指定感染症の基準策定へ 新型インフルエンザ
厚生労働省は21日までに、新型インフルエンザが国内外で発生した際に、患者の強制的な入院や就業制限などの措置が取れる「指定感染症」に指定するかどうかを判断するための基準を、国立感染症研究所と共同で作る方針を固めた。
昨年11月策定の政府の対策行動計画は、国内外で新型が起きれば速やかに政令で指定感染症とするよう規定。しかし、行動や就業を制約する指定を、ウイルスの感染力などに関係なく行うのは人権上好ましくないため、指定の可否を評価する基準を設けることにした。
基準の検討項目として感染力や患者の症状の重さ、死亡率、発生地などを想定している。
(共同通信) - 3月21日19時21分更新
「指定感染症」は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(H16.12.1改正、H17.4.1施行)に定められています。以下抜粋
この法律において「指定感染症」とは、既に知られている感染性の疾病(一類感染症、二類感染症及び三類感染症を除く。)であって、第三章から第六章までの規定の全部又は一部を準用しなければ、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。(同法六条の6)
「指定するかどうかを判断するための基準を作る方針を固めた」とはまた見事な官僚的言い回しです。高病原性トリインフルエンザは「四類感染症」インフルエンザは「五類感染症」にそれぞれ指定されているのですが、上にも書いてある通り新型インフルエンザについては「後手に回る恐れがある」と誰かが思いついたのでしょう。
指定感染症に指定された場合どうなるか、ちょっと剣呑な話。
1.感染の疑いがある人は、健康診断を受けさせられます
2.感染の疑いがある人は、就業が制限されます
3.感染の疑いがある人は、強制的に入院させられます(十日間、「協議会」の同意があれば延長可。ただし30日を越えた場合、患者は審査請求ができる)
4.知事は汚染された疑いのある、場所を消毒させることができます
5.知事は汚染された疑いのある、物件の移動を禁止できます
6.知事は汚染された疑いのある、死体の移動を禁止できます(死後24時間以内の「火葬」が基本)
7.知事は汚染された疑いのある、水について給水制限できます
8.知事は汚染された疑いのある、建物について立ち入りを禁止できます
9.知事は汚染された疑いのある、場所との交通を禁止できます(72時間限定)
「ただしこれらの措置は必要最低限でなければならない」とのただし書きつきですが、SF映画のシーンのようではありますな。
あまり脅かすのもよくないので、この法律の目的と理念及び国民の債務を抜粋します。
(目的)
第一条 この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
(基本理念)
第二条 感染症の発生の予防及びそのまん延の防止を目的として国及び地方公共団体が講ずる施策は、保健医療を取り巻く環境の変化、国際交流の進展等に即応し、新感染症その他の感染症に迅速かつ適確に対応することができるよう、感染症の患者等が置かれている状況を深く認識し、これらの者の人権に配慮しつつ、総合的かつ計画的に推進されることを基本理念とする
(国民の責務)
第四条 国民は、感染症に関する正しい知識を持ち、その予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、感染症の患者等の人権が損なわれることがないようにしなければならない。
日本人は法律に対して杓子定規になりすぎる嫌いがあります、私を含めて。目的と理念を抑えた上で、最悪に備えてもらいたい、備えたいもの。
WHOの発表でもH5N1の死者がとうとう累計で103人になりました。亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。