桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

鰤(三浦)大根

2009年12月29日 23時57分58秒 | 料理

 清閑寺(せいがんじ)のブログで頭を悩ませています。

 最初はサラリと書いて終わりにするつもりでしたが、小督局のことを思い、その小督の運命を狂わせる端緒となった建礼門院徳子(平清盛の娘であり、高倉天皇の后)のことを考えるにつけ、おいそれとはまとまらない感じになってきたのです。
 世間の人の多くはもう正月休みに入っているのであろうに、私はまだ勤めがあって、思索に耽る時間がないというのも、清閑寺のブログに結末をつけられぬ原因です。

 勤め先そのものは二十七日から正月休みです。
 しかし私には、二週間の入院と、その前後に休んだのを合わせると、二十日近くも休んでしまったツケが回っていて、年内に終えておくべき仕事が終わっていません。
 それほど重要な仕事を任されているわけではないのですが、私がまとめを出さないと、いささか支障も出るので、今年のうちに終わるか終わらないかわかりませんが、休み中の二日か三日は仕事に出るのです。
 その代わり、サービス残業のようなものですから、朝はゆっくりめに出ます。ゆっくり出たついでに、最近、朝は滅多に歩かなくなった大野城趾下の小径を歩きました。

 目的は一つ。
 下見です。
 何の下見かというと、崖に小さな石蕗(ツワブキ)があるのを見つけていて、帰る時間には暗くなっているのを幸いに、失敬しようか、と企んでいたのです。

 月曜日の朝、何食わぬ顔をして歩きました。
 ところが、見当をつけておいた場所には目的のものがありません。見過ごしたかと思って、あと戻りしようと思いましたが、普段はあまり人と行き交うこともない径なのに、こういうときに限って人が歩いてきます。やり過ごして戻ろうかと思った途端、また人影が向かってくるのが見えました。諦めることにしました。

 夜七時。仕事が一段落したので帰ることにして、石蕗のある場所を目指しました。幸い人通りはありません。二度行きつ戻りつしました。が、やはり、ない !!
 とんでもないヤツがいるもんだ。
 自分のことを棚に上げて怒っています。
 ない、と思うと、無性にほしくてたまらない。

 前に満開の花を写真に撮った石蕗がある径に向かうことにしました。
 満開だった花に気を取られていたので、周辺をじっくりとは見ていませんが、小さめの石蕗が何株かあったような気がしていました。
 薄暗がりの中で見ると、手ごろな一株が見えました。こちらも人通りはない。近くに黒っぽいものがある、と思えば、猫殿がいるだけでした。うすぼんやりと見えるだけの根元をまさぐって、グイと力を入れました。
 抜けた、と思いました。
 この瞬間に備えて、昼に弁当を買ったときのスーパーのレジ袋を棄てずに、鞄に入れていました。「ウッシッシ」と大橋巨泉ばりにほくそ笑んで、手を広げてみると、そこにあったのは根元からきれいに剥がれた葉っぱだけ。
 オー、なんてこったい、オリーブ! と思ったとき、背後に人が近づいたような気配を感じました。

 が、人ではありませんでした。私の脹ら脛のあたりに、猫殿が脇腹をすり寄せていたのです。

 その径はフキやツワノたちオフグ一家が住んでいる径です。彼女たちの縄張りからは数百メートル離れた場所でしたが……。
 入院前からしばらく会っていなかったので、退院後何度か通りましたが、寒かったせいか、一度も姿を見ていませんでした。私の鞄の中にはいつ会ってもいいように、ミオが入れてあります。
 石蕗の番をしていた猫殿には、その匂いがわかったのでしょう。取り出そうと鞄をまさぐっていると、立ち上がって膝にまとわりついてきました。

 オフグ一族ではないけれど、ミオを与えました。
 石蕗のある土手下は二十八日の雨で湿っていたので、「向こうへ行こうか」と反対側のU字溝に誘うと、私のいうことをちゃんと理解して、ついてきました。
 おなかを空かせていたのでしょう。一心不乱に食べてくれました。私にはほほえましくてうれしい光景です。石蕗を取り損ねたことはすっかり忘れていました。
                        
