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JAL123便墜落事故-真相を追う- 気になる怪説(3)

■真実味は一番だが、何か足りない米軍機誤爆説

このトピック(「気になる怪説」)において、話の展開が、自然と米軍の直接関与に傾いてきましたが、今回は、怪説と呼ぶには余りに的を射ていると思われる、米軍機誤爆説を取り上げます。この説が書かれているのは、歯に衣着せない鋭い政治・経済評論で有名な、副島隆彦氏の代表的な著書「属国・日本論-改訂版-」です。まずは同書からの引用を読みください。

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そして、もっと衝撃的な真実は、この墜落した日航ジャンボ機の尾翼を壊したのは、アメリカ空軍の練習機なのである。米軍の練習戦闘機が日本の飛行機を標的にして訓練をしていてミサイルを誤射して当ててしまったのである。これが真実だ。(48-49頁)
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これは「説」というより、完全な断定です。この断定に至る論拠も何も記述されていないことから、おそらく副島氏の情報ネットワークから入手した情報を、確度の高いものとして判断したのでしょう。

何を隠そう、私が最初に導いた結論も、この「米軍機誤爆説」です。「自衛隊撃墜説を斬る(1)」で述べたように、民間機を標的にした訓練などというのはどこの軍隊も当り前のように行っていることであり、相模湾(米軍の訓練海域)に進入してきた民間機を米軍機が代理標的に見立てることに何ら不自然さはありません。軍事評論家のB氏によると、実際に米軍機がスペインで民間機を撃墜した事実もあり(もちろん公表されていません)、ついでにあげるなら、過去にジャーナリストの河合洋一郎氏が、米軍が自国の民間機をミサイルで撃墜(誤射)した疑いがあるとも報告しています(*1)(トランスワールド航空800便墜落事故-Wikipeida)。このように、雫石事故も含め、仮標的にされた(もちろん公表されていませんが)ことによる民間機事故は123便墜落事故の前にも後にも起きているのです。

*1 何年か前、週刊プレイボーイで河合氏の連載記事で紹介されました。取材妨害・脅迫など、時に生命の危険まで冒した河合氏の迫真のレポートは、今でも記憶に鮮明に焼きついています


副島氏の情報では、相模湾上の垂直尾翼の破壊についてのみしか語られませんが、これが事実とすれば、証拠隠滅のためのその後の追撃、証拠品回収のための墜落地点の同定報告の遅れなど、動機についても充分な説明が可能です。また、123便を追いかけた自衛隊機、墜落現場の同定における自衛隊の不可解な対応についても説明が容易です。自衛隊がここで登場するまさにその理由こそ、副島氏が「属国・日本論」で力説する、米国に従属する属国日本の姿、日本の現実なのです。日本は在日米軍の指示に逆らえなかったのです。

垂直尾翼の外部からの衝突痕、ミサイルの破片、赤い(オレンジ色の)破片、事象面においても米軍誤爆説なら多くの説明が可能です。しかも、事故調査報告書に米軍籍の機種不明小型機が123便の近くを飛行していたと、米軍機の関与をさらに支持する記録までもが存在しています。ですから、私もしばらくの間、日航機事故の真相はこの説でほぼ決まりだなと思っていたのですが・・・

よく考えると、誤爆説ではうまく説明できないこともあるのです。垂直尾翼への誤爆から御巣鷹の尾根での墜落(撃墜)までのわずか30分の短い時間、在日米軍司令部が撃墜による証拠隠滅を決断できたとしても、果たして日本政府や自衛隊を説得(または恫喝)できたのでしょうか?仮に日本側の上層部がすぐに受け入れたとしても、最終的に何百何千もの人員を動員することになる自衛隊や警察の現場部隊に、その意思を浸透させることができたのでしょうか?自衛隊・警察の他にマスコミまでも統制するとなると、30分という時間はあまりにも少ないと思えるのです。また、自衛隊の戦闘機2機が、垂直尾翼の異変から20分後には大月で目撃されており、このスクランブルが米軍機への反撃だったとしたら(*2)、米軍の意思は現場に伝わらなかったことになりますし、米軍の指示による出撃だったとしたら、今度は現場への意思浸透が余りに早すぎることになります。

*2 航空自衛隊の入間基地は米空軍の横田基地のレーダーを共用しており、実際にこのような事態が起こることすら考えにくいです


米軍誤爆説の、この何か釈然としないシナリオについては、もう少し深く考察していく必要がありそうです。そのためにも、次のシリーズでは、論点を変え、事故現場で何が起きていたのか、その点について追ってみたいと思います。

※参考:↓↓↓副島隆彦氏の主催する「学問道場」の公式ページ
http://www.soejima.to/


TAM INDIGENIS QUAM ADVENIS UNA LEX ERIT OMNIUM QUI PECCAVERINT IGNORANTES

管理者
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