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【妄言】中国軍艦寄港―新たな歴史の第一歩に【和文/朝日社説】

http://www.asahi.com/paper/editorial20071130.html#syasetu2

 日中間の防衛交流で、中国海軍のミサイル駆逐艦「深セン」が東京港を訪れた。中国の軍艦が日本に来るのは中華人民共和国の建国以来、初めてのことだ。

 この訪問が実現するまでには長い曲折があった。

 両国が海上自衛隊と海軍の艦艇の相互訪問に合意したのは98年のことだった。橋本首相、江沢民主席の時代だ。いったん02年春に中国軍艦の訪問が計画されたものの、その直前に小泉首相が靖国神社に参拝し、キャンセルされた。

 再び機運が盛り上がったのは昨秋、安倍首相の訪中で日中関係が改善に動き始めてからだ。4月の温家宝首相の訪日で相互訪問が再確認され、福田首相になってようやく実現にこぎつけた。合意以来、9年もの年月がかかったわけだ。

 関係修復の流れの、いわば象徴のような形である。約350人の乗組員を含め、今回の訪問を歓迎する。来年は海上自衛隊の艦艇が訪中する番だ。これを弾みに防衛交流をさらに広げ、両国関係の安定化につなげてもらいたい。

 とはいえ、軍事に関する両国間の不信は、一度や二度の往来でぬぐえるものではない。日本側は、中国軍の急速な増強や活動の活発化に不安を募らせている。中国側も、ミサイル防衛をめぐる日米協力や台湾への関与の可能性などに神経をとがらせる。

 結局、交流と対話を重ね、相互の信頼を培っていくしか方法はないのだ。艦船の相互訪問はその一歩である。少しずつでも相手側の実情に触れることが、無用な緊張を解くことになる。

 大筋で合意されている当局間のホットラインの設置も早く実現すべきだ。誤解による偶発的な事件を防げるし、日常的に意思疎通ができるようになればさらに相互理解は進むだろう。

 軍事の面での信頼醸成は、両国関係だけでなく、アジア全体の安定にも好影響を及ぼす。中国は積極的に国連の平和維持活動(PKO)に参加しているが、要員の訓練などで日中が交流し、アジア諸国にも広げていくことを考えたい。

 もう一つ望むのは、防衛交流を軍事関係者だけにとどめず、一般にも開いていくことだ。例えば、日本の研究者やメディアが中国軍を見学したり、取材したりする機会を増やす。国民レベルで少しでも理解が進めば、それだけ的はずれな推測は減ってくる。

 歴史好きの人なら、中国の軍艦と聞けば「定遠」「鎮遠」といった名前を思い出すに違いない。清朝が誇る大戦艦だった。明治時代に日本の港を訪れ、その威容が日本人を驚かせた。

 日本はこれに負けじと海軍力強化に突き進み、後年、日清戦争でぶつかることになる。

 もちろん、いま求められるのは軍拡競争ではなくて、平和のための協力だ。「深セン」の名前がそのスタートとして歴史に刻まれるよう努力していきたい。

 


「日本マスコミによる、深センの取り上げ方が低調」という指摘を受け、あわてて「熱烈歓迎振り」を示した朝日社説。
「かつて清朝が誇る大戦艦が、明治期に日本を訪問しその威容が日本人を驚かせた」という、砲艦外交を讃えた一文から始まる最後の三行が、昨日当ブログで取り上げた「中国軍艦訪日は歴史のほこりを拭く」と全く同じ論調なほどの熱烈ぶり。

 熱烈さのあまりというか、元来の平和主義的体質というか、怪しい主張が多数。

>中国は積極的に国連の平和維持活動(PKO)に参加しているが、要員の訓練などで日中が交流し、アジア諸国にも広げていくことを考えたい。

 恐らく「軍事交流」で中日連合まで暴走してしまい、護憲という表向きの主張慌てて思い出し「PKO要員の合同訓練」まで表現を抑えたものと思われる。それにしても話をアジアに広げるのは暴走。


>もう一つ望むのは、防衛交流を軍事関係者だけにとどめず、一般にも開いていくことだ。例えば、日本の研究者やメディアが中国軍を見学したり、取材したりする機会を増やす。国民レベルで少しでも理解が進めば、それだけ的はずれな推測は減ってくる。

 人員を整理し再編した人民解放軍にとって「あるがまま」を見られるのは一番困る。10~20年前、射撃場からホテルまで経営していた人民解放軍のつもりで、つい筆が滑ってしまったのだろう。

