そうな装丁の本です。しかも、かなり重量がある。それを借りられる限度いっぱいに三巻も頼んでしまった。
 読む気はないといっても、手続きが済んでしまったので、よっこらしょと持ち上げて、一体全体どうすべぇかと首を傾げながら玄関を出ました。
 勘違いだったといって返そうかと思いつつも、時間も経っているのだから、ひょっとしたら違う面白さを見つけるかもしれない。そんな気にもなったので、返すタイミングを失したのです。
 鞄に入れましたが、三巻もあると肩に掛けた鞄の革紐が歩みを進めるたびにギシギシと鳴るほどの重量があります。
 暦の上では立秋を過ぎていましたが、莫迦みたいに暑い日でもありました。

 汗みずくになって庵に持ち帰り、ひょっとしたら、と儚い期待を胸に本を開きました。
 オリーヴ、なんてこったい。やっぱりつまんねぇ!
 藤岡屋という古本屋のおっさんはよくこんなつまんねぇことを飽きもせず書きつづけたもんだ。
 歴史的価値が高いということと、読んで面白いということは必ずしも一致しないわけで……。

 返却期限は二週間後です。
 二週間後はとっくに通常の勤務が始まっているときだし、勤め帰りに返そうにも、帰るころには図書館は閉まっています。第一、莫迦みたいに重い本を持って勤め先に行く気はしない。
 返すなら夏休みの最後の一日として残されていた翌日しかない。

 で、ギシギシと音をさせながら、翌日も行きました。また莫迦みたいに暑い日でした。
 前日に勝るとも劣らぬカンカン照りの陽射しの中を、汗みずくになって辿り着いて返却したあと、猛烈に喉が渇いていたので、外にある自販機で冷たい緑茶を買い、喫煙ベンチに坐りました。
 本を持って行っただけで、疲労困憊でした。落ち著いていれば、借りたい本があったかもしれませんが、疫病神が退散してやっとホッとしながらも、まだ少し落ち著かないような気分でした。しばらく涼んだら庵に帰る元気も出たので、何も借りずに帰ってきてしまいました。

「徳川實紀」と「寛政重修諸家譜」は、できたら手許に置きたいものだと切望している本です。
 外で酒を呑むのを控えれば、いずれ買えないものでもありません。
 ただ、二つ合わせると四十一巻。手元に置くのには厖大なスペースが必要になります。
 両方とも西部図書館の開架にあり、借りることができるので、少しずつ借りて、スキャンして、パソコンに取り込むか、と目論んだことがあったのを失念していました。

 今日はおよそ半年ぶりに行って、「徳川實紀」のうち、「文恭院殿御實紀」を一冊だけ借りてきました。文恭院殿、すなわち十一代将軍家斉です。
 この巻に限らず、「徳川實紀」は八朔にどうしたの、日光への代参に誰を立てたの、どこの大名が死去したので、倅に家督を継がせたの、と読む人によっては、どこが面白いの? ということになるのかもしれませんが、わたくしにはこっちのほうが断然面白い。

 図書館への行きがけ、流鉄踏切際のくだんの店が予告どおり開店しているのを見ました。店の前は雛飾りのような贈花(胡蝶蘭なんぞも幾鉢かありました)でいっぱいで、招待客らしい人が溢れておりましたので、横目で流し見ながら通過しただけです。仔細がわかれば後日。

コメント
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