 クリスマスの夜、鰤大根をつくりました。あらかた食べてしまいました。
 煮汁が残っているので、そこに新しい大根と鰤を買ってきて継ぎ足します。これが私流の鰤大根です。



 猫殿と会った帰りに寄ったスーパーで三浦大根を見つけました。とっさに鰤大根に使ってみようと思って買いました。
 普通の大根の二~三倍の重さがありそうです。勤め帰りに重いものを買うなど、普段なら決してあり得ないことなのに、ウキウキしていました。これも予期せず猫殿に出会ったおかげ……。

 一昨日もうれしいことがあったのが影響しています。
 全国大学ラグビー選手権(2回戦)で、ひょっとしたら負けるかもしれないと、
諦めも先行していたメイジが関西大学王者・関西学院を力任せにねじ伏せたこと、トップリーグではトヨタ自動車の4位以内が確定して、二季ぶりのプレーオフ進出を決めたことです。

 メイジトヨタの対戦が実現したら、どちらを応援したらよいのかと、いまから頭を悩ませています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わが家で和食

2009年03月02日 21時44分55秒 | 料理

 こんなん(画像)買いました。
 日曜日にテレビでCMを視て、夕方、食品の買い出しに出たときに本屋に寄って手に入れました。買おうか買うまいかとしばし逡巡した挙げ句です。

 ここ何年か流行りの週刊形式のムックです。これまで触手を動かされるシリーズはたくさんありました。逡巡したのは、いつ終わるとも知れず、毎週毎週何十冊とつづくと、買えない号も出てきそうだからです。

 全部買わなくても、自分の好きな号だけ、興味を惹かれた号だけ買えばいい、という人もおられるのでしょうが、おぢさんは全部揃えないと、なんとなく落ち著かない性分です。

 買えない号が出るというのは、多くはついつい一週間が経ってしまうことです。一号欠かすと緊張の糸が切れて、つづけて買うのはもういいかと思い、イヤ、やはりつづけよう、と思い直すころにはすでに何週間かが経っていて、買えなかった号は手に入れるのがむずかしい事態になっていたりします。

 こういう形式のムックは溜まると結構重く、いざ読もうというときはその重さが億劫になって、結果的にはツン読になりかねません。あまりモノを増やしてはいけないという自制心も働きます。しかし、ついに買ってしまいました。

 料理は上手くありませんが、つくるのは嫌いではありません。ただ、いかんせん時間がありません。

 平日は勤めを終えて帰ってくるのは、早い日で夜の八時過ぎです。買い物をする必要があって、スーパーに寄ったりしていると、八時半を過ぎてしまいます。それから何かをつくるとなると、食べるのは九時半過ぎになってしまいます。お米も研がなくてはなりません。

 勤めから帰ってくる時点で、かなり腹を空かせている日もあります。
 すると、つい手近な中華料理屋や呑み放題食べ放題のスナックに寄ってしまったり、スーパーで調理パンを買って、薄暗い流鉄の線路際を歩きながらかぶりついたりします。

 調理パンを一個食べたぐらいではやがて腹が減るのですが、再び空腹を覚えるころはすでに寝なければいけない時間です。それから調理を始める気にはとてもならないので、トーストかお茶漬けを食べ足すのが関の山です。
 明日こそ明日こそ、と思いながら、自分で料理をつくる時間ができた試しがない。わかっているのに、そのうち腕をふるう機会もあるだろう、と買ってしまったのです。

 流鉄の踏切際にある店に借り手がついて、おぢさんの夢は少し遠のきました。
 ずっとシャッターが下ろされたままだったころ、その店の前を通るたびに、こんな店が借りられたら、おぢさんが奥で包丁を握り、若い愛人(現実にはおりませんし、そのかけらもありませんが)が接客をするという儚い夢を見ていたのです。

