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【雑感】歴史はゴム粘土ではない【中文/人民日報】

http://news.xinhuanet.com/world/2008-03/28/content_7871828.htm

要約:
 一部の西側マスコミが、「1951年にチベットが中国に併合された」などと捏造している。歴史上、チベットを独立国家と承認したいかなる国家もなく、13世紀にチベットは正式に「中国」の版図に入り、中央政府に直轄されており捏造だ。
 歴史はゴム粘土ではない、勝手に捏造していいのもではない。事実を述べず、無責任なマスコミは終いには唾を吐きかけられる、「良識的マスコミが責任をもって報道して初めて、歴史は本来の姿を示すのだ」。


・彼等はチベットの人権に関心があるのか?【中文/人民日報】

http://news.xinhuanet.com/world/2008-03/28/content_7871823.htm

抄訳:
 一部の西側の連中は、世界の人権指導者気取りだ。連中にとって人権こそなによりも尊く、なんでも人権侵害になり、しかも「彼等の物差しでそれを決める」。
 ラサの「殴り、壊し、燃やし、略奪する」事件も、彼等に言わせれば「平和デモ」であり「人権擁護」なのだ。

 彼等は本当にチベット人の人権を守ろうとしているのか?一部の「良識的」な西側メディアは、ラサの事件は「平和デモなどではない」と客観的な報道を始めている。
 世界中どこの国でも、このように白日の元に繰り広げられた暴行事件を「平和デモ」とは呼ばないだろう。
 中央政府はチベットに学校を建て、病院を建て、鉄道を通し、チベット人民の発展を助けてきたのに、色眼鏡で見る西側の人間は認めようとしない。はなはだしきは、チベット文化、人権破壊と言い出す。連中はダブルスタンダードで、中国を貶めたいだけなのだ。
 アメリカで鉄道を通すと「工業化の奇跡」と書かれ、インドでは「人民の利益」と書かれ、なぜ中国では「チベット族の文化破壊」と書かれなければならないのか?
 今回西側の一部の人間は、ラサの暴力事件を悪意に解釈するあまり、彼等にとって関心があるのはチベットの人権ではなく、事のついでに中国に泥を塗り、中国の力を殺ぎ、中国を押さえ込みたいだけなのだ。

 


 まず、国際先駆導報でも環球日報でもなく、人民日報がこのような批判記事を書く事が最近では異例。
 後ろめたい部分、自分の弱点、を指摘されると逆切れする人民性から、チベット侵略と人権について指摘されると、国際的に不利である事はうすうす分かっているようだ。
「13世紀に中国の版図」と主張しているのは、元代のゴダン・ハーン話をしており、チベットのみならず、沿海州からポーランドまでが中国あると主張しなければならない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Mongol_Empire_map.gif
(それ以前に「中国」ではなく、「モンゴル」だと思うが)
 ポーランド、チェコの首脳が北京オリンピック開会式ボイコットを表明したのは、このあたりにも原因があるかもしれない。
 また、中共は支那の伝統的な考え方から、「人権」を自らの専制に対する脅威としか考えておらず。その甲斐あって、大多数の人民は「人権」を理解していない。
 日本の平和・人権団体がチベットに関しては沈黙を守っているのが、個人的にはお里が分かりやすくて、ひたすら微笑ましい。
 中共にとって、彼等は「良識的な」団体なのだろう。

 尚、最近の筆者は、この手の、中華帝国思想記事を書く人間が、心の底からそう思い込んでいる可能性を排除できなくなってきている。


参考:
良識的~:中共に都合よく偏向、捏造した声明を出す団体。~マスコミ。類義語:友好~ 

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【雑感】 米大統領、チベット騒乱で中国国家主席に懸念表明【和文/CNN】

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200803270009.html

ワシントン(CNN) ブッシュ米大統領は26日、中国の胡錦濤国家主席と電話で会談し、中国チベット自治区の抗議活動参加者に対する取り締まりへの懸念を伝えた。

ブッシュ大統領はまた、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の関係者との対話や、チベット自治区への記者や外交官の立ち入り許可を中国政府に促した。両首脳は台湾へのミサイル部品誤送や北朝鮮核廃棄、ミャンマーなどの問題についても意見を交換した。

