Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●《「安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の歩みをけっして止めるわけにはなりません」》…より陰湿・悪質・強権➀

2020年09月11日 00時00分27秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑]



リテラの記事【菅義偉“史上最悪”の総裁選出馬会見! 膳場貴子の森友問題追及には「すでに結論」、望月衣塑子の質問には司会者に妨害を指示する動き】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5614.html)。

その➁へ)


 《安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の歩みをけっして止めるわけにはなりません》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●斎藤貴男さん【二極化・格差社会の真相】《法令を順守しなければ
     ならないのは、誰よりも貴君ら自身、警察権力なのだと自覚したまえ》
   『●前川喜平さん《数々の政策の失敗…行政の私物化について、納得できる
       説明をし、ちゃんと謝罪し、その責任をとってから、辞めてほしい》
   『●《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》事件…南彰さん《ついに
     質問妨害が、実力行使に発展…安倍晋三首相の記者会見での出来事だ》
   『●浜矩子さん《日本をこの狂った道から正しい道に戻さなくては
     ならない。安倍政権はそれほど激しい歪みを日本経済に遺したのです》
   『●アベ様や財務相は、赤木さんが《残したファイルとか、いま黒塗りに
     なっている夫がうつ病になった経緯であるとか、出すのは簡単なことだ》
   『●《権力をほしいままにし、国家を私物化してきた安倍首相も官邸を
      出てしまえば“ただの人”…司直の手に落ちることになるのか》?
    《「密室談合」による菅官房長官の次期総理就任を許していいのか!
     GoTo、沖縄いじめ、公文書改ざん、メディア圧力の最大の戦犯 
     …まさに、菅官房長官が陰に陽に繰り広げてきたメディア工作により
     忖度が広がり、スキャンダルや疑惑が持ち上がっても批判的な報道が
     徹底してなされず、安倍政権は約8年もの長期政権となったわけだが、
     当然、菅官房長官が次期総理となれば、メディア圧力はさらに激しさを
     増し、安倍政権以上に批判が封じ込められることは必至だ

   『●アベ様広報紙・産経《むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする、
             目を疑うような記事が出た》…《メディアコントロール》の成果

 アベ様は公党に《悪夢》と仰ったわけですが、実際のアベ様政権は《悪夢》どころか「地獄」の7年8カ月だったわけで、《「安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の歩みをけっして止めるわけにはなりません」》な最低の官房長官が次期・無《責任政党》の総裁、ひいては、首相となれば、「底なしの地獄」な政権へと堕ちていくことになりそう。アベ様の《レガシー》である《メディアコントロール》、それを支えていたのが最低の官房長官。最低の官房長官、《その正体は安倍首相とまったく同じだ》。それどころか、より陰湿に、より悪質に、より強権に。独裁の度合いは増し、《メディアコントロール》はより強固に。

 その陰湿さ、悪質さ、強権度合は、特に沖縄でエスカレートしそう。「唯一の解決策」が口癖の無能な最低の官房長官が次期・無《責任政党》総裁、次期首相…沖縄の皆さんには、本当にお気の毒としか言えない。
 沖縄タイムスの【社説[辺野古新基地問題]工事強行し寄り添わず[安倍政権の7年8カ月]】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/626252)によると、《「沖縄に寄り添う」「できることは全て行う」 安倍晋三首相のその言葉とは裏腹に歴代最長となった政権で、県民は基地負担の軽減をほとんど実感できなかった。米軍基地問題で、最大の課題である普天間飛行場の返還では、辺野古新基地建設を「唯一の解決策として強硬に押し進めた》。

 ブログ主が〝最低の官房長官に認定〟したのは2015年2月頃でした。特に、陰湿な沖縄イジメが主要因。

   『●屁理屈にもなっていない…
      菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」
    「常々、うすうす菅官房長官はアホ?、と思っていたのですが、
     今回、確信に。ブログ主の中で、最低の官房長官に認定。」

   『●「恐怖販売機」(©東京新聞『筆洗』)から
      出てくる「戦争法案」: 国会や憲法学者の存立危機事態
   『●首相の座を「全く考えていない」と否定…
      ブログ主のなかでは「最低の官房長官」認定済み
   『●独裁国家・アベ様政権相手に「けんか」できる
       翁長雄志知事の叫び、「うしぇーてぃないびらんどー」
   『●スガ殿曰く「報道が萎縮するような実態は全く生じていない」
            …「日本は今や世界の笑い者」、恥ずかしい…
   『●「…は沖縄県民の耳には「期待するな」
      「何も改善しない」と冷たく翻訳」…中央政府の体をなしていない
   『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、アベ様や
           最低の官房長官らは理解しようとするのか?

 さらに、《メディアコントロール》で忘れてはならないのが、望月衣塑子社会部記者イジメとそれを傍観する記者クラブの政治部記者達。《会場では笑いが起こったことだ。暴言を放った「次期総理」に対し、記者が声をあげて反論するでもなく、会場が笑いに包まれる……》…絶望的な気分。そんな中、唯一の朗報は、南彰さんが政治部記者に復活すること。

   『●下野時の発言がブーメラン…「最低の官房長官」スガ殿は、
               「国民への背信行為」を自分自身で行っている
   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に… 
               アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》

   『●《事実誤認》はどちらか? 《権力を監視し、
       政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命
   『●《「この会見は一体何のための場だと思っているのか」と質問 
               菅氏は「あなたに答える必要はない」》!!
   『●記者イジメ…最低の官房長官が《民主主義を守るために努力》
             《国民へ情報を知らせる義務》を果たしてる?
   『●小林節氏…《職業としての権力監視機関として、
       報道が発達し、憲法の重要な柱のひとつとして確立され》た
   『●三宅勝久さん《報道・言論の自由を標榜しながら
      じつのところ会見参加者を選別している…巧みな情報操作》
   『●最低の《官房長官が「これでいい」と決めれば、
      官僚も秘書官も誰も止められない。それは非常に危険》
   『●映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』《その中で…
      ナイト・リッダー社の記者たちは政権のウソを報じ続ける》
   『●《新聞を含むマスコミは…「客観中立で、常に事実と正論を語る」
                 という自画像を描き、自ら縛られてきた》
   『●『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)読了
                   …《政権をチェックしようという意識が…》
   『●『新聞記者』(望月衣塑子著)読了…《ひとつずつ真実を
          認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》
   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
             「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…
   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」「ここは
      質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
    「リテラの記事【「令和おじさん」の本当の顔が露わに! 菅官房長官が
     望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活、国連報告でも問題に】…
     《5月29日の定例記者会見で、東京新聞・望月衣塑子記者の質問に対し、
     こう言い放ったからだ。「その発言だったら、指しません」 
     これまでも菅官房長官は会見の場で、望月記者の質問に
     「あなたに答える必要はありません
     「ここは質問に答える場所ではない」などと職責を放棄して暴言を
     吐いてきた》」

