五月の薬師詣では松戸市内を巡りました。
出だしは地元の慶林寺。電車に乗る前に寄らせてもらい、お賽銭をあげて行きます。
北小金から常磐線緩行に乗り、二つ目の馬橋で降りました。
最初に訪ねた中根寺です。
馬橋駅からは350メートルほど。ものの数分で着いてしまいました。
松戸市民になりたてのころ、まだ高齢者の仲間入りをしていなかったこともあり、そこそこ健脚でもあったので、いろんなところを歩き訪ねていました。確かこのお寺も訪ねた憶えがありますが、薬師詣でを始める前のことだったので、記憶も記録もはっきりしていません。
ただそのときは入口の鉄扉が閉ざされていて、中に入ることはできませんでした。今日、扉が開けられていて、御堂の前まで進むことができたということは、縁日だからでしょうか。それにしては参拝客の影もなかったので、訊ねようもありません。
創建年代などはわかっていません。祀られているのは薬師如来で、弘法大師が一本の木から三つの薬師如来を彫ったうちの一つとされています。その木の根本のほうを使って彫られた仏像は松戸市根本にある吉祥寺へ、中間がこの中根寺へ、そして上部が印西市にある歓喜院へとそれぞれ祀られ、根本という地名、中根という寺院名はそういう故事に由来すると伝えられているのだそうです。
お寺、といっても、無住でこの御堂がポツンと一つあるだけです。
お賽銭をあげようと思いましたが、御堂の前には賽銭箱がなく、中にあるかと思えば、扉には錠前が掛けられていて、開けること能わずだったので、お賽銭はあげることなく帰ることになりました。
ガラス越しに御堂の中の撮影を試みました。左右にあるのは薬師如来の脇侍なら日光月光両菩薩のはずですが、黒っぽい立像があるとわかるだけで、しかとはわかりませんでした。
旧水戸街道を往復して馬橋駅に戻ります。
街道は遠くに見える萬満寺前でほぼ直角に右に曲がって、上り坂になり、国道6号線に合流します。この上り坂には富士見坂という名がつけられていて、現在こそ遠望は効きませんが、かつては富士山を望むことができたのだろうと思います。
馬橋駅は流鉄の始発駅です。久しぶりに流鉄の車両を目にしました。
また常磐緩行線に乗って、二つ目の松戸で下車。西口に出ました。
駅から六分ほどで吉祥寺に着きました。山門前から薬師堂が遠望できます。このお寺も一度訪ねています。
こちらは立像でした。脇侍は黒っぽくてよく見えませんが、十二神将らしき仏像が左右に六体ずつ並んでいます。この吉祥寺も創建年代等は不詳です。先にふれたように、祀られている薬師如来像は弘法大師が一本の木を三つに分け、そのうちの根本のほうを使って彫ったものです。
本堂です。