チベット亡命政府は、ここ数週間の一連の騒乱による死者が約140人にのぼったとしており、北京五輪を前に中国の人権問題があらためて浮き彫りになった。中国当局は死者数を大幅に少なく発表するとともに、チベット人に狙われた「無実の犠牲者」だと説明している。

ホワイトハウスによると、米国はスポーツと政治は別との立場を維持し、北京五輪をボイコットしない方針。

 

・胡錦涛主席、ブッシュ大統領と電話【中文/新華ネット】
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-03/26/content_7865190.htm

要約:
胡錦涛がブッシュに電話して、ダライ・ラマの非について述べた。


 新華ネットの記事では、主語が全て「胡錦涛は~、胡錦涛が~」になっており、秦剛ばりの必死っぷりが笑える。


 一方、記者団チベットツアーにラマ僧が直接接触

・「チベットに自由ない」僧侶ら現地入り外国メディアに直訴【和文/読売】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080327-OYT1T00336.htm

チベット族による大規模暴動が起きた中国チベット自治区ラサで27日、中国政府に指名され現地入りしている外国メディアの取材団に対し、地元の僧侶グループが「チベットに自由はない」などと訴える直接行動に出た。

 中共の情報管制が厳しくなってきたためか、ここ数日チベット関係が変におとなしい。首相がカレなので、日本として主体性のある行動がとれよう筈もなく、過去数年「日本の孤立」を叫び続けてきたマスコミも、日本政府に文句をつけるわけにもいかないのか、静かな印象。
 そんな中、「プロパガンダツアー」が伝えてしまったニュース、もちろん国内向けにはしっかりプロパガンダに利用している。
 チベット族もなかなか粘るというのが正直な印象。

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【雑感】 西側マスコミの歪曲報道に抗議【中文/国際先駆導報】

http://news.xinhuanet.com/world/2008-03/25/content_7852491.htm

 20~22と中国の南方に行ってきた。ホテルでテレビを見る限りでは、CNN、NHKの報道に特にジャミングをかけるでもなく、ダライ・ラマの画像コメントをそのまま流していた。
 一方CCTVでは、「暴動の被害者」の証言、映像を何度も繰り返し流し、プロパガンダ臭がぷんぷんしていた。その他の番組は万能の皇帝に有能な臣が拝跪して絶対悪をこらしめる時代劇とか、絶対悪の日本軍を万能の八路軍が打倒する時代劇とか、こっちが色眼鏡を掛けているせいか、この国人の価値観は世界標準から離れていると思った。


 さてタイトルの記事

要点:
チベット問題に関して、CNNを初めとする西側マスコミは事実を歪曲して報道をしていると、全世界の「華人」が抗議。

 全世界「人民」ではなく「華人」というところに、中共の弱気が垣間見えて微笑ましい。

 中国のネット人口は2億1千万人だそうなので、7人に1人がネットに繋いでいる勘定になる。筆者の見るところ、全人民のうち7人に4人は家にいくら仕送りできるかを心配し、2人は今日の食べ物を心配し、残る1人がネットに繋いでいる、そのような感じだ。
 中共がネットを管制しているのは間違いないところだが、歴史的な人民レベルでの「大中華帝国主義」指向、具体的には昨今の抗日キャンペーンからすると、上記の「歪曲に対する抗議」は、当局のやらせではなく、むしろ自発的なものと考えたほうが自然に思える。

 事態は中共のパターン通り、抗日「歴史」問題同様、国際イメージと少数民族の人権を犠牲にしつつ、国内的には世論誘導の形で推移している。ただし靖国問題と異なり、敗戦国の面子ではなく自国民の人権を踏みつけにしている点において、これは中共が自分で自分の首を絞める方向であり、筆者にとっても適ったりの方向に他ならない。

 

・外国人記者を完全監視 つけ回し、下着まで検査【和文/USFL】
http://www.usfl.com/Daily/News/08/03/0324_013.asp?id=59640

・ダライはあらゆる祖国分裂活動を完全に停止せよ【和文/人民日報】
http://j.people.com.cn/2008/03/21/jp20080321_85666.html