 正しくは、夢、とはいえません。
 夢とは、是非実現させたいと強く思い、そのための努力を惜しまぬことですから……。

 おぢさんの場合は、多分実現しないだろうと思いながら、いたずらに空想しているだけですから、心の中で夢を弄んでいるのに過ぎません。

 大体条件が厳しい過ぎます。店を借りる資金という大前提もさりながら、若い愛人というのがまずむずかしいからです。
 しかし、弄んでいるだけにしても、何も努力をしていないのにしても、夢は夢です。いつかそんな日がくるかもしれぬ ― と思いながら、少しでも料理のレパートリーを増やさんものと、結構真剣なまなこで読んでおります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鰤大根

2008年12月24日 13時00分31秒 | 料理

 クリスマスイヴにはそぐわない料理-鰤大根をつくろうとしています。
 三日前に材料を仕込みましたが、帰宅するのが遅かったりして、まだ完成に到っておりません。

 寒さが厳しくなると、鰤大根をつくりたくなります。
 特別な調理ではないので、レシピに独特なものはありませんが、普通は出来上がるころには煮汁がほとんどなくなるのに対して、おぢさんは大きめの鍋に多量につくるので、食べごろになっても、おでんのように煮汁が残るようにしてあります。
 大根もおでんやふろふきに用いるように、輪切りで大きめです。だから、火が通り、充分に煮汁を吸い込むまで時間がかかります。
 少しずつ食べながら、鍋に隙間ができてきたら、新しい大根や鰤を買ってきて、継ぎ足して行きます。

 
三日目ごろになると、煮汁は絶品と形容していいような味に変わってきます。
 夏場だと冷蔵庫が必須ですが、この季節はときおり(食べたいとき)火を通してやれば、一週間は保ちます。数日なら同じもの(好物でなければならぬのはもちろんです)を食べつづけても飽きないという味覚の持ち主なので、調理に費やす時間が節約できるのも大きなメリットです。

 おぢさんは時代小説や歴史小説が好きです。しかし、なにせつむじ曲がりなモンですから、その手の小説ならなんでも読むかというと、左にあらず、なのです。
 藤沢周平さんは余すことなく読みましたが、池波正太郎はまったく読みません。ただ、テレビでやっていた「剣客商売」だけは好きで、いつも愉しみにしていました(が、原作は読みません)。
 そうして藤田まことと小林綾子を視ながら、ときおり空想していたのは、若い愛人か若い女房と一緒に、小さな料理屋か煮売り屋をやることでした。
 おぢさんは厨房に引っ込んで、調理に腕をふるっているので、客の前には滅多に顔を出しません。愛人は表で接客をしています。

 おぢさんの料理は不味くはないけれども、美味いと評判を取るほどでもない。そんな腕でも、そこそこに店がやって行けるとしたら、客の目当てが愛人の若さと愛想のよさにあるからです。おぢさんはそのことを充分に知っていて、口には出さないけれども、心の中では深く感謝をしています。 
 何かの煮物が鍋の中でグツグツと立てる音に混じって、自分にはもったいないほど歳の若い愛人が客とやりとりしている賑やかな声が聞こえてくる……それはさぞ幸せなひとときであろうと、おぢさんは独りほくそ笑みながら鼻の下を伸ばしています。

 そういう思いをいっそう強くしたのは先月の末、通勤途上に「総菜とおでん」と看板を掲げた店ができたからです。いまのところ、遠巻きに見ながら素通りするだけです。

 新松戸の飲み屋街にもシャッターの下ろされた店が散見されます。
 新松戸に引っ越してきてから、ずっと「貸店舗」と印刷された不動産屋の貼り紙に変わりのない店の前を通りながら、こんなところに店を構えられたらなぁ……と肩をすぼめて足早に通り過ぎる毎日です。
 現実には調理師免許を取らなければならず、鰤大根や焼きうどんという限られたメニューでは店は立ち行かない。そもそも開店資金がないし、一緒にやってくれる若い愛人もいないという現況では夢のまた夢です。

 宮部みゆきさんの小説(「ぼんくら」と「日暮らし」)に、お徳という煮売り屋の女将さんが出てきます。
 いつも美味そうな湯気を立てている店の大鍋には何十年という間、継ぎ足し継ぎ足しして使ってきた煮汁が入っている。

 おぢさんちの煮汁はせいぜい一週間のイノチでありますが、食べて下さる方があれば、絶やさずつづけたいものであります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鶏そば

