時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

消費税増税論議のデタラメ

2008年06月09日 | 政治問題
「もうこれ以上社会保障費を削るのは限界」、「責任ある問題提起(消費税増税)をしないといけない」(谷垣財務相)、「社会保障費が毎年増え続けており、(消費税率が)10%で収まるとは思わない」(御手洗経団連会長)など、政府、財界からは、消費税増税を求める発言が絶えない。
しかし、消費税率を上げれば、年金や医療、介護の問題などがすっかり片付くのだろうか?
編集長にはとてもそうは思えない。
1989年に消費税が導入された時は「少子高齢化の社会保障財源」、「福祉に使う」というのがその触れ込みだった。しかし、この時は、法人税が42%から40%に引き下げられ、翌年にはさらに37.5%に引き下げられた。
1997年に消費税率が5%に引き上げられた時にも、翌年には法人税率が34.5%に引き下げられている。
消費税は、「福祉のため」ではなく、「大企業の減税のため」だったことは明瞭ではなかろうか。
現在、経団連などは、消費税率の引き上げと同時に、法人税の実効税率の引き下げを要求している。
もし、年金の財源を消費税でまかなえば、保険料は安くなるだろう。サラリーマンと経営者が負担している年金保険料も当然安くなる。しかし、サラリーマンは保険料の減額異常の消費税を負担しなければならないのに対して、経営者は消費税を負担せずに(消費税は最終的な消費者にかかるので)保険料負担分が安くなる仕組みになっている。
したがって、経団連の言うように、もし消費税率を上げ、年金保険料を安くすれば、それだけで企業負担は安くなることになる。それに加えて、法人税の実効税率をさらに引き下げろと要求しているのだから、とんでもない要求というほかはない。
いま求められているのは、労働分配率を上げ、給料を増やし、下請けの単価を切り上げて、庶民の暮らしを支えることだ。
にもかかわらず、財界のお先棒を担いで、財務大臣までが消費税増税論議を行うところに、この国の政治の異常さが現れている。
3年前、小泉首相が「郵政を民営化すればほとんどの問題が解決する」と豪語してゴリ押しした郵政民営化で、いったい何が変わっただろうか?
道路、年金、高齢者医療など、隠されていた問題が次々と噴出しただけではないか。
福祉や医療、年金のためという「消費税増税」発言には、国民は絶対にだまされてはならない。

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