 上の秦剛など、実に分かりやすい切れっぷり。

 今回南方を旅行し、そこここでビルの建築現場を見ながら、田舎から出稼ぎに出てこういう現場で働いているだろうと思い。前の方で7人に4人と書いた。目の前の金、今夜の食事にしか興味がなく、自分の人権すら考えたこともないような連中が、見たこともない一少数民族の人権など思いつこうはずもない。
 体制に囲い込まれ、義務と権利を喪失した人間は国民ではない。筆者は「人民」という単語を使っているが、刺激的なだがより適切な、例えば『義勇軍行進曲』などで使用されている単語では「奴隷」という。


 そういえば、チベットにも近く、先日ハイジャック騒ぎもあった新疆ウイグル自治区南西部、具体的にはホータン南東230キロで21日にM7.3の大地震が発生し、M5クラスの余震が発生している模様。

・新疆ホータン地震、余震続く、被災者は10万人近く【中文/新華網】
http://www.xj.xinhuanet.com/2008-03/24/content_12779091.htm

 被災者97,603名、直接経済損失1.14億元、倒壊家屋2,283棟。

 夜間外出や、ウイグル族3人以上の集会を禁止(中日)していたようだが、地震で無意味に。のみならず、震災後の人心は動揺しやすく、流言も飛びやすい。
 四川のチベット族によるデモも、それの弾圧も依然散発しているようなので、まだまだ予断は許されない。
 とはいうものの、7人中5人が今日の食べ物を心配する状態にならなければ、体制など揺るぐものではない。

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3月26日

・Wikipedia(日本語版・抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/3%E6%9C%8825%E6%97%A5#.E3.81.A7.E3.81.8D.E3.81.94.E3.81.A8

1945年 - 硫黄島で日本軍守備隊が玉砕。


・Wikipedia(中国語版・抜粋)
http://zh.wikipedia.org/wiki/3%E6%9C%8825%E6%97%A5#.E5.A4.A7.E4.BA.8B.E8.AE.B0

1879年:日本琉球国を侵略。
1895年:イタリア、エチオピアを侵略。
1949年:中国共産党中央、北京に到着。

(筆註:画像は新華ネットより、チハ車とMBの取り合わせが絶妙)

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【妄言】チベット騒乱―中国は対話を拒むな【和文/朝日社説】

http://www.asahi.com/paper/editorial20080319.html#syasetu2

 多くの人たちが死傷した中国チベット自治区ラサの騒乱は治安部隊に鎮圧され、街は厳重な監視下に置かれた。一方で、僧侶や住民の抗議行動は四川省など周辺に広がり、死者が出たとの情報もある。北京の大学でも抗議行動があった。

 インドに亡命しているチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は中国当局を非難し、国際機関による調査を呼びかけた。だが、中国当局はダライ・ラマと全面対決の構えである。流血の事態がさらに続くのではないかと心配だ。

 この間、北京で開かれていた国会にあたる全国人民代表大会は、国家や政府、軍の新たな指導者や予算を決めて閉幕した。胡錦濤国家主席、温家宝首相は続投し、2人を補佐する国家副主席と副首相に、次世代のリーダーと目される習近平氏と李克強氏があてられた。

 中国当局は、新体制でチベット騒乱に臨む。閉幕後の記者会見で、温首相は「ダライ・ラマ一派が北京五輪の破壊を狙ったものだ」と述べた。さらに「独立を求めず、平和的対話を求めている、というダライ一派の言葉が偽りであることを示すものだ」と語り、対話を拒む姿勢を示した。

 だが、今回の騒乱の背景には、チベットの信仰の自由と少数民族の自治、漢民族との経済的な格差などの複雑な問題がある。対話を拒んで力だけで押さえ込もうとしても、それは不可能だろう。

 今回の事件を聞いて、世界の人々の頭をよぎったのは、89年の天安門事件と80年のモスクワ五輪だろう。天安門事件では学生らの民主化運動を武力で鎮圧し、国際社会の非難を受けた。モスクワ五輪は、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して多くの国がボイコットした。

 中国がさらに手荒な方法を取れば、北京五輪をボイコットしようという国が出てくるかもしれない。それは中国にとっても、世界にとっても不幸なことだ。

 いま必要なのは、平和的な解決に向けて事件の真相解明と真剣な対話をすることである。

 犠牲者数だけをとっても、中国当局とチベット亡命政府の主張に大きな差がある。騒乱後、外国人が閉め出されたため、現地の状況はわからない。ほぼ平常に戻っていると言うのならば、国際的な調査団を受け入れてはどうか。