   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●阿部岳さん《菅氏の会見でも食い下がる記者…。問い続けることが、
         あらがうこと。…対話という血管が詰まれば、民主主義が死ぬ》
   『●《東京新聞の記者が質問をしようと挙手しても菅氏が
     指名しない》…なぜに《官邸報道室長が司会役を務めている》のか?
   『●あぁ、やっぱりねぇ…、イジメを見て見ぬふり。内閣記者会
      政治部記者達が作り出す〝居ないことにされてしまった記者〟
    「あ~ぁ、ちょっと酷すぎやしませんかね? 内閣記者会政治部記者達は、
     他社とはいへ、社会部記者を報道の同志とは思わないのかね? 
     イジメを見て見ぬふりとは、政治部記者を名乗るのはだな。」

   『●内閣記者会政治部記者の露骨な本音は? Passiveな《官邸による
        「望月いじめ」を「黙殺」する形で「加担」》かと思いきや…
    「最低の官房長官のバンキシャ殿は、質問を《6月とか国会が
     終わった後にやれば》?、だそうです。アホですか? さらに、
     《質問が下手すぎる。完全に喧嘩売っている。もう少しうまく
     やらないと引き出せない》…だそうですが、記者会見やぶら下がり、
     オフ懇、夜討ち・朝駆けで一体どんな素晴らしい《回答》を引き出した
     のでしょうかね?」

   『●阿部岳さん《望月衣塑子記者への攻撃が、新たな段階に入ったようだ。
              首相官邸だけでなく、他のメディアまで列に加わっている》
   『●畠山理仁さん《報道に携わる者が対峙すべきは権力者だ》…立岩陽一郎さん
          《驚かされるのは、周囲の記者の反応…傍観者を決め込んでいる》

その➁へ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●斎藤貴男さん《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく…》

2020年04月11日 00時00分01秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/ウソウソウソ…恥を知らない“無敵の人”に監視される我々】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/269519)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「口頭決裁OK」森法相を糾弾せよ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202002270000068.html)。

 《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく、一切のチェック機能を封殺し、世襲した権力を弄ぶとっつぁん小僧ども両者が被支配と支配の関係にありそのまた上に米国が君臨しているのが日本の現実だ監視社会の目的はこの構図の徹底なのだと知ろう》。
 《★政府はついに文書改ざんでは飽き足らず公務員が文書を残さないこと、決裁のプロセスのつじつまを合わせるために口頭決裁は決裁方法として合法と言いだした。法相・森雅子は弁護士だが、自分の発言がどれほどの意味があるかわかっているのだろうか》。

   『●パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に
           成り下がりたい?…という人たちの気が知れない
    《①衛星プチ帝国主義。②階級社会の徹底。③一億総動員体制。
     …④メディアをフル活用したアベ絶対王朝の確立。
…》
    《②階級社会の徹底。明治礼賛キャンペーンが称揚するのは
     大日本帝国のアジア侵略だけではない。アベが幾度も演説で
     引いてきた福沢諭吉実像社会ダーウィニズム優生思想
     源流)信奉者に他ならず、長州士族の世襲による藩閥支配を
     当然視し、百姓町人をブタ呼ばわりさえしていた…》

   『●《在職最長2886日》だってさ! メディアコントロール・
     超監視社会を含め負のレガシー山積という醜悪な長期独裁政権
   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん

 《道義心のかけらもなく、一切のチェック機能を封殺し、世襲した権力を弄ぶとっつぁん小僧ども》どもによる監視社会警察国家。国家のシステムは《この8年の間に完膚なきまでに破壊》されてしまった。法務省大臣・森雅子法「無」相が法を蔑ろにするという国。民主主義国家や法治国家はとうの昔に破壊され、人治主義国家=アベ様独裁国家に。この期に及んで、まだアベ様内閣を直接・間接的に支持する人たち。《パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に成り下がりたい》のだろうか? 気が知れない…。
 《この政権の桁外れな無能は、コロナウイルスに対する無為無策でも実証された》。

   『●小田嶋隆さん《行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、
     安倍晋三氏とその追随者たちは…この8年の間に完膚なきまでに破壊》
    《政権の罪は、むしろ、彼らの日常動作の中にある。たとえば、
     行政文書を前例通りに記録・保存するという行政の担当者としての
     あたりまえの習慣を、安倍晋三氏とその追随者たちは、政権を担当した
     この8年の間に完膚なきまでに破壊した。それだけではない。彼らは、
     自分たちの政治資金の出納をまっとうに報告するという、
     政治家としての最も基本的な義務すら果たしていない

 《国会は今日もアベシンゾーのウソ八百劇場だ。「桜を見る会」も検察人事もデタラメ三昧で、追及されてもただ、ただ、ウソ、ウソ、ウソ》。人治主義国家=独裁に貢献する森雅子法「無」相…あまりに恐ろしすぎる。
 《恥というものを知らない心の底から軽蔑されていることが理解できない。居直るのが正義と本気で信じ込んでいる幼児性。いわゆる“無敵の人”とは、アベのことだ》。

   『●《安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に
        就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ》、あぁ………
   『●アベ様は検事総長人事までも私物化…《それならば「三権分立は
      絵に描いた餅で政界では実現しない」と閣議決定すべきだろう》
   『●《官邸の番犬》黒川弘務氏を《論功行賞として検察トップに据える》
          のみならず、カジノ汚職捜査を止めるという目的があった
   『●《政界の不正を摘発するのが特捜部の使命》のはずが…行政府の長・
      アベ様が《従来の法解釈》を恣意的に変更! アベ様による独裁…
    《あの《官邸の忠犬政権の爪牙山口敬之氏の逮捕を潰した
     最重要キーマン中村格氏も警察庁ナンバー2ですよ。
     次期警察庁長官との噂まで。最高裁も、最「低」裁となってすでに久しい。
     最高裁判事の人事までも私物化。そして、いま、検事総長人事まで
     私物化するアベ様ら。これで、警察国家・《極右独裁国家》の完成だ。
     アベ様らによる《メディアコントロール》についても、言うまでもない。
     《日本が本物の独裁国家になる日もそう遠くはないだろう》…いやぁ、
     既に完成済みなのでは?》

