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【雑感】原因究明、中国も前向き=ギョーザ中毒問題で福田首相【和文/時事】

http://www.jiji.com/jc/zc2?k=200802/2008022800884

 福田康夫首相は28日夜、中国製冷凍ギョーザ中毒問題で中国公安省が同国内での毒物混入の可能性は低いと発表したことについて「(中国側は)これからも日本と共同して、しっかり調査したいということを言っていたのではないか。非常に前向きだ」と述べ、今後も中国と協力して原因究明に当たる考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 また、首相は「中国側も原因をしっかり調査し、責任をはっきりさせたいという気持ちは十分持っていると思う。日本側も協力してやってもらいたい」と語った。


 この件にのみ関して言えば、不定見な人間が首相をしているという事実は、逆に日中関係にとっては不利益に働くのではなかろうか。
 官邸と中南海だけは表向き仲がよく、国民感情レベルでは冷え切っている、という事態になりかねない。まるで1930年代を見ているようだ。

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【雑感】中国公安省、日本で農薬混入示唆 「袋の外からも浸透」【和文/朝日】

http://www.asahi.com/national/update/0228/TKY200802280135.html

 中国製の冷凍ギョーザ中毒事件で、捜査にあたっている中国の公安省と国家品質監督検査検疫総局は28日午前、北京市内で記者会見した。同省幹部は有機リン系農薬成分メタミドホスは包装の外側から染み込むという実験結果を公表。中国内で冷凍ギョーザにメタミドホスが混入した可能性は「極めて低い」と述べ、明言は避けたが、日本国内で混入したとの見方を強く示唆した。

 日本側はメタミドホスが外部から浸透することはないとみており、両国当局の見解対立が表面化した形だ。1時間半に及ぶ記者会見は中国中央テレビが生中継。日中間で協力をうたっているものの、真相解明への取り組みは難航しそうだ。

 今回の事件で同省幹部が記者会見するのは初めて。同省刑事偵査局の余新民副局長は、冷凍ギョーザの製造元である河北省石家荘の天洋食品の従業員ら55人を調べたが、毒物混入の疑いは見つからなかったと述べた。

 同省物証鑑定センターの王桂強副主任は、サンプル実験の結果、「完全に密封されたギョーザの袋の外側からでも、メタミドホスは内部に染み込む」との結論に達したと語った。

 日本の警察当局が日本国内での混入の可能性が低いと判断したことについて余氏は「時期尚早」であり、そうした見解をメディアに公表したことや、日本の警察当局に物証や鑑定結果を見たいと申し入れたが拒否されたことなどに対し「非常に遺憾」と述べ、日本側を批判した。

 また、同総局の魏伝忠副総局長は、今回の事件が残留農薬による問題ではなく人為的に引き起こされたものであるとの見解を改めて示した。


以下新華社:

総括的な記事
http://news.xinhuanet.com/politics/2008-02/28/content_7684684.htm

質総局発表内容
http://news.xinhuanet.com/politics/2008-02/28/content_7684538.htm
要約:日本から持ち帰ったサンプルを分析したが、メタミドホスは検出されなかった。残留農薬の問題ではない、犯罪である。

公安部発表内容
http://news.xinhuanet.com/politics/2008-02/28/content_7684613.htm
要約:
1.原材料にメタミドホスは混入は発見されなかった。
2.製造工程でも、共同作業による相互監視、監視カメラ、品質担当者のパトロール、によりメタミドホスを混入できる状況にない。
3.輸送過程でも、コンテナに入れられており異常はない。
4.事情聴取でも関係する55人全ての供述に矛盾はなく、不審者はいなかった。
5.実験によると、-18℃の環境下で、10%、30%、60%のメタミドホス溶液は10時間で包装の内側に浸透が確認された。
6.日本は物証も渡さない捜査内容も教えない現場検証もさせない、遺憾である。
よって、メタミドホスが中国国内で混入された可能性は極めて小さい。

