時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

犯罪検挙率は、わずか3割

2006年12月18日 | 社会問題
全国の警察が今年1~11月に認知した刑法犯件数は189万4677件(前年同期比9.9%減)で、4年連続で減少したらしい。
犯罪罪種別では、凶悪犯9345件(同10.9%減)▽知能犯7万7115件(同14.3%減)▽窃盗犯141万7311件(同11.4%減)で、いずれも前年より減少したが、暴行などの粗暴犯は7万108件で3.7%増加した。
検挙率は31.5%(前年同期比2.1ポイント増)で1999年以来7年ぶりに30%台に戻ったという。
刑法犯が4年連続で減少し、検挙率も7年ぶりに30%台に上昇したというが、わずか3割である。しかも検挙率上昇とは言うものの、体感治安はますます悪化しているように思われる。
私の身近でも、犯罪もしくはそれに類する出来事を目撃することが多く、単に、自転車やバイクの盗難程度では、警察に通報しなくなっただけではないのかという印象を持っている。また、検挙率が上がったというが、7割は逃げ得を決め込んでいる。とんでもない話だ。
犯罪の増加には、種々の原因があろう。
一部に言われているように、格差が広がり、生活苦や借金苦から窃盗や強盗に走るケースも増えていることも一因であろう。
さらに、最近の「拝金主義」の影響も否定できないだろう。働かないで、手っ取り早くお金を稼ぐ方法として、非合法的な手段に走るということは十分にあり得ることである。犯行の動機が「遊ぶ金が欲しかった」というのはこういう背景によるものではなかろうか。
また、報道にもあったように、「ささいなことでキレる大人が増えている」との分析もある。特に検挙者のうち30代が多いという。30代といえば、ちょうどテレビゲームの普及とともに育ってきた世代だ。部屋にこもって仮想社会と向き合っていると、当然のことながらコミュニケーション能力が育たず、良好な対人関係を築くことができなくなる可能性も否定できない。テレビゲーム、コンピューターゲームの功罪については、様々な論者が見解を述べているが、引き続き、今後の研究が必要であろう。
もう一つ注目すべきは、詐欺事件は件数こそ減っている(13.5%減少)ものの、振り込め詐欺だけで今年も200億円を超える被害がでている。
何でもそうであるが、ある一定の臨界点を超えると、収拾がつかなくなるのが普通である。
犯罪認知件数のうち、3分の1しか犯人を検挙できていないという数字は、社会不安を増大させ、更なる犯罪を生み出すことにならないだろうか。罪を犯せば、ほぼ確実に捕まる、犯罪は割に合わないという背景があってこそ抑止力になるのである。7割が逃げ得では、犯罪を助長するだけであろう。
警察の努力や警察官の増員だけで、犯罪を抑止、減少させることはできないと思われるが、地域の居住者の協力などを得たとしても、現行の警察力で検挙率の向上は困難と思われる。
最近は、一部に交番の廃止も行われているが、自衛隊のイラク派遣に無駄金を使うくらいなら、交番の設置や警察官の増員による地域パトロールの強化こそ行うべきであろう。