   『●アベ様らの数々の不正や無能っぷりは、自公お維支持者や眠り猫な
        間接支持者も持つ共通認識…それを許容するかどうかが大問題
   『●《安倍政権にはどうしても、官邸に近い黒川氏を検察トップに
     据えたい訳がある…検察が政権に私物化されれば、「首相の犯罪」は…》

 《民主国家、法治国家として積み上げて来たものを一瞬に壊した法相の「口頭決裁」に新聞はあまりにもおとなしい。この発言の持つ恐ろしさを読者に示してくれず、事態をあきれて見せるばかりだ。なぜこんなものは駄目だと糾弾しないのか》!? そりゃぁ、アベ様の政で唯一〝上手く行った〟《メディアコントロール》のお・か・げ。

 警察庁長官・最「低」裁判事、そして、検事総長…アベ様による人事の私物化の極致。
 東京新聞の記事【検察官定年延長 三権分立を損なう暴挙】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020022702000167.html)によると、《国会での審議を経て成立した法律の解釈を、政府が勝手に変えていいはずがない黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡る法解釈の変更は、国会の立法権を脅かし、三権分立を損なう暴挙だ。安倍内閣はなぜ、こんな重要なことを、国民の代表で構成する国会での審議も経ず、勝手に決めてしまうのか。…政権中枢の独善的振る舞いを糊塗(こと)するため、官僚たちが辻褄(つじつま)を合わせる。安倍政権ではたびたび目にする光景だが、国民への背信行為は即刻、やめるべきである》。

 最後に、この件、至急、国会でも取り上げてほしい!
 山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事【渦中の黒川検事長に関するダーティーな情報ーー暴力団幹部、警察関係、大臣経験代議士なども登場】(https://access-journal.jp/47049)によると、《誤解を恐れずに一言でいえば、「黒川氏に賄賂を渡し、ある事件もみ消しを頼んだ」というもの》。
 アベ様のダーク仲間だな。

   『●《テンチョンニュース》で決して報じない
     《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》
    「山岡俊介さんの『アクセスジャーナル』の記事【<再度紹介>
     「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」で本紙・山岡インタビューも掲載
     (『「安倍晋三」大研究』。望月衣塑子)】…《この疑惑が一過性で過ぎ去った
     のは、表面上しかなぞらない安易な安倍首相叩きに終始したことも大きな原因
     であると思っている。その点、このインタビュー原稿は、
     限られたスペースとはいえ、基本的な奥深い「闇」の部分が説明されている。
     目を通していただければ、そう実感してもらえると思う》」

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/269519

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
ウソウソウソ…恥を知らない“無敵の人”に監視される我々
2020/02/26 06:00

     ((居直るのが正義と本気で信じ込んでいる
      (衆院予算委で答弁する安倍首相)/(C)日刊ゲンダイ)

 最近、公衆電話が着信拒否されるケースが増えた。つながっても相手のスマートフォンに「非通知」だの「不明」と表示され、警戒されて、やはり出てもらえない場合が多い。公衆電話の無効化が加速している。事実上のスマホ携帯義務化である。

 私はスマホなど持たない主義だ。便利なあまり全能感にとらわれる醜態はさらしたくないし、通話や移動の履歴を記録され続けるのも真っ平だからだが、そうした発想も生き方も全否定される時代にされてしまったらしい。 

 がんじがらめの世の中である。街を歩けば監視カメラ網に追尾され、キャッシュレスポイント還元を受けたら、いつ、どこで、何を買ったかのデータが蓄積・解析されていく。いや、政府にしてみれば、そもそも私たちなど単なる12桁の番号でしかありはしないのだった

 「時代の流れ」だと人は言う。時にそう割り切ってしまいたくなる自分自身に気づいて驚く。政治権力と巨大資本に一挙手一投足を見張られ、操られるだけの人生を呪いつつも甘受して、すべてに無気力になった老人のイメージと己を重ねたり……。

 一方、その政治権力の側はどうか。国会は今日もアベシンゾーのウソ八百劇場だ。「桜を見る会」も検察人事もデタラメ三昧で、追及されてもただ、ただ、ウソ、ウソ、ウソ

 この政権の桁外れな無能は、コロナウイルスに対する無為無策でも実証された支配欲だけを肥大化させたボンクラ集団が、憲法だ戦争だと分不相応の妄想を抱くから恐ろしい。「身の丈に合わせろ」とは本来、彼らのためにある言葉なのだ。

 恥というものを知らない心の底から軽蔑されていることが理解できない。居直るのが正義と本気で信じ込んでいる幼児性。いわゆる“無敵の人”とは、アベのことだ。

 いったい何が起こっているのか。彼我の差は何を意味するのか。

 片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく、一切のチェック機能を封殺し、世襲した権力を弄ぶとっつぁん小僧ども両者が被支配と支配の関係にありそのまた上に米国が君臨しているのが日本の現実だ監視社会の目的はこの構図の徹底なのだと知ろう。

 このままなら未来は、肥だめのようなディストピア以外にあり得ない。日本社会のありかた、そこに生きる人間の自由が、今度こそ一から問い直されなければならない。
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202002270000068.html

コラム
政界地獄耳
2020年2月27日7時57分
「口頭決裁OK」森法相を糾弾せよ

★政府はついに文書改ざんでは飽き足らず公務員が文書を残さないこと、決裁のプロセスのつじつまを合わせるために「口頭決裁は決裁方法として合法と言いだした。法相・森雅子は弁護士だが、自分の発言がどれほどの意味があるかわかっているのだろうか