公安部実験結果:
http://news.xinhuanet.com/politics/2008-02/28/content_7684831.htm
要約:
1.もっと調査しなければならない
2.科学的、客観的な試験をしなければならない
3.勝手にマスコミに発表するのは遺憾
と日本人に言ってやった。
 日本人は「密封した袋の中から検出されたのだから、密封以前、つまり工程内で混入された」と主張するが、我々の実験ではメタミドホスは袋を浸透するのだ。


 朝日もここまでよくまとめている。
 尚、子供じみた言い訳に見えるかもしれないが、彼等にとっては「科学的かつ客観的な、世界に通用する中華理論」のつもりなのである。

 ここまででも、日本における中毒事件の反応としては「BSEでも経験している通り、そのような言い草では日本の消費者には「逆切れ」だと思われるだけで通用しない。中国製がスーパーから消え去るだけであり、中国にとって資本主義は付け焼刃に過ぎなかった」という結論になるのだが、更にこれにオチが続く。


質問:
日本警察は物証としてメタミドホスの不純物を提示してきた。国連の規定によればメタミドホスには不純物が認められている、よって不純物が混じっているのは当然だ。
公安の回答:
鋭い質問です、国際化自由化が進む今日、いかなる国家も禁制物の流入を防止することはできない。
質総局の回答:
補足します、メタミドホスの件は生産国を特定するという、科学の問題だ。古今東西、組織的な陰謀は秘匿されてきたからこそ陰謀なのだ。今回のギョーザ中毒事件も、外国から非合法に日本に持ち込まれた可能性もある。

 記者は記者で、日本国内では不純物がほとんど混じっていないメタミドホスしか流通していないことを知らない、としか思えない質問をするわ、公安も質総局も陰謀論に逃げるわ。14:00現在、国内の記事でもここまで紹介しているものがないのも、あまりにも馬鹿馬鹿しいからだと思われる。
 ショッカーの仕業にでもした方がまだましだ。ああ、日本人に被害が出ているので死ね死ね団だな。


 おそらくこれで幕を引いたつもりなのだろうが、中国当局者には状況を把握する能力も、状況に対処する能力も共にない事を日本の販売者、消費者に自ら暴露したにすぎず。日系企業が製造するものを含めて、日本中の小売店から中国製の食品が消える。

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【雑感】日米のミサイル防衛に懸念 制服組トップ会談で中国【和文/中日】

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008022701000679.html

 【北京27日共同】中国人民解放軍の陳炳徳総参謀長は27日、中国を訪問している防衛省の斎藤隆統合幕僚長と北京市内で会談し、日米両国が共同で開発、運用を進めているミサイル防衛(MD)に言及、台湾情勢に影響を及ぼす可能性を指摘するなど懸念を表明した。

 これに対し斎藤統幕長は「ミサイル防衛と台湾は全くリンクしていない」と強調。会談後、記者団に「(日本側の立場は)ご理解していただけた」と語ったが、日中制服組トップの間でMDに対する受け止め方に開きがあることを印象付けた。

 2006年3月の陸海空3自衛隊の統合運用で自衛隊制服組トップの統幕長ポストが創設されて以来、統幕長が公式訪中するのは初めて。

 曹剛川国防相も斎藤統幕長と会談し、東シナ海などで不測の事態が起きた場合の日中連絡メカニズムの確立に強い期待感を示した。


「日中制服組トップの間でMDに対する受け止め方に開きがあることを印象付けた」
もなにも。 
 軍事的に日中関係は、一方は核ミサイルを向け、もう一方それを迎撃する手段を急ピッチで構築中、といった関係なので、受け止め方に開きがあるのが正しい。
 この記事を書いた記者は、日本と中国が軍事同盟を結んでいると勘違いしているのではないか。

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2月28日

・新華社(要約)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-02/28/content_7675861.htm

