時々新聞社

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民主党などが、公明党と創価学会の関係を聴取

2008年06月14日 | 政治問題
民主党の菅代表代行や社民、国民新党など野党の有志議員が6月13日に国会内で元公明党委員長で政治評論家の「矢野絢也さんより話を聞く会」を開き、公明党と支持母体の創価学会との関係などについて説明を求めたという。「聞く会」の呼びかけ人は民主党の菅氏のほか、石井一副代表、社民党の渕上貞雄氏ら。民主党の輿石東参院議院会長、鳩山由紀夫幹事長も出席した。
矢野氏は「創価学会から平成17年から機関紙などで中傷されたり、言論活動の中止や莫大な寄付を強要されたりした。身元不詳の人物から尾行監視も受けた」などと説明したという。矢野氏は評論活動をやめるよう強要されたなどとして、今年5月に創価学会に対する損害賠償請求訴訟を起こしており、公明党や創価学会と対立している。
さらに、「学会の会館は非課税で建てている。選挙時に使用したが、私の(委員長在任中の)頃には対価を払ったことはない。政教一致かどうかは議論すべきだ」と指摘した。
また、矢野氏は国会での参考人や証人としての招致について「呼ばれるなら喜んでいく」と述べた。
これに対し、公明党の太田昭宏代表は13日の記者会見で、矢野氏の会合出席を「情けないし、許せない」と非難したという。
政治と宗教の関係については、以前にも記事を書いたことがあるが、個々人が特定の宗教を信じるかどうかは本人の自由であり、またどの政党を支持するかも自由である。
しかし、一宗教者ではなく、宗教団体が特定の政党を支持することは、憲法の保障する思想、信条の自由に反する行為である。なぜなら、すべての宗教団体の規約や規定には、「○○党を支持する団体である」とは明記されていないからだ。
政治と宗教との関係を、国家の保護を受けているかどうかという意味のみに限定して、論じる論者があるが、これは誤りである。
確かに、国や地方自治体が、特定の宗教行為に財政から支出することは、明確な憲法違反である。
同時に、特定の宗教団体が、その構成員に特定の政党支持を押し付けることも違法な行為である。なぜなら、その宗教団体はあくまでもその宗教を信じる人間の集まりであって、その団体の教義に、「○○党を応援する」とは絶対に明記されていないからである。もし、明記されていれば、明らかに「政教一致」の批判を免れないであろう。
宗教団体は、特定の宗教、教義を信じる人たちの集まりであり、政党ではない。
したがって、非課税の特典を有する宗教施設を特定の政党のために無料で使用することは明白な憲法違反の行為である。
選挙になれば、創価学会の施設が公明党の集会に無料で使用されることは周知の事実であり、これは明確な憲法違反の行為である。
創価学会員が全員、公明党の支持者であっても何の問題もない。個々の学会員が公明党を支持することは自由である。だからと言って、税金などの優遇措置を受けている創価学会の会館を公明党の選挙や集会に「無料で」利用することは憲法違反の行為であることは間違いない。
宗教団体の施設をどのように利用するかは、その宗教団体の定めた規約(利用料などの規定)に基づいて行われれば自由である。適正な利用料さえ支払えば、創価会館で民主党の演説会を行おうが、共産党の集会を行おうが自由である。しかし、学会の規定に、「公明党には無料で貸し出す」などと記載されていないことは明白ではないか。
お寺や神社を利用料を支払って借り受け、政党の演説会を行うことは別に違法でも何でもない。
しかし、公明党は、無料で宗教団体である創価学会の施設を利用しているという。これも周知の事実ではあるが、こうなると、憲法違反は明らかである。
今回の民主党などによる「聞く会」の開催は、公明党に揺さぶりをかけようという党略的なにおいの濃いものではあるが、宗教と政党との関係を正常化するうえで、一つの問題提起になったことは事実であろう。
なお、「尾行を受けた」という証言もあったようだが、創価学会による電話盗聴や出版妨害事件などもよく知られている通りである。この団体がまともな宗教者の団体でないことは言うまでもないことである。