★25日、元検察官で自民党元法相・山下貴司が「口頭決裁を問題視する向きもあるが」と問うと森は「決裁には口頭の決裁もあれば文書の決裁もあり、どちらも正式な決裁だと理解している。文書における決裁を取らなければならない場合というのは決められているわけだが、今回はそれにあたらない」と胸を張った。山下も「民主党政権時代に法務省に勤めていたが、山ほど口頭で了解を取っている」と「民主党時代から」を強調して同調した。問題はそれがおかしいとたださなかった山下の倫理観と資質ではないのか。すべてが書類と印鑑という方式で組み立てられている我が国の行政決裁システムを森はいとも簡単に「自在に変更できる」と言い放ったと同様だ。過去に決裁された文書があろうともいつの間にか(日付もなくていい場合もあると言いだしたから)口頭決裁で変更できるというご都合主義を法相が認めたのだ。これでは私がいいと言ったらいいのよと言っているのに等しい。「もう行政にも司法にも信頼がないと思われてもこのまま進みますと法相が言い放ったのだ。

民主国家、法治国家として積み上げて来たものを一瞬に壊した法相の「口頭決裁」に新聞はあまりにもおとなしい。この発言の持つ恐ろしさを読者に示してくれず、事態をあきれて見せるばかりだ。なぜこんなものは駄目だと糾弾しないのか。何本かの怒りの原稿が散見されたが、新型コロナウイルスのニュースにとられて既に不問に付されている様相だ。だがネットの中は熱い。「立証出来ない物を証拠としてはならないは基本」「まるで『私が法律』と言わんばかり」「それなら確定申告は電話で済まそうかな」と皮肉る。国民は健全だ。(K)※敬称略
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《東京新聞の記者が質問をしようと挙手しても菅氏が指名しない》…なぜに《官邸報道室長が司会役を務めている》のか?

2020年01月27日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『-新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



共同通信の記事【東京新聞の望月記者、菅氏に抗議 「質問指されず不当」】(https://this.kiji.is/592647006604821601?c=39550187727945729)。
アサヒコムの記事【東京新聞記者「不当な扱い見直して」 菅長官会見で抗議】(https://www.asahi.com/articles/ASN1Q7KD9N1QUTFK01V.html)。

 《菅義偉官房長官の22日の記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が質問の機会を得られないとして抗議する一幕があった。…菅氏は「あなたの要望に応える場所ではない」とした上で…》。
 《東京新聞の記者が質問をしようと挙手しても菅氏が指名しないことが続いているとして、「非常に不当な扱いを受けている。ぜひ見直していただきたい」と抗議する場面があった》。

 《「あなたに答える必要はありません」「ここは質問に答える場所ではない」などと職責を放棄して暴言を吐いてきた》最低の官房長官は、いじめの度合をエスカレートさせ、終いには「その発言だったら、指しません」と言い放った。前もって〝御題〟を明かしておかないと質問にはお答え頂けないようだし、記者を選別することを宣言していた。
 その進化形として、《挙手しても菅氏が指名しないことが続いて》いました。最近の会見では、記者選別からもう一段レベルアップし、望月衣塑子記者が挙手しても無視して質問させない、というイジメのようなことが続いていた訳です。記者選別から、〝居ないことにされてしまった記者〟に。でっ、再び、い~っつも思うのですが、記者会見に居る周りの記者たちは一体何をやっているのでしょうか?

 あぁ…。周りの記者は何やってんだ? 何とも思わないのかね? 内心、最低の官房長官殿に喝采を叫んでいるのか? 《国連のデービッド・ケイ特別報告者》は《権力の監視者としての役割を果たすためには、報道機関は自らの取材や報道を自由に追求する必要がある》…こんな当たり前を指摘されるニッポンの《報道機関》って、一体? 《報道圧力に晒されつづけた結果、不都合な事実は伝えられず、プロパガンダが垂れ流される──この国の異常な報道実態は、こうして覆い隠されているのである》。それがず~っと、ず~っと続いているニッポン。こんな記者クラブなど解散するか、あらゆるジャーナリストが参加できる会見に改めるべきだ。

 もう一点、これも指摘され続けているが、《官邸報道室長が司会役を務めている》《司会役の首相官邸の上村秀紀・報道室長》って一体何なのか? なんのために幹事社を決めているのか? 会見の仕切りを記者の手になぜ取り戻さないのか? 最低の官房長官に、《要望に応え》させよ!

   『●下野時の発言がブーメラン…「最低の官房長官」スガ殿は、
               「国民への背信行為」を自分自身で行っている
   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に… 
                 アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》

   『●《事実誤認》はどちらか? 《権力を監視し、
       政府が隠そうとする事実を明らかにするのは報道機関の使命
   『●《「この会見は一体何のための場だと思っているのか」と質問 
                  菅氏は「あなたに答える必要はない」》!!
   『●記者イジメ…最低の官房長官が《民主主義を守るために努力》
                 《国民へ情報を知らせる義務》を果たしてる?
   『●小林節氏…《職業としての権力監視機関として、
       報道が発達し、憲法の重要な柱のひとつとして確立され》た
   『●三宅勝久さん《報道・言論の自由を標榜しながら
      じつのところ会見参加者を選別している…巧みな情報操作》
   『●最低の《官房長官が「これでいい」と決めれば、
      官僚も秘書官も誰も止められない。それは非常に危険》
   『●映画『記者たち 衝撃と畏怖の真実』《その中で…
      ナイト・リッダー社の記者たちは政権のウソを報じ続ける》
   『●《新聞を含むマスコミは…「客観中立で、常に事実と正論を語る」
                 という自画像を描き、自ら縛られてきた》
   『●『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)読了
                  …《政権をチェックしようという意識が…》
   『●『新聞記者』(望月衣塑子著)読了…《ひとつずつ真実を
              認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》
   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
                「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…
   『●【<金口木舌>権力はうそをつく】《イラク戦争…
       大量破壊兵器の保有は後に捏造だと明らかになった》
   『●《安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を
       反社会勢力にも通じる人物に頼》む…なぜに報じられないの?
   『●《テンチョンニュース》で決して報じない
     《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》
   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」「ここは
      質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
    「リテラの記事【「令和おじさん」の本当の顔が露わに! 菅官房長官が
     望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活、国連報告でも問題に】…
     《5月29日の定例記者会見で、東京新聞・望月衣塑子記者の質問に対し、
     こう言い放ったからだ。「その発言だったら、指しません」 
     これまでも菅官房長官は会見の場で、望月記者の質問に
     「あなたに答える必要はありません
     「ここは質問に答える場所ではない」などと職責を放棄して暴言を
     吐いてきた》」