194年:台湾人民が2・28決起。

・Wikipedia(抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/2%E6%9C%8828%E6%97%A5#.E3.81.A7.E3.81.8D.E3.81.94.E3.81.A8

1947年 - 台湾で国民政府に対する不満から暴動が発生(二・二八事件)。
1967年 - 川端康成・石川淳・安部公房・三島由紀夫らが文化大革命に対する抗議声明発表。

(筆註:二・二八事件では、大日本帝国統治への回帰指向もあったようである。一方では中共の教唆も指摘されており、上記新華社の記載は意味深といえる)

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【雑感】環境からオリンピックまで 西側が中国を叩く理由【中文/国際在線】

http://news.xinhuanet.com/world/2008-02/27/content_7677288.htm

 一言でいうと「それは先進国が中国の台頭に恐怖しているからに他ならない。中国は経済、政治で急速に発展し、やがては中国の価値観が世界中に受け入れられるであろう」という内容。

 筆者の認識。
 支那とは、「内戦→統一→腐敗→内戦」というプロセスを繰り返しているだけの地域である。
 更に統一体制ができると、体制の構成員の自己認識肥大が対外に顕になる。近いところでは、ほんの数十年前まで(表向きは現在でさえ)中国では「マルクス・レーニン・毛沢東思想」の優位性が説かれてきた。
 彼等の自称する中華民族という意味で、そういう民族性なのだ。

 個人的には、集団を擬人化して捉え、構成員の個性と人間性を無視する見方には否定的なのだが。上記のような事例を見ると、「もともとコンプレックスが強いので、必要以上に自己を賛美し、他人に対して好戦的になる」個人であれば少なくとも性格の偏りと呼ばれる症状が、集団で発症しえるのだろうかと思えてしまう。
 筆者も使っているように、「民族性」という単語があるくらいだから、集団においてもそういう傾向はあるのかもしれない。
 まあ、世界中どこにいっても似たようなものだといわれれば、筆者の乏しい知識では反論できない。
 
 それにしても、上の記事はあまりにも帝国主義的にすぎる。

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【雑感】小牧基地周辺で反対デモ 空中給油機の配備前に【和文/中日新聞】

http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008022302089945.html

 航空自衛隊のKC767空中給油・輸送機が空自小牧基地(愛知県小牧市)に配備されるのを前に、配備の反対を訴えるデモ行進が23日、同基地周辺であった。

 名古屋市に事務局を置く市民団体「不戦へのネットワーク」(水田洋代表)が呼び掛け、約50人(主催者発表)が参加。基地に隣接する県営名古屋空港北側の公園から行進し、横断幕や看板などを掲げながら「空中給油機導入反対」「名古屋空港を軍事利用するな」などと声を上げた。

 途中、三菱重工業小牧南工場に立ち寄り、戦闘機の生産や飛行テストをやめるよう申し入れた。午後には小牧基地正門前で空中給油・輸送機配備中止を訴える申し入れ書を提出する予定だ。

 空中給油・輸送機は、ボーイング社のある米国から、20日に空自岐阜基地(岐阜県各務原市)に到着。最終整備を終えた後、29日に小牧基地へ移される。


 この空中給油機を東方網では以下の通り報道している。

http://news.xinhuanet.com/mil/2008-02/25/content_7665458.htm

空中給油機は、航空自衛隊の航続距離が短いという、周辺国家と競り合う上での欠点を補完するものだ。
KC767正式配備により、航空自衛隊は米空軍同等の打撃力を保有した、これは周辺国家にとって深刻な脅威と影響となる。


 第二大戦しかり、支那事変しかり、宥和政策が事態を悪化させ、ついには戦争にいたるのは歴史の教えるところである。その意味で、KC767の配備により、空自の戦力が上がり、その意味を正確に東方網が理解しているのは、平和にとって有意義といえる。
 同じくその意味において「不戦へのネットワーク」なる人々の行いは、戦争を叫んでいるに等しい。空自の戦力が上がることを「深刻な脅威と影響」と捉える勢力を、代弁しているにすぎないのは分かるが。

