時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

競売不動産、1年で2倍

2009年08月21日 | 社会問題
競売にかけられる不動産の数がこの1年余りでほぼ倍増したことが、不動産競売流通協会の調べでわかった。住宅ローン返済に行き詰まる人が増えているのが原因とみられる。競売までの手続きには1年弱かかるため、この夏のボーナス大幅カットの影響が出るのは来春ごろ。競売数はさらに増える可能性があるという。
競売は、借金の返済が行き詰まり、担保物件の買い手が見つからないときに裁判所を通じて売りに出す手続き。裁判所ごとに物件情報を公告するが、全国の集計値は公表されていなかった。20日に不動産業者らでつくる不動産競売流通協会が初めてまとめたそうだ。
協会によると、2008年3月の競売物件は3,773件だったが、昨年夏から急増し、今年3月には7,000件を突破。7月は前年同月比70%増の7,229件だった。毎月の競売の約半数は戸建て住宅、2割弱がマンション住戸、残りが土地や事業用不動産など。戸建ての競売は2008年3月の1,744件から2009年7月には3,512件まで膨らんでいる。
都道府県別では、1,000世帯あたり競売物件数(2008年7月~2009年6月)が最も多かったのは茨城と宮崎の34件。山梨32件、福井30件と続き、都市部より地方で競売物件が多い傾向がみられたという。
以前の記事でも何度か指摘しておいたが、頭金なし、税金までローンでまかなうような買い方、売り方がまともなわけがない。頭金や登録免許税、取得税、果ては、契約書に貼付する印紙代までローンを組むような契約もあるという。
そもそも、頭金も貯蓄できない世帯が、長期にわたってローンを払い続けることは難しいと判断すべきであろう。こういう世帯に住宅を売りつける住宅会社のモラルも問われなければならない。
また、ローンも5年後、10年後には返済額が増えるようなタイプが多く、以前からその危険性が指摘されていた。こういう危険なローンを組ませてでも、売れば良いとばかりに売りつけた業者や金を貸した銀行の責任も大である。
ローン返済額の増加時期とサブプライムに端を発した不況の重なりで、今回のような事態に至ったわけである。
しかも、この記事によると、地方では特にひどいようだが、不況の影響が特に、製造業の工場がある地方に存在するためであろう。
日本版サブプライムローン破たんである。これもまた、政治災害の結果の一つなのかもしれない。