   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●阿部岳さん《菅氏の会見でも食い下がる記者…。問い続けることが、
           あらがうこと。…対話という血管が詰まれば、民主主義が死ぬ》

=====================================================
https://this.kiji.is/592647006604821601?c=39550187727945729

東京新聞の望月記者、菅氏に抗議
「質問指されず不当」
2020/1/23 01:34 (JST)
©一般社団法人共同通信社

     (記者会見する菅官房長官=22日午前、首相官邸)

 菅義偉官房長官の22日の記者会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が質問の機会を得られないとして抗議する一幕があった。菅氏は「最後の1問」として望月記者を指名。これに対し記者は「2問聞きたい。長官から不当な扱いを受けている。21日から手を挙げているが、私だけ指されない」と訴えた。

 菅氏は「あなたの要望に応える場所ではない」とした上で、「桜を見る会」の公文書管理に関する質問に1問だけ答えて会見は終了した。

 会見は官邸記者クラブ「内閣記者会」が主催し、官邸報道室長が司会役を務めている
=====================================================

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/ASN1Q7KD9N1QUTFK01V.html

東京新聞記者「不当な扱い見直して」 菅長官会見で抗議
2020年1月22日 23時06分

     (記者会見で質問に答える菅義偉官房長官
       =2020年1月22日午前11時26分、岩下毅撮影)

 22日午前にあった菅義偉官房長官の定例記者会見で、東京新聞の記者が質問をしようと挙手しても菅氏が指名しないことが続いているとして、「非常に不当な扱いを受けている。ぜひ見直していただきたい」と抗議する場面があった。

 官房長官の記者会見は原則的に1日2回行われ、内閣記者会が主催。質問する記者は官房長官が指名する。

 22日午前の会見では、司会役の首相官邸の上村秀紀・報道室長が「次の質問を最後で」と発言した後、菅氏が東京新聞の記者を指名した。これに対し、東京新聞記者は「2問聞きたい」「指されないことが続いている」と訴えたが、菅氏は「最後の1問ということで指名した」「ここはあなたのご要望についてお答えする場所ではない」などと対応。東京新聞記者は抗議したうえで、「桜を見る会」について質問した。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《官邸の忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁ナンバー2に! 次期警察庁長官?

2020年01月23日 00時00分03秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラの記事【山口敬之逮捕を握り潰した中村格が警察庁ナンバー2に!『報ステ』に圧力、安倍秘書の息子の喧嘩にまで介入した“官邸の忠犬”】(https://lite-ra.com/2020/01/post-5206.html)。

 《ついに、あの“官邸の忠犬” “政権の爪牙”が警察庁ナンバー2の座に就く。昨日14日、警察庁長官に松本光弘次長、警視総監に斉藤実副総監が昇格する人事が閣議で承認されたが、同時に警察庁次長に中村格官房長が就くことがわかったからだ》。

伊藤詩織さん事件で山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》。デタラメ過ぎる。

   『●山口敬之氏事件…《逮捕寸前までいった事件が、このように
         “ブラックボックス”のなかに押し込められてしまった》
   『●伊藤詩織さんによる民事裁判「私たちが勝利しました」、
     山口敬之氏の高額「反訴」は棄却…なぜ刑事事件で裁けなかった?
   『●法的措置…《山口氏を“被害者”に仕立て上げて…伊藤さんを
      毀損…性被害サバイバーや社会に「沈黙」を強いる恫喝的攻撃》
    「『官邸ポリス』と監視社会警察国家…暗澹とする。」

 《官邸の忠犬政権の爪牙山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁ナンバー2に! 次期警察庁長官? 《忠臣が論功行賞を得て、ますます安倍首相による「警察権力の私物化」が進んでゆく──。それは安倍首相を批判する行為自体が取り締まり対象となりうるという、恐怖の世界のはじまりなのである》。警察国家、まっしぐら。何もかも《私物化》するアベ様。

   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん
   『●《民主主義ならぬ「ご都合主義」国家》…《私人》、《調査・
     研究》自衛隊中東〝派兵〟などデタラメ閣議ケッテェ~を乱発
   『●金子勝さん「安倍さん関連は検察も警察も一切動かない」
     「まるで犯罪者集団。泥棒だらけ」「来年は泥棒しませ~ん」
   『●金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない
     …公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質が》

=====================================================
https://lite-ra.com/2020/01/post-5206.html

山口敬之逮捕を握り潰した中村格が警察庁ナンバー2に!『報ステ』に圧力、安倍秘書の息子の喧嘩にまで介入した“官邸の忠犬”
2020.01.15 12:06

     (警察庁ナンバー2に中村格が!(警察庁HP))

 ついに、あの“官邸の忠犬” “政権の爪牙”が警察庁ナンバー2の座に就く。昨日14日、警察庁長官に松本光弘次長、警視総監に斉藤実副総監が昇格する人事が閣議で承認されたが、同時に警察庁次長に中村格官房長が就くことがわかったからだ。

 次長というと長官のたんなる補佐役のように受け取られがちだが、実際にはその権力は絶大で、指揮監督は全国におよび、事実上、警視総監以上の権限をもつ。しかも、予算をはじめ人事や政策立案まで握るポジションであり、さらに出世コースとしては次期長官が約束されたも同然だ

 そのポストに官邸の忠犬たる中村氏が就く──。この人事に、憤りを覚える人はきっと多いはずだ。

 というのも、中村氏といえば、昨年12月に東京地裁で勝訴した伊藤詩織さん事件で山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマンだからだ。

 あらためて振り返ると、元TBS記者で「安倍首相にもっとも近いジャーナリスト」と呼ばれていた山口敬之氏から性暴力を振るわれたという伊藤さんの相談を受け捜査を担当していた高輪署の捜査員が、2015年6月8日、逮捕状を持って成田空港で山口氏の帰国を待ち構えていた。ところが、この逮捕直前に上層部からストップがかかった。この逮捕取りやめを指示したのが、当時、警視庁刑事部長だった中村氏だった。実際、山口氏の逮捕を取りやめるよう指示したことについて、本人が「週刊新潮」(新潮社)の直撃に対し、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と認めているのである。

 伊藤さんの著書『Black Box』(文藝春秋)には、伊藤さんが直接、中村氏への取材を二度試みたくだりが出てくるのだが、それによれば、中村氏は一切の説明をせずに逃げたのだという。