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【雑感】北京オリンピックでは日本チームが罵声を聞くことはあり得ない【中文/環球時報】

 更新しない間に、餃子では「中国無実」宣言を当局だ出したり、サッカーではルチャ・リブレが見られたりした。
 中国の必死な様を眺めるのが好きな筆者としては、眺めるのに夢中で分析が間に合わないといったところ。
 リアルが忙しいのもあるので、当面不定期更新になりそう。取り合えず環球(抗日)時報の電波記事から。

http://news.xinhuanet.com/world/2008-02/23/content_7652410.htm

 20日の東アジア選手権日中戦に対する、日本のネット上の書き込みを受ける形で、タイトルの通りの内容を主張する記事、北京テレビのスポーツキャスターの発言を根拠にしている。
「オリンピックが近づくにつれ、政府から民間までオリンピックに向けて準備している、しかも更に警備の努力をしている。だから日本チームが罵声を聞くことはあり得ない」
のだそうだ。

 個人的には、むしろ価値観の違いがわかりやすくてよいと感じている次第。
 毒餃子への対応もそうだが、彼等の「理屈にならない理屈を必死にこねる」国民性を楽しむ為には、上記の引用だけで充分ではある。 追い討ちをかけるようだが、同じキャスターが20日の試合を評した発言を訳してみる。
「あの試合は、日本のメディアが騒ぐ程行き過ぎではない」

 共産国なので、観客を全員サクラにしてしまえば、応援マナーは向上する。選手がスポーツマンシップをもっているかどうかは知らない。
 ちなみに、サッカーの中国チームは警告書を切られたり、罰金をとられたりしてるようだ。
http://www.asahi.com/sports/update/0222/TKY200802220319.html
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/f-sc-tp2-20080223-326071.html

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【雑感】日本がこっそり”普通の軍事国家”を目指している【中文/世界知識(雑誌)】

http://news.xinhuanet.com/world/2008-02/16/content_7613480.htm

 一言でいうと、小泉内閣の時代に散々お目にかかった「日本軍国主義化/右傾化論」、蒋介石や周恩来以来の伝統をもつ「日本脅威論」と変わらない内容。
 安倍内閣以来、時折のはねっかえり記事を除いては、あまり目にしなくなったのだが、このところ特に軍事関連の記事でこの傾向が目立って来ている。

・毒ギョーザに対する牽制
・雪害の不満を日本に向けようとする謀略

 脊髄反射でこのような考えが思いつくところではあるが。
 筆者は最近、中共、いや中南海がそのような情報操作をおこなえるまで、権力を維持していないのではないか、と思えてきている。(かといって、清末-民国初期のように、軍閥が割拠している状態というつもりはない)

 一応胡錦涛系の新聞として、【青年参考】が資源調査船に関する記事を載せているのだが、これなど相変わらず冷静かつ分析的な内容でありhttp://news.xinhuanet.com/world/2008-02/15/content_7610945.htm、その姿勢と上記のヒステリックとも言える「抗日記事」や、質総検局長の「袋を開封してまた密封することは、ハイテクなど使わなくても普通の人でもできる」http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008021301000746.html発言とのギャップに、どうも違和感がありすぎるのだ。

 戦前の日本は、ロシア(ソ連)に対する防衛上の問題から、支那に関わっていき、ついには抜き差しならない状態になった、という解釈も可能かと最近考え始めている。中国に関わったとしても日本にとってメリットは全くない、あるのは荒廃した土地、インフラが整った都市では年々上昇する人件費、一人当たりのGDPがグァテマラ、ヨルダン並みの人民、地方政府の朝令暮改、のみである。
 まあ、日本の国力から考えても、70年前のような関わりあいかたをするのは不可能なので、そうそう心配もしていないのだが。
 不安なのは、70年前も状況は同じであり、軍人、特に陸軍はそう認識していたことなのだ。