 双方による対話は02年から水面下で続けられてきたが、行き詰まっている。ダライ・ラマ側が「高度な自治」を求めているのに対し、中国当局は「ダライ・ラマは中国からの独立を捨てていない」と疑っているからだ。

 だが、相手を疑っているだけでは対話は進みようがない。少なくとも、自治権をこれまで以上に拡大することなしには、チベット民族の不満を解消することはできまい。

 いかに対話にはずみをつけるか。難しい問題だからこそ、新しい指導者たちに柔らかな発想を求めたい。


 世が世ならなら「暴支膺懲」と書いたところ。戦後の朝日としては、精一杯の中国批判といってよいだろう。
 とはいえ、中国批判のフリをしながら、「北京オリンピック成功」「チベットはあくまでも自治」と全体では中共のスタンスを擁護し、問題解決の方法として「対話」しか持ち出さない平和ボケっぷり、所詮は朝日。
 しかもその「対話」でさえ、中共が一方的に拒否して進展が止まっているにも係らず、双方に原因があるかのように相対化している。
 奥歯にものの挟まったような、胃にもたれるような読後感を受ける。


 私見を述べると

>中国がさらに手荒な方法を取れば、北京五輪をボイコットしようという国が出てくるかもしれない。それは中国にとっても、世界にとっても不幸なことだ。
→中国にとっては面子がつぶれ不幸かもしれないが、世界にとって不幸だとはとても考えられない。

>少なくとも、自治権をこれまで以上に拡大することなしには、チベット民族の不満を解消することはできまい。
→何度も書くが、チベットのみに関していえば投下した権益を回収し、独立させればすむ話。

 再読して気がついたが、この似非中国批判社説では「人道」「人権」が一言も使われていない。朝日新聞としては、日本に在住する外国人の人権擁護には熱心なのに、中国の少数民族の人権はどうでもいいようだ。

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【雑感】温総理:ダライとの対話の条件はチベット独立の放棄 【和文/人民日報】

http://j.people.com.cn/2008/03/18/jp20080318_85484.html

  国務院の温家宝総理は18日午前、国内外の記者に向けた記者会見に出席し、英国フィナンシャルタイムズの記者の西蔵(チベット)問題に関する質問に答え、次のように述べた。

  私たちは重ねて厳粛に申し上げる。もしもダライが独立の主張を放棄し、チベットが中国領土の分割できない一部分であることを認め、また台湾が中国領土の分割できない一部分であることを認めれば、対話に向けた我々のドアは常に開かれていると。これは私たち自身が提案した条件で、現在でも変わっていない。

  このほど発生した事件によって、カギとなるこの問題においてダライが偽りの仮面をかぶっていたことが証明された。だが、たとえそうであろうとも、中国の従来の主張はまだ有効だ。この問題でカギとなるのはダライの行動だ。

  私はここで問い返したい。拉薩(ラサ)でこのような驚くべき事件を起こし、中国のその他の地域でも類似した事件を起こそうと画策し、他国の中国の大使館や領事館を襲うように仕向けた黒幕が、ダライと無関係と言えるのかと。私たちはダライの発言だけでなく、その行動も見て、ダライに対する判断を下している。(編集MA)


要約:
「条件さえ満たされれば、我々はいつでも話し合いに応じる。尚、条件が満たされているかどうかは我々が判断する」

 ダライ・ラマの発言を読むと、宗教家という事もあるだろうが政治的ととられかねない発言を慎重に避けているのがわかる。台湾についても仏弟子としての発言に終止し、間違っても「台湾は中国とは別の国だ」などと失言していない。(『台湾問題に関するダライ・ラマ法王の声明』参照)
 温家宝にとって、そんな事は承知の上で、全くどうでもいい事で。
 制御不能に加熱する経済、環境も人命もお構いなしに金儲けに走る地方、中央地方を問わず汚職にしか興味のない官僚、労働集約産業頼りなのにうなぎのぼりの人件費、形だけのインフラ、民族と国外問題を除いてもざっとこれだけ問題が出てくる。
 国際的に非難されようが、チベット人の不満が溜ろうが、現在の権力を保持する為には「確固として弾圧」すると決定したようだ。