〈出勤途中の中村氏に対し、「お話をさせて下さい」と声をかけようとしたところ、彼はすごい勢いで逃げた。人生で警察を追いかけることがあるとは思わなかった。
 私はただ、答えが欲しいのだ。中村氏にはぜひ、「私のした判断は間違いではなかった。なぜなら……」ときちんと説明して頂きたい。なぜ元警視庁刑事部長の立場で、当時の自分の判断について説明ができず、質問から逃げるばかりなのだろうか?〉(『Black Box』より)

 結果的に事件は2015年8月に書類送検され、山口氏は翌年7月22日付けで嫌疑不十分で不起訴処分に。逮捕寸前まで行った事件が、このように中村氏の逮捕取りやめ指示によって“ブラックボックス”のなかに押し込められてしまったのである。

 そして、この中村氏による逮捕取りやめ指示の背景にあるとみられてきたのが、中村氏と菅義偉官房長官の関係だ。中村氏は第二次安倍政権発足時に菅官房長官の秘書官をつとめており、“菅の懐刀”と言われてきた。

 その深い関係を象徴するのが、『報道ステーション』(テレビ朝日)の古賀茂明降板事件だ。2015年、IS人質事件に関してレギュラーコメンテーターだった古賀氏は安倍首相が「『イスラム国』と戦う周辺国に2億ドル出します」と宣戦布告とも取られかねない発言をおこなったことを批判。さらに「まぁ私だったら“I am not ABE”(私は安倍じゃない)というプラカードを掲げて、『日本人は違いますよ』ということを、しっかり言っていく必要があるんじゃないかと思いましたね」と発言した。

 この発言に官邸は大激怒。本サイトでも当時伝えているが、菅官房長官の秘書官が番組編集長に電話をかけまくり、編集長が出ないと今度はショートメールで古賀は万死に値するという恫喝をかけた。その「菅官房長官の秘書官」が中村格氏だったのである。



■『報ステ』に圧力メール、安倍首相秘書の息子のために「ゲーセンのケンカ」に捜査一課を投入

 古賀氏は著書『日本中枢の狂謀』(講談社)のなかで、この『報ステ』に恫喝メールを送った「菅官房長官の秘書官」が中村氏であることを明かし、こう綴っている。

〈一月二三日の最初の「I am not ABE」発言の直後、なんと番組放送中に、まず中村格官房長官秘書官(当時)から、報道局ニュースセンター編集長の中村直樹氏に電話があったという。たまたま中村編集長が電話を取り損ねると、今度はショートメールが入った。テレ朝関係者に聞いた話では、その内容は「古賀は万死に値する」といったような、強烈な内容だったそうだ。〉
〈報道によると、この日、菅官房長官は、秘書官と一緒に官邸で番組を見ていたそうだ。その真偽はさておき、仮に直接聞いていなくても、私の発言を知れば、菅官房長官が激怒することは容易に推測できる。
 秘書官としては、アリバイ作りのためにも、すぐに抗議しておかなければならない。それが秘書官の務めだ。そこで、とにかく放送中にアクションを起こしたことを菅官房長官に示すため、ショートメールを送ったのではないか、といわれている。〉

 つまり、菅官房長官によるメディア圧力の実行部隊として中村氏は動いてきた人物でもあるのだ。その後、中村氏は警視庁刑事部長として伊藤さんの事件の逮捕状を握り潰したわけだが、この一件にとどまらず、中村氏は安倍政権の“秘密警察”と化してきた。

 たとえば、中村氏がやはり刑事部長だった2015年、中村氏の指示により、安倍首相の秘書の息子が被害者となったゲームセンターでの喧嘩になんと凶悪犯罪を扱う捜査一課が投入され、強引に容疑者逮捕に及んだと昨年11月に「週刊新潮」が報道。記事によると、事情聴取で被害者の父親が「安倍総理の秘書をしていた」と話し、その報告書が本部に上げられたため中村部長が大騒ぎ。〈被害者は安倍(晋三)総理の秘書の息子さんなんだ。すぐに逮捕して欲しい〉と捜査一課長に精鋭を招集させた。そして、当時は東京・三鷹の小学校教諭の男性が児童に対する強制わいせつなどの疑いで逮捕されメディアでも大きく報じられたのだが、その捜査が大詰めを迎えていたときに釣宏志・捜査一課長が捜査員を呼び出し、こう命じたのだという。

〈三鷹をちょっと止めて別の件をやって欲しいんだ。世田谷署管内のゲームセンターで子供が殴られた。すぐやってくれ。(加害者を)3日で逮捕しろ。これは中村刑事部長のご下命だ〉


■“官邸の忠犬”中村格が実権を握り、警察はますます“安倍首相の私兵”に!

 また、中村氏をめぐっては、昨年2月に刑事告訴され議員辞職した自民党の田畑毅・前衆院議員(のちに書類送検、不起訴)の問題でも、捜査の指揮を執った愛知県警本部長を警察庁に呼んで慎重捜査を厳命したと噂され、「田畑氏が刑事告訴された2月上旬以降、警察庁の中村格官房長が頻繁に官邸を訪ねている」とも報じられた。

 安倍首相にベッタリの記者の逮捕取りやめを指示しただけではなく、政権に打撃を与える議員の事件への介入まで……。まさに“安倍官邸の忠犬”と呼ぶにふさわしい中村氏だが、問題なのは、今後、警察庁次長として権力を増大させた中村氏による“政権の秘密警察化”がさらにエスカレートすることは目に見えているということだ。

 前述したように、中村氏は菅官房長官の秘書官時代に『報ステ』に圧力をかけた張本人だったわけだが、警察庁ナンバー2という立場から社会部にも睨みをきかせることができる。つまり、官邸が政治部に圧力をかけているのと同様、中村氏の権限で社会部の報道にまで介入することもできると言っていい。

 さらに、一般市民への圧力も強まるはずだ。すでに昨年7月の参院選時には北海道札幌市で安倍首相の街頭演説中に「安倍やめろ!」とヤジを飛ばした市民が警察に取り押さえられ強制排除されるといった問題が起こり、この1月9日には、12日の“安倍やめろデモ”の運転手として東京都公安委員会に届出をしていた男性が「車庫飛ばし」という微罪で逮捕され、実名報道されるという事件が起きている。