 

 日本のマスコミとしては、たとえ数人でも「平和団体」が洋上デモをしないことにはその他大勢の国民の耳目は集められないので、取り扱いも地味にならざるを得ないものと邪推する。中国当局は、平和団体にデモをするよう指令を出しておくべきだった。

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【雑感】また難癖の予感2【多数】

 昨日の続報、また歴史問題関連の記事があり。


・日四大紙「侵華戦争」(訳註:いわゆる支那事変)をふりかえる
http://news.xinhuanet.com/world/2007-11/30/content_7171846.htm
・日軍南京攻撃の貴重な写真が見つかる
http://news.xinhuanet.com/world/2007-11/30/content_7171663.htm

 内容的には、日本国内の報道や、いわゆる「史実」を紹介することにより、日本人にとって古傷(だと彼等が信じているもの)を刺激するもの。
 福田内閣に対する瀬踏みだと思ったのだが、媒体によっては深センの訪日を友好ムードで取り上げているのを見ると、どうやら中国国内で、深センの訪日が面白くない一派がやらせている、と考えるようになってきた。

・関係改善の指標【新華網】
http://news.xinhuanet.com/world/2007-11/30/content_7172248.htm
・人民海軍艦艇初訪日検証【青年報】
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-11/30/content_7171944.htm
・自衛隊武徳の文化と漢唐の軍風【青年報】
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-11/30/content_7172157.htm

 直接中日の接近が嫌なのか、今回の深セン訪日で影響力が大きくなる勢力がきらいなのか、逆に同イベントで勢力が削がれるのかは不明。
 報道内容を見ると、シンプルに日本が嫌いなだけかもしれない。

 個人的には日本をけなしている方も、いささか見当違いな切り口から褒めている方も、迷惑なので他国をダシに使わず自分のケツは自分で拭いて欲しいもの。
 清末から支那が近代化した過程に外国が大きく関わり、特に古代中国の文物を保存していた日本の立場が独特だったので、つい持ち出したくなる(頼りたくなる)のは分かるが、支那の悲劇が繰り返されてきた根底にはその考え方がある事を忘れるべきではない。

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11月30日

・新華社(要約)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-11/30/content_7166482.htm

1847年:
ロンドンで共産主義者同盟代表大会開催。大会の委託にを受けマルクス、エンゲルスが『共産党宣言』を起草。

1948年:
劉伯承、小平指揮下第二野戦軍が重慶を解放。

 

・Wikipedia(抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/11%E6%9C%8830%E6%97%A5#.E3.81.A7.E3.81.8D.E3.81.94.E3.81.A8

1853年 - アナトリア半島の黒海沿岸に位置するオスマン帝国の軍港シノープをロシア黒海艦隊が奇襲し、停泊中のオスマン艦隊もろとも港湾施設から市街地まで徹底的に破壊。これ機にイギリス・フランスはクリミア戦争へ参戦。
1939年 - ソビエト連邦軍がフィンランドに侵攻、冬戦争勃発。

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【雑感】嫦娥、宇宙レーザーアイとCCDカメラで3D月球全図作成へ【中文/新華網】

11月28日20時41分
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-11/28/content_7162965.htm

 嫦娥に載せたレーザー高度計”宇宙レーザーアイ”は、よほど出来がいいか、簡単に作れたか、自信があるか、とにかく研究者は胸を張っている。

”上海光学精密機器研究所 パテントの賜物”
”わずか二年半で完成”
”全て核心の部品は国産化を実現”
”総工程と国内多数の研究所、生産人員心血の結晶”

とまあ、絶賛。

 例によって、かぐやへの対抗心がむき出しで、わざわざ「中国はレーザー光度計に関しては後発だが、技術的に見劣りするものではない。かぐやにくらべても数キロ軽い」というコメントまでつけている。
 翌日。


11月29日5時27分
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-11/29/content_7164267.htm

日本 かぐやのデータから3D動画を作成【中文/中国新聞網】


 実際には28日にJAXAがプレスリリースしているので、

月周回衛星「かぐや(SELENE)」の地形カメラによる立体視動画作成について 【和文/JAXA】
http://www.excite.co.jp/world/chinese/

 新華網が、文化大革命を思わせるほど”宇宙レーザーアイ”だけを褒めちぎったのは、他にネタがなかったかCCDの具合が悪いかしているのだろう、もし嫦娥が本当に月を周回しているとして。
 それにしても、中身がなくなると過剰形容に走るのは、やはり民族性なのだろうか。