2008年11月01日 20時30分49秒 | 料理

 一段と寒くなってきました。
 今日、東京では木枯らし1号が吹いたそうですが、松戸は穏やかな一日でした。
 それでも気温はさすがに低くなってきて、一昨日三十日は9・1度、昨十月晦日は8・4度と最低気温が10度を割るようになりました。

 今日十一月朔日は月に二回だけある土曜休みの貴重な一日です。

 今週は連日帰るのが遅かったので、五日間台所シンクに溜めたままにしておいた汚れ物を洗いながら、温かい鶏そば
作りました。
 これは小岩ふう焼きうどんと違って、どこかで食べて真似をするようになったのか、何かで作り方を知ったのか、まったく記憶にありません。材料は中華そば、ほうれん草、韮、鶏肉です。
 鶏肉はモモ、ムネ、ササミ、なんでもいいのですが、できるだけ小さく切ったほうがいいので、調理しやすいのはササミでしょう。今回はスーパーでは売り切れだったので、モモの細切れを買ってきました。

 土鍋に適量の水を入れ、煮立ったところで、鶏肉を入れ、火が通ったらアクを取ります。ラーメンふうにつくるという手もありますが、洗い物はできるだけ少なくするという哲学に基づいて、土鍋を用いました。
 味付けは醤油適量に中華だし(和風だしでも可)、黒胡椒少々です。ほうれん草と韮の茎のほうを先に入れてから、麺を入れます。

 麺は別の鍋で湯通ししておきます。私は煮込み風にするのが好きなので、少し長めに煮ます。火を止めたあと、ほうれん草と韮の、葉のほうを入れれば完成です。
 中華そばは、小岩ふう焼きうどんに使うシマダヤの純うどんほどのこだわりを持ちません。スーパーで目についたグリコ麺好亭太麺を買ってきました。



 今回は陸奥鶏もも細切れ180円、韮一束88円、グリコ麺好亭太麺88円、ほうれん草三茎60円、〆て416円也でした。
 ほうれん草が二茎残っていたので、というか、残ることがわかっていたので、そばをもう一玉買っておきました。夜、また鶏そばをつくりました。

 食べ終わったあと、インターネットで知ったうれしいニュース。
 ラグビー関東大学対抗戦・早稲田が帝京大に負けました。私は帝京大のファンではないのに、手を叩かんばかりにして悦んでおります。早稲田が負けるのはジャイアンツが負けるのと同じようにうれしい。
 明日、慶戦です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小岩ふう焼きうどん

2008年10月28日 15時12分16秒 | 料理

 今週は小岩ふう焼きうどんをつくってみました。

 ご存じの焼きうどんとは全然違うと思います。でも、私の中ではこれが焼きうどんなのであります。
 記憶は遙か遠いので、もしかすると勘違いしているかもしれませんが、初めて焼きうどんというものの存在を知り、食べたのは二十五の歳でした。東京・小岩にダカーポという行きつけのスナックがあり、そこで食べたのでした。
 具材は韮(ニラ)と豚の挽き肉だけ。味付けはコンソメ顆粒と醤油だけという至ってシンプルなものです。

 その後、有楽町や池袋の大衆食堂で食べたことがありますが、大概は五目焼きそばやチャンポンの麺類がうどんに変わっているだけで、小岩ふうのシンプルな焼きうどんにお目にかかったことはありません。小岩ふうと名づけた所以であります。

 その店で知り合った相方と一年後に結婚して、以来小岩には行っておりません(多分)ので、まだ店があるかどうか知りません。マスター夫婦は私より十歳ぐらい年上の方でしたので、もう引退されている、と考えたほうがよさそうです。
 もしかすると、私がこの焼きうどんのただ一人の継承者ということになるのかも……。

 フライパンにサラダオイルを入れて、熱くなったところで、韮の茎のほうを入れます。野菜不足だと思うので、韮は二束入れます。
 醤油を適量垂らすと、韮と醤油の焦げる香ばしい香りが漂います。韮がしんなりしたところで豚の挽き肉を入れます。適量(100グラムぐらい)だとすぐバラけていい感じになりますが、パックで買ってきたものを残しておいても仕方がないので、全部入れます。
 量が多いので、火が通るまで時間がかかってしまい、韮がげんなりしてしまうのが一人料理の難点です。