 次の記事からもわかるように、ガス抜きされず、ひずみはより高まる一方ある。

・軍の部隊数百人、家宅捜索も チベット族の自治州【和文/朝日】
http://www.asahi.com/international/update/0319/TKY200803190185.html

(略)
 なぜこのような事態になったのか。道を歩いていたチベット族の若い女性に尋ねると、「あなたたちには決して理解できないことだ」。その女性は「私は(漢族が)嫌いだ」と、吐き捨てるように言った。
(略)

 亡くなった方には気の毒だが、中共は自分から敵を増やしている。筆者にとっては願ったりである。

 

 ガス抜き、というより「中共が人民に現実逃避させる」方法として、本格的に抗日を始めるようだ。

・日本は歴史を隠しとおせない【中文/環球時報】
http://news.xinhuanet.com/world/2008-03/19/content_7819608.htm

 形の上では、高村外相の「事実関係に疑義のある展示や青少年の教育上、過度に残虐な表現がある展示がみられることは残念だ」に対するリアクションになっている。
 その内容は、温家宝のチベット問題に対するコメントと大同小異。折角首相がカレなのだから、もっと使い立てすればいいものを。


 明日から週末まで、中国出張のため更新しません。
 特にチベット潜入を企てているわけではない。

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【妄言】中国・全人代が閉幕 胡錦濤体制再始動【和文/朝日】

http://www.asahi.com/international/update/0318/TKY200803180094.html

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は18日、政府活動報告や08年の政府予算案などを可決・承認して閉幕した。党や政府幹部の汚職などへの批判の高まりを反映し、最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)の活動報告に対する表決では、法院については全2928票、検察院については全2926票に対し、ともに約22%の反対・棄権票が出た。

 会期中には、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席・中央軍事委員会主席、温家宝(ウェン・チアパオ)首相らを再任したほか、国家副主席に習近平(シー・チンピン)共産党政治局常務委員を選出するなど、2期目に入る胡指導部の新体制が決まった。李克強(リー・コーチアン)政治局常務委員が筆頭副首相に選ばれるなど、副首相や国務委員、閣僚も大幅に入れ替わった。政府の機構改革案も可決・承認し、環境保護省などが設置されることも決まった。

 今後、8月の北京五輪成功に向けて準備を進める一方、経済過熱やインフレの抑制、省エネルギー・環境保護の強化、貧富の格差解消など「社会の和諧(調和)」実現に向けた課題に取り組むことになる。


 この記事だけを読むと、チベットでの「殴る、壊す、奪う、焼く」の暴力事件(シャンバピンツォ・チベット自治区主席)など、なかったようだ。朝日は、「社会の和諧(調和)」実現、は「貧富の格差」だけを解消すれば実現できるものなのだと言いたいらしい。
 皮肉はさておき、朝日が敢えてこのような表現をするという事は、逆に胡錦涛の立場が微妙なのだと愚考する。
 それにしても、支那人は「殺す(殴る、壊す)、奪う、焼く」というフレーズが、本当に好きなのだと感心する。


・チベット暴動で14世批判 温首相が記者会見【和文/中日】
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008031801000417.html

 【北京18日共同】中国の温家宝首相は18日、北京で開かれていた全国人民代表大会(全人代=国会)閉幕後に記者会見し、チベット自治区ラサなどで発生した暴動について「ダライ(・ラマ)集団が念入りに企て扇動した」としてチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を批判、「独立は求めない」とする14世の主張はでたらめだと指摘した。(略)

この温家宝の表情を見る限り、かなり追い詰められているとしか思えないのだ。

 尚、日経ではコレの言として「我々にはチベットの社会秩序を維持する能力がある」と書いているが、雪害の時に露呈したように、コレは安請負の癖があるので、筆者は信用していない。

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【雑感】中国政府が取材妨害と批判 外国人記者クラブが声明 【和文/共同】

http://www.47news.jp/CN/200803/CN2008031701000776.html

 【北京17日共同】北京の「中国外国人記者クラブ」(メリンダ・リュウ会長)は17日声明を出し、中国政府がチベット自治区をはじめとするチベット民族居住区で外国人記者らの取材を妨害していると批判、現場での取材を直ちに認めるよう求めた。

