時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

次々に明るみになるサブプライム関連損失

2008年02月21日 | 経済問題
サブプライム関連証券に関する日本の金融機関の損失については、今までに2、3度述べておいたが、予想通り、損失がどんどん拡大しており、しかも各金融機関は、それを一度に発表せず、小出しにしながら公表するという姑息な手段を弄している。
今回は、あいおい損害保険の米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」関連の損失が、2008年3月期連結決算で800億円を超す見通しとなったことがわかったと報じられている。
損失は、2007年9月末時点の252億円から3倍以上に膨らむ。
あいおい損保は、2007年9月末時点でサブプライムローン関連の証券化商品を1114億円保有し、このうち2割強が損失となっていた。しかし、その後も証券化商品の値下がりに歯止めがかからず、損失の拡大が続き、保有残高の7割以上を評価損として計上する見通しになった。
あいおい損保は、2008年3月期連結決算の業績予想は165億円の税引き後利益を見込んでいたが、大幅な下方修正は避けられない見通しだ。あいおい損保は22日に発表する2007年4~12月期連結決算でも、サブプライム関連で600億円超の評価損を計上する見込みだ。
サブプライム関連では、損害保険ジャパンも今年1月に340億円の損失を計上している。世界的な金融市場の混乱が長期化する中で、国内の銀行や証券会社のほか、保険業界でも損失の拡大が続きそうだというのが、記事の内容である。
以前にも述べておいたように、損失額を一度に発表してしまうと、経済や金融への影響が大きくなることから、金融庁などからも、損失を一度に発表をしないように指導されているに違いない。しかし、決算期が近づくと、隠しきれなくなって、徐々に損失額を大きくしながら発表せざるを得ないというのが金融機関の本音だろう。
こうすることによって、経営者も自らの経営責任をウヤムヤにして、自分の任期中は何とか乗り切って、多額の退職金をせしめようという魂胆が見え見えである。
これからも、日本の各金融機関のサブプライム関連の損失はどんどん拡大するだろうが、別に驚くには当らない。
儲けさえ上げればそれで良いとばかりに、高金利の商品に手を染めた結果がこのザマである。最終的にいくらの損失になるのか、じっくりと高みの見物をさせていただくことにしよう。