時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

岩手・宮城内陸地震から何を学ぶか

2008年06月18日 | 社会問題
震度6強を記録した岩手・宮城内陸地震で、死者は9人になった。行方不明者は13人、重軽傷者は250人を超えたという。
また、テレビなどでは、幸いにケガなどはなくとも、自宅が損壊したり、家具などが散乱し、足の踏み場もないような映像も流れている。
被害者の方々に心からお見舞いを申し上げたい。
今回の地震は、マグニチュード7.2という、阪神大震災の7.3にも匹敵する大地震であり、震源の深さが浅かったため、がけ崩れあるいは山崩れとでも言うべき甚大な被害を与えた。
しかし、地震の規模の割には、死傷者が少なくて済んだのは幸いであった。
もし、この規模の地震が東京の直下で発生していたらと思うと、背筋が寒くなるばかりである。
さて、今回の地震からわれわれは何を学ぶべきであろうか。
まず、この地方は比較的大きな地震が起こりにくいと言われていた場所だったようだ。にもかかわらず、これだけの規模の地震が発生したということは、日本全国どこも安全とは言えないということだろう。東海大地震などの発生が危惧されているが、自分の住む所は、発生の確率が低いとか、大きな地震は少ないなどという予断を抱くことの危険性を改めて認識させてくれた。
次に、被災者に対する救済、救援活動を見てみると、わずか20名余の死者、行方不明者を捜索するのに、まだ手をこまねいているという現状についてである。確かに、山崩れなどによる大量の土砂のため、道路が寸断され、現地に到達すること自体が困難であり、重機を運べないため、救援も人手に頼らざるを得ないという実情はあるものの、公的な救援は思ったほど進んでいない。
もし同様の規模の地震が東京で起きた場合、ビルや家屋の倒壊、火災、ガス漏れなどで、はるかに大量の死者、行方不明者が出るだろう。電信柱が街路灯、街路樹などが倒れ、道路も各所で寸断され、救急車両は到底到達できないだろう。警察や消防などからの救援は即座には期待できない。頼りになるのは、常日頃から地震に備えて、各家庭で家具の転倒防止や避難用具の準備などを整えておくことだ。少々の怪我などは、自宅あるいは地域で対応できるように準備しなければなるまい。食料なども同様である。
災害後に、公的な支援が届くようになるのは、災害発生から数日を経た後である。
そういう視点で、いま一度、各家庭での安全対策をチェックし、いざと言う時にも、公的な支援に頼らなくても数日をすごせるような対策を講じておくべきであろう。