・「海外メディアは不公正」 チベット質問に中国不満【和文/産経-共同】
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080318/chn0803180829002-n1.htm

 「不公正な態度だ」。中国外務省の劉建超報道局長は17日夜、チベット自治区などで発生した暴動に関する記者会見で、外国人記者側が「当局は市民に発砲したのでは」と繰り返し質問したのに対し、声を荒らげて不満をあらわにした。(略)

・中国政府、海外報道も受信制限・チベット騒乱【和文/日経】
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080318AT2M1702X17032008.html

 【成都(四川省)=多部田俊輔】中国チベット自治区で起きた騒乱が四川省などに広がっていることを受け、政府は中国全土のチベット族が居住する地域での警戒を強めている。警察を市街地などに配置し、デモが起きた場合に素早く対応できる体制を整えた。国内報道の規制だけでなく、海外のニュース番組の受信も制限しており、騒乱の余波の拡大封じに躍起となっている。(略)

 全人代も終わり、中共中央は改めて「取り慣れた方法」を確認した模様。
 胡錦涛そのものが89年のチベット暴動への対応で現在の地位を手に入れた男なので、取り慣れた(内に対しては情報を統制して弾圧、外に対しては竹のカーテン)手法を取ってしまったものと思われる。
 胡錦涛に限らず、支那伝統の統治手法であり。劉建超の逆切れっぷりを見透かされようが、海外に呆れられようが、他の手段は思いつきもしなかったようだ。
 中共にとっては、内圧を高めるだけの愚策なのだが、筆者にとっては、体制のひずみがより大きくなるのが見えるようだ。これは人道とはまた別の話。

・チベット騒乱、中国150の逮捕状準備・温首相、ダライ派を批判【和文/日経】
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080318AT2M1802H18032008.html

 【北京=尾崎実】米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は18日、中国チベット自治区ラサで起きた大規模騒乱で、治安当局が騒乱に関与した者に対し出頭期限として指定した同日、武装警察が身柄拘束の動きを本格化させたと伝えた。数百人を連行する一方、司法当局は約150の逮捕状を準備。逃亡者を中心に徹底した摘発に乗り出したもようだ。

 書くそばからこれだ。これでは、チベット人の恨みがつのる一方ではないか。


 さて、共産党に限らず、近代支那政権の権力保持の代表的手法といえば、情報統制と「抗日」。
 先日書いたように、折角首相がカレなのだから、うまいこと使って外圧を和らげてもらえばいいものを、対日政策も使い慣れた「抗日」に走りつつある模様。

・第二次大戦の軍艦が続々と復活、日本は大艦隊を目指す【中文/国際先駆導報】
http://news.xinhuanet.com/mil/2008-03/18/content_7811217.htm

要約:
「あしがら」は帝国海軍の重巡だ、日本は連合艦隊を復活させ、台湾海峡問題に介入するつもりだ。(「連合艦隊」にはGFとルビをふって欲しい)
 
・日本軍事産業、脅威の潜在力、核弾頭数千発分の核物質を備蓄【中文/北京日報】
http://news.xinhuanet.com/mil/2008-03/18/content_7811213.htm

要約:
日本の民間生産能力を軍需産業に振り向けると恐るべきものとなる。自動車産業の30%を振り向ければ、年間1万機の軍用機が作れる。
洗濯機工場ではミサイルの電子部品が組み立てられている。
機械産業の15%を振替えれば、年間3万台の戦車ができ、造船能力の20%で軍艦を作れば、日本の艦艇の総トン数は現在の2倍になる。
「おおすみ」は24時間で空母になる。
2010年には12,000発の原子爆弾が作れる核物質が備蓄され、日本は米露に並ぶ核大国になりうる。

 自衛艦の命名基準に対する、ねたみに満ちたイチャモンはいつもの事として。このような妄想を実行したら、軍備の前に日本経済が崩壊する。それ以前にその作った兵器の乗員はいつ養成するのか提示されていな時点で、全く無意味な試算。
 まさに「抗日」の為の記事。

 これで来日した胡錦涛に「右翼」が罵声でも浴びせれば、完璧といえる。
 それにしても、全人代の真っ最中にこのような大事件が起きたにもかかわらず、失脚もしていない胡錦涛は、ある意味基盤を固めているといっていいのだろうか?

