時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

全国知事会が、マニフェストを採点

2009年08月09日 | 政治問題
全国知事会が、衆院選に向けた自民、民主、公明3党のマニフェスト(政権公約)のうち、地方分権にかかわる政策の採点結果を公表した。29人の知事が採点し、平均点は自民が60.6点、民主は58.3点、公明は66.2点だった。分権改革の具体策への評価では、民主が自民を上回ったが、知事らが求める地方財源の確保に不安があるとして減点された。
知事会は、政府や各党に要望してきた項目に沿って採点したという。
点をつけたのは、知事会長の麻生渡・福岡県知事や大阪府の橋下徹知事ら、みずから採点を希望した知事だそうだ。3党のマニフェストの書きぶりと、3党との公開討論会での議論を踏まえた。
各党への評価を見ると、自民は国が自治体の仕事内容や方法を縛る「義務づけ」の見直しで数値目標を設けたことや、地方交付税の増額を明記した点で評価が高かったという。
民主は、国から自治体への補助金を原則廃止して使い道の自由な交付金に改めるとした点や、国の直轄公共事業の地方負担金の全廃を評価された。一方で、ガソリン税などの暫定税率廃止を掲げながら地方財源の穴埋め策を示していないなどとして、財源確保を不安視されて減点されている。
公明は、知事会側が重視する「国と地方の協議の場」の設置について、「地方が権限を有する分権会議の法制化」と記し、ただ意見を聞くだけの場ではなく地方側に権限を与えることを明確化した点が高い評価を受けたそうだ。
しかし、マニフェストというのは、所詮は、公約にすぎない。もちろん、公約は大切であることに間違いはないが、各党がこの公約通り行動するかどうかははなはだ疑問である。
たとえば、各党とも雇用の創出などを掲げているが、この間の非正規切りを生んだ根源である労働者派遣法の「改正」に双手をあげて賛成し、今日の非正規切り、偽装請負などを生み出してきた張本人であり、このような過去の「実績」から判断すれば、雇用創出というのも所詮は口からの出まかせと見られても仕方がない。
特に、与党である自民、公明の両党については、公約よりも、今までの実績を踏まえたうえで、評価を行うべきであろう。
また、民主党についても、参議院では多数派の中心となって議案を提案できる立場にあったわけであるので、その点からの「実績」を評価するべきであろう。
また、29人の知事も、各府県では自民、公明の推薦を受けて当選している知事が多い中で、客観的な評価が行われているかどうかも疑わしい。
口先だけの公約よりも、各党の実績、これには実現したものだけではなく、実現しなかったが積極的に提案したもの、不合理な提案に対して反対した実績も含めて、過去にその政党がどういう行動を取ったかも含めて評価すべきではあるまいか。
その点で、今回の知事会によるマニフェスト評価は極めて片手落ちではなかろうか。