 中村次長の下で、こうした戦前の言論弾圧さながらの警察による違法捜査が頻発するだろう。

 忠臣が論功行賞を得て、ますます安倍首相による「警察権力の私物化」が進んでゆく──。それは安倍首相を批判する行為自体が取り締まり対象となりうるという、恐怖の世界のはじまりなのである。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●山口敬之氏事件…《逮捕寸前までいった事件が、このように“ブラックボックス”のなかに押し込められてしまった》

2019年12月20日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『-新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



リテラの記事【「詩織さん全面勝訴」で証明された警察・検察のおかしさ! やはり御用記者・山口敬之と安倍政権の関係が逮捕、立件を潰していた】(https://lite-ra.com/2019/12/post-5150.html)。

 《だが、繰り返すがこれは当然の判決だ。そもそも、タクシー運転手やベルボーイという第三者による証言のほか、詩織さんを抱えて引きずる山口氏の姿が映った防犯カメラ映像も証拠として提出されている》。

   『●伊藤詩織さんによる民事裁判「私たちが勝利しました」、
     山口敬之氏の高額「反訴」は棄却…なぜ刑事事件で裁けなかった?

 山口敬之氏事件について、氏は控訴するとのことですから、伊藤詩織さんは高裁での闘いに勝ち続けることと、引き続き、多くの方がそれを支援する。別途、民事訴訟の場では困難な、北村滋氏や中村格氏らが一体何をヤリ、なぜソレをヤッタのかを解明すること。伊藤詩織さんご本人というよりも、支援者の皆さんや国会議員、ジャーナリズムの役割ではないかと思います。リテラなどでは過去にも報じられている、重大な問題です。絶対に解明されるべき。

 昨日に引き続き、前川喜平さんのツイート。

--- --- --- - --- --- --- - --- - --- --- --- - --- --- ---
https://twitter.com/brahmslover/status/1207501771725099008
前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)@brahmslover
山口敬之の事件「刑事と民事で判断が分かれた」のではない。裁判所は刑事で判断していない判断したのは検察だ。「検察と裁判所で判断が分かれた」のだ。検察はなぜ起訴しなかったのか検察審査会はなぜ不起訴相当としたのか山口とアベ夫妻との関係がどう関係しているのか。追及すべきはそこだ。
午後0:23 2019年12月19日

https://twitter.com/brahmslover/status/1207548319678861313
前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)@brahmslover
山口敬之の事件は、検察・警察が腐っているという、国政上の重大事件だ。山口敬之を国会に証人喚問して、「北村さま」に何を頼んだのか、吐かせるべきだ
午後3:28 · 2019年12月19日
--- --- --- - --- --- --- - --- - --- --- --- - --- --- ---

 前川さんは「検察と裁判所で判断が分かれた」「山口とアベ夫妻との関係がどう関係しているのか。追及すべきはそこだ」「検察・警察が腐っているという、国政上の重大事件だ」と仰っており…本当にそう思います。


 日刊ゲンダイの記事【伊藤詩織さん全面勝訴 “アベ友”山口敬之氏の呆れた言い分】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266488)。《「一つのピリオドはつけられた気持ちです」――。ジャーナリストの伊藤詩織さん(30)が、元TBS記者山口敬之氏(53)から性的暴行を受けたとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟は18日、詩織さん側の“完全勝利”に終わった…■卑劣手口に新証言…つまり、裁判所が認めたように、2人の間で「合意があった」とは考えにくい状況だったのだ…これまで表舞台に出てこなかったクセに「敗訴をメディアのせいにする始末だった。アベ友元記者の言い分は果たして世界に通用するのか》。

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/これも”保護”される上級国民案件】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912190000061.html)。《★ジャーナリスト・伊藤詩織が、元TBSワシントン支局長・山口敬之から性暴力被害にあったとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であり、裁判長は330万円の支払いを命じたが、思えばこの事件も首相や副総理とじっこんの記者が官邸に泣きついたところから始まった。山口には逮捕状が出ていたが官房長官・菅義偉の秘書官を長く務めた当時の警視庁刑事部長中村格の決裁で「逮捕不要とし逮捕直前に中止となった…★伊藤の勝訴に多くの人が官邸や警察の忖度(そんたく)と違い、司法はまだ正義を保っているのではないかと期待したろうが、刑事訴訟では負け民事訴訟で勝ったという構図だ。ただこの間、伊藤に対してさまざまな誹謗(ひぼう)中傷がネットで躍った。極め付きは係争中の山口の弁護士がそれを行っていたなど政権やそれを支持する人たちによる攻撃という劣勢とハンディキャップの中、伊藤は戦ったことになる。また右派言論陣が山口擁護を繰り広げたことも記憶に新しい…桜を見る会と同様、首相や官邸に近しい人、私人と言い張る首相夫人の交友ならば超法規が適用され、反社だろうがマルチまがいの経営者だろうが“保護”されるという構造にメスが入るか否かの入り口にある事案だったのではないか。女性への性被害を闇に葬ることなど簡単だと政権が言うならば、山口の逮捕状を握りつぶさせた価値観との闘いが始まる覚悟をすべきだろう》。
 《刑事訴訟では負け》たのではない。先の前川さんのツイート、《裁判所は刑事で判断していない判断したのは検察だ。「検察と裁判所で判断が分かれた」のだ。検察はなぜ起訴しなかったのか検察審査会はなぜ不起訴相当としたのか》。なぜ犯罪者が刑事事件で裁かれなかったのか? 《女性への性被害を闇に葬》ろうとしたのか? どのように??