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【雑感】チベット各族各界、騒乱者の悪行を糾弾【中文/チベット自治人民政府HP】

http://www.xizang.gov.cn/getCommonContent.do?contentId=352310

 ロイターが報道した、『人民戦争』のソースを探していたのだが、これしか見つからなかった。
 内容は、宗教、民族、経済団体の「代表」がそれぞれ宣言した、というもの。

抄訳:
 全員が次のように一致した。我々は胡錦涛同志を総書記とする党中央の周りに緊密に団結し、断固として区党委員会の配置により、愛国主義の旗幟を高く掲げ、民族団結を強化し、ダライ・ラマグループによる祖国分裂破壊の悪行を強く非難する、断固として党と人民の立場に立ち、立ち位置は断固としており、旗幟鮮明に祖国統一を護る、小康なチベット、平和なチベット、調和のチベット建設の為、貢献しなければならない。


 まるで紅衛兵が毛沢東語録を掲げてアジるような調子ではあるが、直接的に『人民戦争』を表現した部分は特に見当たらない。共産中国の官僚なら、誰でも書ける作文に見える。
 とはいえ、チベット人民政府が、現時点で中央支持を明らかにした事実、は記載しておくべきであろう。逆にその程度の意味しか、筆者には見出せない。


 当局はラサは掌握しつつあるも、混乱は各地に拡大の様相。

・チベット騒乱拡大 四川省で衝突、8人死亡か【和文/朝日】

http://www.asahi.com/special/080315/TKY200803160158.html

 一方、ロイター通信は地元当局者の話として、チベット自治区に隣接する四川省のアバ県でも16日に約200人が地元警察署に火炎瓶を投げ、建物が焼失したと伝えた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)などによると、四川省や青海省のチベット族居住地域で警察署が放火されたり、多数の僧侶が逮捕されたりしたという。チベット亡命政府の報道官も四川省で3人、青海省で6人が死亡したとの未確認情報があると語った。


 以下は仮定を元にした陰謀論であり、妄想である。

 筆者が胡錦涛の立場で、しかもまだ地方に対して影響力を残しているのであれば、漢族の植民者、および治安当局者に被害を出させ、大々的に情報を開示し、被害者という国際的有利な立場を造った上で、チベットの独立を承認する。
 当然、これまでチベットに投下した資本は、利息をつけて返してもらう。こうして責任を回避して、実利を上げた方がよほど苦労が少ないと思う。
 もっとも、胡錦涛(というか中共そのもの)の影響力が、中南海を出ているとは思えないので。これをやると帝国(中華)主義思想に凝り固まった人民が革命を起こし、共和国が空中分解する可能性の方が高い。
 一党独裁という先制国家において、民主国家以上に人民の機嫌を取らなければならないとは、皮肉といっても足りない。 

 実際のところ今後の状況は、逆に「チベット族」という「敵」、を身近に見つけた人民が、胡錦涛の弱い求心力を越えてまとまり。中共の抑圧策は成功した上、オリンピックもうやむやに開催されるだろう。
 ただし、その分内圧は高まるのだ。

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【雑感】ラサ、商店閉まり緊張包む 漢民族、暴動の恐怖口々に【和文/中日】

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008031601000443.html

 【北京16日共同】大規模暴動から2日たった中国チベット自治区ラサ市では16日、抗議行動や衝突などは起きていないが、市内の

商店は軒並み店を閉め、街は緊張感に包まれている。漢民族の住民らは暴動の恐怖がさめやらない様子を電話口で語った。

 市内の旅行社に勤める漢民族の男性は「市内の大部分のホテルは壊された。死者は漢民族、僧侶、武装警察官ら100-200人との

うわさがある」と緊張した声。男性によると、市は13日から内外の観光客を受け入れないよう通達。また、隣接する四川省から武装警

察部隊約2万人がラサに増援されたと聞いたという。

 別の漢民族の会社員は「チベット民族が刀で漢民族を次々に襲った」と述べ「(暴動の起きた)14日夜は夫婦で夜通し眠れなかった

。暴徒が漢民族の商店などへの侵入を繰り返していたためだ。恐ろしかった」と振り返った。


>チベット民族が刀で漢民族を次々に襲った

それなんて大?
犠牲者が30万人になるのは何年後?

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