 過剰形容のあまり、研究期間が短すぎるとか、部品は輸入なのだろうとか、開発/製造現場は余程苦労したのだなとか、分かりやすすぎるところが悲しい。
 やっぱり国威発揚目的だと無理がでる。


追伸:
世界が中国の宇宙成功に注目:中国はもう世界の空間大国だ!【中文/新華網】
http://news.xinhuanet.com/world/2007-11/29/content_7166296.htm

 CNNがそう報道したという紹介記事。
 分かったような気になるだけで本質が伝わらない危惧から、筆者は例え話は極力しないようにしているのだが、常に他人の評価を気にせずにはいられない人格障害者を連想してしまった。

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【雑感】また難癖の予感【多数】

・中国軍艦訪日は歴史のほこりを拭く
http://news.xinhuanet.com/world/2007-11/28/content_7159909.htm
・歴史と未来の間
http://news.xinhuanet.com/world/2007-11/29/content_7164681.htm

 人民海軍艦艇としては初訪日となるイベントのせいか、それとも南京開城記念日が近いせいか、とにかく今週になって新華網に日中に関して「歴史」を云々する記事が目立ってきた。
 内容的には直接日本を批判するものではないが、歴史カードをちらつかせているような嫌な感じはする。

 上の記事にも書いてあるが、中華人民共和国にとって近代史は日清戦争、北進事変、日露戦争、満州事変、支那事変と日本だけから一方的に叩かれまくった屈辱の歴史であり、その上日本に報復も懲罰(いずれも原文ママ)も許されていない、という認識であるから。歴史というだけで抗日魂も燃え上がるというもの。

 ガス田にしろ6カ国にしろ、福田内閣に対して瀬踏みを始めた観がある。
 ここで引いたらどこまでも、それこそ沖縄まで中国に編入されかねないのだが、まああの内閣では無理だろう。

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11月29日

・新華社(要約)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-11/29/content_7158673.htm

1847年:
ロンドンで共産主義者同盟代表大会開催。大会の委託にを受けマルクス、エンゲルスが『共産党宣言』を起草。

1948年:
解放戦争三大戦役の一つ、平津戦役開始。64日間続き、国民党軍52万人が殲滅または改編(原文ママ)。

1950年:
中国人民解放軍「全国戦闘英雄」にして「人民志願軍特級戦闘英雄」「爆破大王」楊根思が、爆弾を抱えて敵に突っ込み爆死。以下略。

1995年:
国務院が承認したパンチェンラマ10世の生まれ変わりの霊童が、チベットで即位。

 

・Wikipedia(抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/11%E6%9C%8829%E6%97%A5#.E3.81.A7.E3.81.8D.E3.81.94.E3.81.A8

1890年 - 大日本帝国憲法施行。これにより第1回帝国議会が開会。翌1891年3月7日まで

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【雑感】衛星副総帥が答える 日中月面画像の見分け方【中文/信息時報】

http://news.xinhuanet.com/tech/2007-11/27/content_7151668.htm

抄訳

ネットユーザー:
この写真と日本のかぐやが送ってきた画像には、どのような違いがありますか。向こうはカラーで、我々のは白黒みたいです。

副総帥:
各国とも、月の地形は白黒写真を使う。地形を撮影するカメラは「地形カメラ」といい、白黒である。他に別の設備として、「多スペクトル測定儀(原文:多光譜儀)」があり、これは色を出すことができる。だから日本が11月16日公開した写真に「一枚」白黒のものがあるが、それが地形カメラで撮ったものだ。「もう一枚」カラー写真があるが、これは実際には「多スペクトル測定儀」で撮られたもので、あれは偽のカラー写真に違いない。


訳註1:JAXAによるとhttp://www.selene.jaxa.jp/ja/equipment/tc_j.htm、かぐやには、地形カメラ、マルチバンドイメージャ、スペクトルプロファイラの三種類の光学観測機器が搭載されている。「多光譜儀」がマルチバンドイメージャの訳語なのか、スペクトルプロファイラの訳語なのか不明。語感からすると後者の気がしないでもないが、16日にJAXAが発表した調査結果http://www.jaxa.jp/press/2007/11/20071116_kaguya_j.htmlは「地形カメラおよびマルチバンドイメージャによる観測」結果なので、事実と異なってしまう。