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【妄言】ギョーザ薬物、日本での人為的混入示唆 中国検疫幹部【和文/朝日】

http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY200802060392.html

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件について、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は6日、「中国での製造過程で人為的に毒物が混入された可能性はきわめて低い」とし、日本で混入した可能性を示唆、「日中関係の発展を望まない極端な分子によって引き起こされた可能性がある」と述べた。
 
 魏氏は、訪中している日本政府調査団と北京市内で会談した際に発言。「食品安全の問題ではなく、人為的に行われた事件だ」と、故意の犯行との見方を中国当局者として初めて示した。製造元の天洋食品に問題はなかったとの考えを示し、「日本の調査団も確認したはずだ」と、安全性の高さを強調した。

 日本側調査団長の原嶋耐治・内閣府消費者企画課長は「原因究明はできていない。再び調査団を派遣することもありうる」と述べた。

 日本側では、中国での製造過程で毒物が混入したとの見方が強まっており、日中間で見方の対立が表面化した形だ。

 ただ、同総局の王大寧輸出入食品安全局長は会談後、「魏副総局長が話したのは一つの可能性。極端分子は日本側かもしれないし中国側かもしれない」と釈明した。

 また王氏は、新たに混入が発覚した農薬成分ジクロルボスについても天洋食品の工場で調査したが、検出されなかったことを明らかにした。


 どうやら「個人の犯行」ということに決まったらしい。おそらく品質管理上致命的、かつ構造的な欠陥が見つかったに違いない。春節の間に証拠を隠蔽するつもりだろう。

 それにしても「過激派の国籍は不明」という発言を、「中国の検疫責任者が日本人を犯人呼ばわりした」というタイトルにするあたり。この新聞は、日本人が最も敏感になる「食の安全」問題をテコに日本人の対中感情を悪化させ、余程日中関係を草の根のレベルで悪化させたいものと見える。
 どこの右翼新聞だ?

 しばらく留守にするので、次回は来週末更新の予定です。

追伸:「個人の犯罪」とする中国当局のコメントについて。それは一般に「テロリズム」とよばれる行為ではなかろうか?

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【雑感】工場内混入、強まる 皮で包んだ後か ギョーザ事件【和文/朝日】

http://www.asahi.com/national/update/0204/TKY200802040358.html

 メタミドホスの鑑定結果が次々と明らかになった。一度は店頭に並んでいた未開封の冷凍ギョーザの袋の内部からも4日、検出された。これまで農薬成分が確認された製品は流通ルートが異なり、同じ原因で混入・付着したとすれば、その時間や場所は限られる。中国の工場内で汚染されたとの見方が強まっている。

 大阪府枚方市のスーパーから回収された冷凍ギョーザ。4日の兵庫県警の鑑定で、1袋の内側とギョーザの皮からメタミドホスが検出された。未開封の製品の内部から農薬成分が検出されたのは初めてだ。

 使われた包装は高分子のポリプロピレン製だ。袋の表面からは筋状の傷が見つかったが、水分がしみ込む程度でメタミドホスの混入経路になる可能性は低いと県警はみている。千葉市と千葉県市川市で中毒を引き起こした製品の袋からも穴や傷は確認されていない。

 4日の鑑定では、包装の内側やギョーザの皮から農薬成分が検出されたが、ギョーザの具部分からは出なかった。

 千葉市の家族が食べたギョーザの鑑定結果とも符合する。こちらは皮と具からメタミドホスが検出されたが、濃度は皮の方が高かった。千葉県警は「皮部分にまず付着し、内側へ浸透した」とみている。

 こうした状況から捜査当局は、具を皮で包んで成形した後に汚染されたとの見方を強めている。

 袋が何らかの原因で汚染され、包装された以降に袋からギョーザに移った可能性も否定しきれない。殺虫の目的で行う工場内の燻蒸(くんじょう)は昨年2回実施されたが、事件後、工場を点検した日本生活協同組合連合会は「燻蒸にメタミドホスは使用されていない」としている。


