時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

キヤノンが月給つき職業訓練という偽善行為

2008年02月02日 | 経済問題
キヤノンが、フリーターや子育てを終えた女性などを対象とする職業訓練を3月1日から実施すると発表した。
キヤノンといえば、世界的な企業であり、その会長が経団連の会長を兼任しているという日本を代表する超一流企業である。同時に、偽装請負などの違法行為を繰り返し、指摘を受けてもやめようともしない、厚顔無恥な企業でもある。
さて、その超一流であり、かつ悪辣な企業である同社が、政府が4月からの実施を目指している「ジョブ・カード制度」を先取りする形で、職業訓練を実施した後、優秀な人を正社員として雇用することもあるという制度を作ったと言うニュースである。
キヤノンは訓練対象者と有期の雇用契約を結び、月額15万5000円を支給する。生産ラインの保守・点検や、ソフトウエアの作動確認、製品の調達業務などの分野で半年間鍛える。
対象は30人で、過去5年に3年以上継続して常用雇用された経験を持たない人なら応募できるという。
なかなか立派な話のように思われるが、前述のように、一方で違法な大量の偽装請負を行いながら、他方で30名を受け入れて職業訓練を施すというのはいかがなものであろう。
右手で大量の人殺しをしながら、左手で片手間の人助けをするようなものだ。
キヤノンにいま求められていることは、30名の求職者に、有給で職業訓練を施すことでは断じてない!
キヤノンがやるべきことは、違法な偽装請負や正社員のサービス残業をやめ、非正規雇用者をなくし、正規社員の雇用を増やすことだ。そして、下請けの単価を引き上げ、社員にもうけにふさわしい給料を支払うことである!
この点をキヤノンの経営者に問いたいと思う。