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JAL123便墜落事故-真相を追う- 気になる怪説(1)

「御巣鷹山ファイル」シリーズの著者、池田氏に限らず、想像を巡らした様々な怪説が飛び交っているようです。細かいバリエーションまで説明する気力もないので、それらの中でも気になる説を何点か紹介します。なお、出典については最小限しか示しませんので、キーワードで検索して、何が書かれているかをご自身でご確認いただければと思います。

■意外と納得、機内爆弾説

 「機内で爆弾が爆発し、それが圧力隔壁・垂直尾翼の破壊を招いた。その後の迷走飛行、御巣鷹の尾根への墜落へとつながる」

いわゆる機内爆弾説ですが、この説の良いところ?はとてもわかり易いことです。爆弾が機内に持ち込まれる理由(動機)については以下の2点が代表的なものでしょう。

 1. 過激派による反国家的テロ
 2. グリコ・森永犯の自決、または暗殺(証拠隠滅)

1.については、過激派から犯行声明があったとかなかったとか、色々な疑惑本の中でもチラッとは書かれているようですが、あまりにもわかりやすい構図なので、敢えて疑惑扱いされていない感もあります。今ではすっかり聞くこともなくなりましたが、よど号ハイジャック事件、浅間山荘事件、三菱銀行爆破事件・・etc など、日本赤軍、過激派による反国家テロが、かつては市民生活への大きな脅威であったことを忘れてはならないでしょう。その意味では、むしろ最も可能性の高い説として一番最初に検討されるべきなのではないでしょうか。

2.に関しては、私も個人的にたいへん関心を寄せています。この説を世に問うたのは「天命の陳情」を著した村岡伸治氏がおそらく最初でしょう。同書に記された内容の概略は http://www.geocities.jp/tenmeinochinjyo/ でも読むことができます。確かに、グリコ・森永犯(*)から終結宣言が出されたのは、日航機事故の当日であり、脅迫の対象とされたハウス食品の社長も同機に登場していました。偶然が二つも続く場合、それはただの偶然でないと解釈するのが私の考え方です。しかも、この事件は当時世間を騒がせた大事件であったにも関らず、最終的に迷宮入りで終わっています。事故と何か関連があるのでしょうか?

しかし、悲しいかな、機内(貨物室の最後部)での爆発が隔壁破壊の原因だとしたら、やはり急減圧は起こるでしょうし、激しい室内空気の噴出、気温、酸素密度の急降下が起こったはずです。このような現象が発生していなかったことは「圧力隔壁説の嘘(2)」で説明済みです。また、垂直尾翼に生じた外部からの衝突痕らしき損傷と矛盾するばかりでなく、爆発以後は事故調の発表の墜落プロセスと何ら変わらないため、角田氏が目撃した戦闘機・謎の金属片、赤い(オレンジ色の)破片、墜落現場の発見遅れ、その他多くの証言を説明できるだけの根拠に乏しいことになります。

以上、爆弾説は、事の始まりに「爆弾」を持ち出しているが故に、物理的な矛盾を露呈してしまうのです。が!、前述したように、動機においてのわかり易さには無視できないものがあります。なぜなら、日航機事故が何かの陰謀(あるいは共謀)だとしたら、その背景には単純な人間の思考(あるいは願望)が潜んでいるはずであり、1、2 の動機説明の両方に、真実からは遠くても、この事故を理解するヒントがあると考えるからです。

それらについては、本論を続ける中で提示していきますので、もう少しお待ちください。

注釈の説明

*「グリコ・森永事件」の発生当時は、ニュースを見ながらドキドキしたものです。「たべたらしぬで」などのコミカルな大阪弁による「ちょうせんじょう」の送付、警察の大走査線をかいくぐる犯人の逃走。日本国中が注目する大エンターテーメントになっていたのは間違いないでしょう。詳しくは「グリコ・森永事件」(Wikipedia) でご確認ください。


QUIA DIXI TIBI VIDI TE SUB FICU CREDIS MAIUS HIS VIDEBIS

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