時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

起こるべくして起きたイージス艦の事故

2008年02月20日 | 政治問題
19日早朝、千葉県房総半島野島崎南42キロ沖の太平洋上で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」(7750トン)と千葉県勝浦市の漁船「清徳丸」(7.3トン)が衝突した。
この事故で清徳丸の船体が真っ二つに割れ、乗っていた親子2人が行方不明になっているという。
「あたご」は世界最高水準のイージスレーダーを装備する最新鋭艦。海上保安庁は、業務上過失往来危険容疑で近く艦長らから事情を聞く。
石破防衛相に事故の報告があったのは発生1時間半後で、福田首相は省内の連絡体制の不備を批判した。
行方不明者の家族や知人らが、自衛艦に対する憤りを語りつつ、不安な時間を過ごしているが、とにかく早く発見されることを祈りたい。
しかし、米軍兵士に因る数々の犯罪、不法行為と同様に、そもそも軍隊である自衛隊には、国土や国民の安全を守ろうという意識はまったくない。
軍隊とは、国家権力の中枢をなす一機関であり、資本主義社会である現代日本では、資本家階級の支配を維持し、延命させるためだけに存在意義を有する組織である。
シビリアンコントロールなどという言葉をいくつ積み上げてみても、その本質にはまったく変わりはないのである。
したがって、一般国民の安全などは、眼中にないのが自衛隊という組織である。
今回の事故についても、防衛省にすれば、自衛隊の訓練や任務の妨害をしてけしからん、漁船の沈没くらいで大騒ぎをするな、程度の認識しかないのではなかろうか。たとえ艦船そのものが最新鋭であっても、乗組員の意識がそういうレベルなのだからどうしようもない。
以前にも潜水艦による衝突事故があった。また、自衛隊に敵対、反対する組織や国民ばかりでなく、一般国民をも絶えず監視し、情報収集を行っていることも明らかにされているが、このような行為に国民の生命、安全を守るという姿勢はまったく感じられない。そもそも国民の生命や財産をないがしろにし、資本家の利益のためだけに存在している組織であり、今回のような事故や事件は起こるべくして起こったとしか言いようがない。
このような組織は、本来わが国には不要なものである。直ちに、縮小、廃止して然るべきである。24万人もの自衛隊員を養うくらいなら、わずか300名余しかいない食品の検査体制を強化するほうが、よほど国民の安全を守る上で重要であることは論を待たない。
最後に改めて、行方不明の被害者が早く発見されることを願うとともに、今後2度とこのような事故が起きないことを祈るばかりである。