もう先月の話になるが、日亜化学が、勤続年数3年を超えた請負労働者を直接雇用に切り替えることを決めたという記事を新聞で見た。うれしいニュースである。
日亜化学というと、青色ダイオードで一躍有名になったが、会社があるのは四国の徳島県阿南市という所である。この阿南市は、実は編集長の母親の生まれ故郷であり、親戚も多い。徳島県の南部にあり、面積が広い割りには人口は6万人くらいで、典型的な農村地帯である。以前には、造船業なども盛んだったが、今はどうなのだろう。
さて、話が逸れたが、市政は敷いてはいるものの、これといった産業もない土地柄であるがゆえに、地元を代表する日亜化学が今までの請負労働者による生産(単なる請負ではなく「偽装請負」だったのだが、)をやめて、正規雇用者を増やし、自前で技術のある従業員を育てることになったことは、地元の経済発展にとっても極めて効果的である。この決断を歓迎したい。
しかし、会社がこの決断に至ったのは、なにも、日亜化学が「偽装請負」を真摯に反省したわけではなく、お上(徳島労働局)からのキツ~イご指導があったからにほかならない。
以前に本紙で紹介したように、同じ徳島県内で「偽装請負」が行われていたトヨタの下請け(光洋シーリングテクノ)において、請負労働者が組合を結成して、正規雇用への道を切り開いている。
そういう土壌があったからこそ、日亜化学の請負労働者の声に応えて、労働局も指導をせざるを得なかったし、会社もこれに従わざるを得なかったのである。
請負は、国際競争力の向上というスローガンの下で、自給1000円前後で、使いたい時に、使いたいだけの労働者を借受け、しかも使用者責任を回避できるため、企業にとっては誠に都合の良い労働形態であり、企業はこれをテコにして不況下でも空前の儲けを積み上げてきた。
しかし、こんな不法、異常なことがいつまでも続けられるわけはない。
企業が製造した製品の多くを購入するのは、最終的には労働者とその家族であり、この労働者の賃金を不法に削減し、ワーキングプアを大量に生み出しながら、自社の製品だけはどんどん売ろうというのはどう考えても虫が良すぎるし、最終的な帳尻は絶対に合わなくなるはずだ。
以前の記事の中でも書いたことだが、企業の理不尽な扱いにも我慢をしている労働者は多い。法律に疎く、泣き寝入りしているケースも多いだろう、所詮は「負け組」「負け犬」だと自身を卑下することもあるだろう。しかし、徳島で示された2つの例は、労働者が声と行動を起こすことによって、企業の不法は必ず正せるということを示している。
個人で加盟できる労働組合もある。全国各地で行われている労働相談もある。ぜひ、一人一人が声を上げ、行動する勇気を持って欲しいと思っている。
日亜化学は、渋々ながら労働局の指導を受け入れて、請負労働者の正規雇用に乗り出したが、このような動きが、編集長の故郷である徳島から全国に広がることを願っている。
日亜化学というと、青色ダイオードで一躍有名になったが、会社があるのは四国の徳島県阿南市という所である。この阿南市は、実は編集長の母親の生まれ故郷であり、親戚も多い。徳島県の南部にあり、面積が広い割りには人口は6万人くらいで、典型的な農村地帯である。以前には、造船業なども盛んだったが、今はどうなのだろう。
さて、話が逸れたが、市政は敷いてはいるものの、これといった産業もない土地柄であるがゆえに、地元を代表する日亜化学が今までの請負労働者による生産(単なる請負ではなく「偽装請負」だったのだが、)をやめて、正規雇用者を増やし、自前で技術のある従業員を育てることになったことは、地元の経済発展にとっても極めて効果的である。この決断を歓迎したい。
しかし、会社がこの決断に至ったのは、なにも、日亜化学が「偽装請負」を真摯に反省したわけではなく、お上(徳島労働局)からのキツ~イご指導があったからにほかならない。
以前に本紙で紹介したように、同じ徳島県内で「偽装請負」が行われていたトヨタの下請け(光洋シーリングテクノ)において、請負労働者が組合を結成して、正規雇用への道を切り開いている。
そういう土壌があったからこそ、日亜化学の請負労働者の声に応えて、労働局も指導をせざるを得なかったし、会社もこれに従わざるを得なかったのである。
請負は、国際競争力の向上というスローガンの下で、自給1000円前後で、使いたい時に、使いたいだけの労働者を借受け、しかも使用者責任を回避できるため、企業にとっては誠に都合の良い労働形態であり、企業はこれをテコにして不況下でも空前の儲けを積み上げてきた。
しかし、こんな不法、異常なことがいつまでも続けられるわけはない。
企業が製造した製品の多くを購入するのは、最終的には労働者とその家族であり、この労働者の賃金を不法に削減し、ワーキングプアを大量に生み出しながら、自社の製品だけはどんどん売ろうというのはどう考えても虫が良すぎるし、最終的な帳尻は絶対に合わなくなるはずだ。
以前の記事の中でも書いたことだが、企業の理不尽な扱いにも我慢をしている労働者は多い。法律に疎く、泣き寝入りしているケースも多いだろう、所詮は「負け組」「負け犬」だと自身を卑下することもあるだろう。しかし、徳島で示された2つの例は、労働者が声と行動を起こすことによって、企業の不法は必ず正せるということを示している。
個人で加盟できる労働組合もある。全国各地で行われている労働相談もある。ぜひ、一人一人が声を上げ、行動する勇気を持って欲しいと思っている。
日亜化学は、渋々ながら労働局の指導を受け入れて、請負労働者の正規雇用に乗り出したが、このような動きが、編集長の故郷である徳島から全国に広がることを願っている。