 それなら先に挽き肉を炒めればいいのかというと、それでは韮の香ばしさが出ません。やはり韮が先です。
 肉に火が通ったら、コンソメを適量振り、うどんを入れます。うどんは湯通しせず、包装を破くなりそのまま入れて、ほぐしながら韮と挽き肉を絡めます。全体にサラダオイルが馴染むころには、うどんにも充分に火が通ってアツアツになるはずです。
 韮の葉のほうは火から下ろす直前に混ぜ込み、盛り付け時にうどんの下敷きにするようにします。茎はクタクタになってしまいますが、葉を最後まで残しておくことでシャキシャキ感を残すことができます。

 いまのところ、うどんはシマダヤの「純うどん」以外は不可です。日清や他のメーカー、同じシマダヤでも讃岐うどん、乱切りうどんなども試してみましたが、麺が一様に柔らかくなりません。

 今回かかった費用は純うどん一玉59円、韮98円×2、豚挽き肉236円(レジにて一割引で212円)、〆て467円でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

常夜鍋

2008年10月19日 16時27分22秒 | 料理

 風邪を長引かせてしまった最大の原因は食生活であろうと、今日十九日になって自問自答しています。

 松戸に引っ越してから偏食になっていました。前は勤務先まで徒歩五分という社宅もどきのアパートに住んでおりましたので、朝夕は簡便ながらも自分で調理をし、昼は弁当を持って行っていました。
 ところが電車通勤をするようになったら、通勤時間は往復八十分と七十分も増えて、自分で調理をしている時間がなくなりました。
 朝はカップ麺か買っておいた握り飯。昼はスーパーで買った弁当。夜はラーメン屋か定食屋、あるいはまたスーパーの弁当という具合です。  

 外食・中食をしていると、不足するのは野菜類と乳製品です。
 それが自覚症状として現われるのか、無闇に野菜を食べたくなることがあります。キャベツを買ってきて千切りにし、丼に山盛りに盛ってマヨネーズで和えて食べたりします。
 しかし、丼一杯の千切りをつくったとしても、使えるのは精々四分の一です。思い切り食べてしまうと、二日つづけて食べる気は起きないので、残りは腐らせてしまうこととなります。

 そういうときに、ある雑誌で見つけたのが常夜鍋(とこやなべ)でした。
 レシピによれば、一人前は豚バラ薄切り100グラム、小松菜三株、水2カップ、練り辛子と醤油適量ということですが、スーパーで売っている小松菜は一袋に六~七株あります。豚肉も200グラム以上です。残しておいても仕方がないので、二人前つくることにしました。



 一人暮らし用の小さな鍋しか持っていませんので、全部は入りません。入らないついでに、ほうれん草や春菊、榎茸なんかも入れちまうか……ということで、テンコ盛りの常夜鍋となりました。

 野菜を半分に切りながら、鍋の一番下に昆布を布き、水は三分の二ぐらいにして、残りは料理用の日本酒を入れます。日本酒を入れる、というのはレシピにはない。
 常夜鍋に限らず、鍋物はすぐに食べられるのがありがたい。
 レシピには辛子醤油……、と、ありましたが、つくるのは面倒なので、味ぽんを使用。
 グツグツと煮立ってきたら、早速味見。とにかく煮えたそばから食べて行かないと、材料が残ってしまう。
 うむ。なかなかイケル。涼しくなってきたので、鍋のアツアツ感もいい。

 常夜鍋というのは毎晩食べても飽きないというのが名前の元らしいのです。
 手近な資料で調べると、昆布と日本酒をダシにするのは結構一般的で、白菜、椎茸、豆腐などを加える地方もあるようです。要するに寄せ鍋の一つのバリエーションでありますな。
 全部食べ終えるのに、都合鍋三杯ということになりました。

 これにて一週間分の偏食は解消されたつもりになっております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする