フランス旅行へ行く機内で読んだ朝日新聞の「ラクメ」の広告が魅力的なので、帰国後チケットを買って、4月25日に観てきました。
「日本での公演は昭和2年以来80年ぶり」と、その広告にありましたが、主演ソプラノの音程が非常に高くて歌える歌手がいないのだそうです。私は、その貴重なコロラトゥーラ・ソプラノを堪能することができました。
歌手は、イタリア人のデジレ・ランカトーレ。17歳の時には、「上のラ(3点a)まで出たんですよ」と、プログラムに書いてありました。「ラ(3点a)」がどれだけ高いのか私には分かりませんが、その歌声はまことに素晴らしいものでした。
これまでに私が素晴らしいと思ったのは「魔笛」の夜の女王のアリアですが、「ラクメ」はさらに魅力あるコロラトゥーラ・ソプラノだと思います。
ところで、朝日新聞などが招聘したマリボール歌劇場はスロヴエニアの歌劇団。スロヴェニアとは、ユーゴスラヴィアの一連邦から16年前に独立した国。人口はわずか230万人だそうです。そんな小さな国にこんな素晴らしい歌劇団があるとは、信じられないほどすごいことだと思います。
6・7月には「カヴァレリア・ルスティカーナ」が
「ラクメ」の会場でもらった予告パンフに、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」がありました。6月26日と7月1・3日、オーチャード・ホールです。何とかして、ぜひ観たいオペラです。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」(マッシモ劇場)を有名にしたのは、コッポラ監督の「ゴッドファーザーⅢ」。凶弾に倒れて人が死んでいく場面に、「カヴァレリア・ルスティカーナ」の美しい旋律が流れて、何とも言えない感動を与えます。
と言いましても、私は映画ではなくCDでこの曲を聴いて大好きになりました。そして、「これは何という曲なんだろう」と見ると、とてもむずかしい名前で覚えられません。何回も忘れてはまた、曲名と作曲家名を見て覚えました。
今は、“マスカーニ作曲の「カヴァレリア・ルスティカーナ」”と言えそうです。あの心に沁みる美しい旋律を、オペラで聴けたら素晴らしいだろうなと憧れます。
予告パンフによると、「カヴァレリア・ルスティカーナ」は一幕ものオペラで(普通のオペラは3幕です)、作曲をルスティカーナが懸賞応募して優勝したのだそうです。
一幕ものなので、もう一つの一幕オペラ「道化師」と抱き合わせで公演するようです。時間があって観られると、きっと楽しいと思います。(会田玲二)
「カヴァレリア・ルスティカーナ」を公演するパレルモ・マッシモ劇場の予告パンフレット。