訳註2:「あれは偽のカラー写真に違いない」は、原文「那応該是偽彩色」をそのまま訳した。


 質問と回答がかみ合っていない、恐らく質問した「ネットユーザー」---韓国の「ネチズン」を意識してか中国では「網友(ネット友人)」と表現する)---の頭にある「かぐやの送ってきた画像」は添付した画像だろう。


 ペイロードも足りないわ、準備期間も足りないわ、そもそもハイビジョンカメラがないわでは、下手な回答をしたらやぶへびになるのは理解できる。
 それにしても、中国の月計画がもともと日本の計画に対抗したものとはいえ、回答全体に漂う日本の観測結果を過小化しようという意識はなんとかならないものだろうか。日本はいかに右翼といえ、競争などという無意味なことは微塵も考えておらず、粛々と作業を進めているだけなのだから。
 あまりにも非論理的、必死すぎて、逆に計画がうまくいってないのではなかろうか、とさえ勘ぐりたくなってくる。


 結論らしきものを言ってしまうと、中国の(ICBMをキャリアーにした)人工衛星打ち上げの目的がいまだに国威発揚なのに対し、日本は新規ビジネスとして広報を含めて「ビジネス展開している」。損得がからむだけ、この違いは大きい。

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【雑感】F15も飛行再開=空自【和文/時事】

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200711/2007112000659

 航空自衛隊は20日、米国ミズーリ州で州空軍所属の同型機が墜落した事故を受け、4日から見合わせていたF15戦闘機(約200機)の飛行を再開した。米軍から「原因は操縦席後方付近の胴体が損傷したため」とする調査結果の連絡を受け、事故機以外に問題はないと判断した。
 愛知県営名古屋空港の事故で、飛行停止していたF2支援戦闘機(75機)も16日に再開しており、これで空自の全戦闘機が飛行可能となった。


 一週間前の記事、フォローが悪くもうしわけない、F4が老骨に鞭打って防空していたが、F2に続いてF15も復帰、日本の防空体制は常態に復帰していた。
 F2については誤配線、F15は胴体損傷、いずれも事故機特有の原因。
 以前にも書いたとおり、F2はともかくF15は世界で一番コンバットプローブンを持つ機体と呼んでよい、飛行停止はいささか行き過ぎと思えなくもない。

 


 さて

・地域住民を軽視するな【沖縄タイムス社説】http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20071127.html
要旨:米軍は事故原因を明らかにせずに、欠陥機であるF15の飛行を再開した。とにかく飛ばすな。
・F15 3週間で飛行再開/事故原因は未公表【沖縄タイムス】http://www.okinawatimes.co.jp/day/200711261700_01.html
要旨:米軍は事故原因を明らかにせずに、欠陥機であるF15の飛行を再開した。とにかく飛ばすな。
・墜落未解明なまま F15が飛行再開【琉球新報】http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-29247-storytopic-1.html
要旨:米軍は事故原因を明らかにせずに、F15の飛行を再開した。とにかく飛ばすな。

 要旨を取るために、各記事を三度くらい読んだが、30~40年前のパプアニューギニアの原住民が、航空機を「神の乗り物」として崇めた風習に近い精神構造を感じる。
 理解できないものは、畏れるか崇めるしかないのだろう。いや、「畏怖」も「崇拝」も元来同じものではないのか。

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11月27日

・新華社(要約)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-11/27/content_7145740.htm

1958年:
中国初の10,000㌧遠洋貨物船「躍進号」が進水。

 

・Wikipedia(抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/11%E6%9C%8827%E6%97%A5#.E3.81.A7.E3.81.8D.E3.81.94.E3.81.A8

1931年 - 中華ソビエト共和国臨時政府(瑞金政府)樹立。

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【雑感】中国 嫦娥一号が送信してきた月面画像を初公布【中文/新華網】

http://news.xinhuanet.com/photo/2007-11/26/content_7145882.htm

 見たとおりの月面画像、かぐやのものに比べると高度が高い分解像度は落ちる(中国人に言わせると、その分広い範囲を撮影できるのだそうだ)。
 好意的に捉えるなら、11月26日は、中国が初の人工衛星を打ち上げた日なので、おそらく公開日程を調整したのだろう。

 悪く取ると、いつどこを撮ったのかデータが発表されていない上、これ一枚しか発表されていないので、本当に嫦娥一号が送信してきたものなのかどうか疑問。

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