 ■2つのルート、接点は4日間

 農薬成分が検出された2種類の冷凍ギョーザは、中国から日本に運ばれ、兵庫県、大阪府、千葉県と別々の地域に流通していた。二つの製品に接点はあったのか。

 兵庫県と大阪府に流通した「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」の製造日は10月1日。千葉市、千葉県市川市に流通した「CO・OP 手作り餃子」は同月20日。いずれも製造場所は中国・天洋食品の工場で、具の製造から成形、袋詰め、箱詰めまで1日で行われていた。

 出荷を待つ10月20日から23日までの4日間は、両製品とも同じ工場に保管されていた。段ボールに入った状態で冷凍庫に入れられたという。

 この冷凍庫は四つの区画に区切られ、それぞれの区画には扉があり、鍵で施錠する仕組みになっていた。二つの製品が同じ区画に保管されていたかどうかは、分かっていないという。

 二つの製品の接点はここまで。10月1日製造分が中国・天津の港に運ばれたころには、10月20日製造分はすでに港を離れ、日本に向かっていた。

 二つの製品は大阪・横浜両港に別々に到着。それぞれ関西と関東の倉庫に保管され、各地のスーパーに運ばれた。


 製造過程で混入・付着したとすれば、どのような可能性があるのか。天洋食品はメタミドホスを含む殺虫剤は工場内ではこれまで使用していないと明言している。

 ギョーザ輸入元のジェイティフーズの親会社・日本たばこ産業(JT)の日野三代春・執行委員も4日の会見で「工場内にはメタミドホスはなかった」と話した。製造室内での害虫対策は、ハエたたきなどで対応しているという。また、製造工程では専門の職員が衛生状態を巡視し、ギョーザを袋詰めにする前後の2回、金属探知機やX線探知機で異物混入の有無を調べていたという。

 捜査当局は中国側での混入の見方を強めているものの、国内で混入された可能性がないかについても慎重に調べている。これまでに両県警が検出したメタミドホスを含む物質が、同一の成分かどうかも詳しく調べる。

 

 社説はアレだし、記事(特に国際、環境関係)によってはイデオロギッシュな偏向報道の目立つ朝日ではあるが、時々このような客観的かつ科学的な分析に基づいた、普通の記事が出てくることがある。法曹か科学の方でも担当していた記者なのだろうか?
 筆者としては、この記事を書いた記者がデスクに暴行されたり、携帯を壊されたりしていないことを祈る。


 妄言で紹介した、今日の朝日社説でも、もちろんいい事も書いている。下の文章がそれである。

>日中両国は双方で約束した通り一日も早く事件を解明してもらいたい。そのためには協力態勢をきちんと築き、自らに不利な情報も包み隠さず出し合うことが大切だ

 クレーム対応の教科書に載せてもいいくらいの文章といえる。
 さて、下記の国内記事から判るように中国側の調査ではメタミドホスが検出されなかったようだが。

・回収商品などから毒物検出されず 中国の地元検疫当局【和文/朝日】
http://www.asahi.com/special/080130/TKY200802040325.html

 天洋食品では4日、河北省当局による立ち入り調査が前日に続き行われた。警察車両が1台入ったことが確認され、警察関係者が調査に加わっていたとみられる。

・中国当局、検査拡大でも検出されず・ギョーザ問題【和文/日経】
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080205AT1G0402S04022008.html

 買い付けを担当した双日食料(東京)は中国側の要請で4日も現場調査を自粛。再開のメドは立っておらず、真相究明につながる新たな手掛かりはつかめていない。


 前にも書いたとおり、マスコミ、消費者団体の教育のおかげで、日本の消費者は食(健康といってもよい)問題に対して、過剰な程の反応を示す。情報を捏造したり、事実を隠蔽したりするのは即不信感に繋がる。
 その意味、朝日も中国側の関係者も、自爆しまくってる気がする。

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