 なぜ刑事事件で裁けなかったのか…北村滋氏や中村格氏らは何をやったのか? なぜ?? さらに加えれば、内調。《内調がフェイクニュースをでっち上げてマスコミにリークし、ネットにばらまく──。…映画『新聞記者』のなかの絵空事のような国家による謀略が、実際におこなわれていたのである》。
 それらの点について突っ込んた報道、特にテレビでは、なぜになされないのか? 「検察・警察が腐っているという、国政上の重大事件」としても報じてほしい。主に報道に向けてだと思いますが、下記の記者会見で、伊藤さん自身も「I need your help!」と訴えておられます。リテラの主張《求められるのは逮捕状取り消し、捜査圧力問題の再検証だ》に同意します。

 日本外国特派員協会での伊藤さんの記者会見について、すいません、以下に貼らせていただきます。警察の酷さにも唖然とさせられます…。また、山口敬之氏の同所での記者会見についても貼り付けさせていただきます。(外国人記者発言)《「上級国民」扱い》の氏自身、および、弁護士の酷い言い分をご確認ください。醜悪な弁護士の言い分を、隣で山口氏はどんな思いで聞いていたのだろう…。ちなみに、この酷い会見には、ジャーナリストとして伊藤さん自身も出席しておられます。その上で、本人を目の前に平気で「嘘つきの常習犯」呼ばわりをできる山口氏の神経が分からない…。



【性暴力被害訴訟で勝訴 ジャーナリストの伊藤詩織氏が外国特派員協会で会見(2019年12月19日)】
 (https://www.youtube.com/watch?v=NiMbFDb1BAQ



【【ライブ】元TBS記者 山口敬之氏が会見(日本外国特派員協会より)】
 (https://www.youtube.com/watch?v=lvVGCJ-0BJM


   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…
      諸悪の根源である“主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻
    《安倍首相と近しい関係といわれる元TBSワシントン支局長の
     山口敬之氏に「レイプされた」と会見で訴えた詩織さんの
     「準強姦事件」も“本質”は同じ。事件を握り潰したと報じられたのは、
     菅官房長官の秘書官だった警視庁の中村格刑事部長(当時)。
     現在は共謀罪を担当することになる警察庁組織犯罪対策部長だ。
     犯罪を平気でもみ消す、と批判されている人権軽視の警察官僚が、
     犯罪を恣意的につくり出しかねないと懸念されている悪法の責任者
     就いているなんて、これぞ悪夢だ

   『●ニッポンのマスコミも完全に破壊…鬼畜なアベ様広報官犯罪、
                  司法の「Black Box」に踏み込めず
   『●『総理』著者・山口敬之氏…犯罪もみ消しを忖度してもらえるほどの、
                   「ただの番記者」どころか腹心の友
   『●TBS「ドラマ部門が勇気ある行動を起こしたということなのかもしれない」…
                          その「放送された意義」
   『●アベ様独裁下の《黙って見過ごすわけにはいかない
      日本の問題》があまりに多すぎる…躾けられてはいけない
    「山口敬之氏が反訴したそうだ。神経を疑う。最「低」裁を頂点とした司法も
     頼れず…。警察や検察がアベ様に忖度したように、司法も、今回も正しく
     「司法判断」することなく、何時もの「政治判断」だろうか。絶望的な国」

   『●日本のマスコミは準強姦事件についてなぜ騒がないのか?
         …「日本の国会やメディアは…関心がないようだ」
   『●《安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの
     性暴力》犯罪の裏で《官邸の関与》…最低の官房長官らは何を?

=====================================================
https://lite-ra.com/2019/12/post-5150.html

「詩織さん全面勝訴」で証明された警察・検察のおかしさ! やはり御用記者・山口敬之と安倍政権の関係が逮捕、立件を潰していた
2019.12.18 07:45

     (性被害を訴えた伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋))

 

 至極当然の判決が出た。ジャーナリストの伊藤詩織さんが、安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏から意識がないなかで性行為を強要されたとして1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、本日、東京地裁は「酩酊状態にあって意識のない原告に対し、合意のないまま本件行為に及んだ事実、意識を回復して性行為を拒絶したあとも体を押さえつけて性行為を継続しようとした事実を認めることができる」と認定し、山口氏に330万円の支払いを命じた。

 判決詳報を報じた「弁護士ドットコムニュース」の記事によると、裁判所は、山口氏と伊藤さんが会食した2015年4月3日、2軒目に訪れた寿司屋を出た時点で伊藤さんが「強度の酩酊状態にあった」と認定したほか、翌日に伊藤さんが産婦人科でアフターピルの処方を受けたこと、数日後に友人に相談し、その後原宿警察署に相談に訪れていることなどをもって「今回の性行為が伊藤さんの意思に反して行われたものであると裏付けるもの」と結論づけたという。

 一方、裁判所は山口氏の供述について「重要な部分において不合理な変遷が見られる」と指摘。たとえば、山口氏は2015年4月18日に伊藤さんに送ったメールで〈あなたは唐突にトイレに立って、戻ってきて私の寝ていたベッドに入ってきました〉と記述していたのに、裁判では「伊藤さんに呼ばれたために山口さんが窓側のベッドから伊藤さんの寝ている入口側のベッドに移動した」と証言していたとし、こうした点から、判決では山口氏の供述について「信用性には重大な疑念がある」と述べ、対する伊藤さんの供述は「相対的に信用性が高い」と認めた。

 さらに、山口氏は伊藤さんが性行為に同意していたと主張して、伊藤さんが『Black Box』(文藝春秋)を出版するなど被害を訴えたことによって名誉やプライバシーが傷つけられたとして、伊藤さんに1億3000万円の損害賠償を求める反訴を起こしていたが、これについても東京地裁は「伊藤さんが性犯罪の被害者をめぐる状況を改善しようと被害を公表した行為には、公共性や公益目的があり、内容は真実だと認められる」とし、山口氏の訴えを退けた。

 つまり、意識がないなかで性暴力をふるわれ、意識を戻して拒絶したにもかかわらず山口氏がやめずに継続しようとしたという伊藤さんの訴えが認定され、一方、告発を封じ込めようとするような山口氏側のスラップ訴訟も退けられるという、“全面勝訴”の判決といえる結果となったのだ。

 だが、繰り返すがこれは当然の判決だ。そもそも、タクシー運転手やベルボーイという第三者による証言のほか、詩織さんを抱えて引きずる山口氏の姿が映った防犯カメラ映像も証拠として提出されている。実際、裁判所も〈ホテルに到着し、山口さんに引きずられるようにして降車した〉ことや〈ホテルの部屋に向かう間、足元がふらついていて、山口さんに支えられる状態だった〉ことを事実として認めているのだ(前述・「弁護士ドットコム」より)。

 だが、こうした当然の判決が出たことによってあらためて問い直さざるを得ないのは、なぜここまで証拠が揃った事件に対し急に逮捕が取り消され、さらには嫌疑不十分で不起訴となったのか、という問題だ。

 あらためて振り返ると、伊藤さんからの相談を受けて、当初捜査を担当していた高輪署の捜査員は山口氏の逮捕状をとり、2015年6月8日、山口氏を逮捕すべく複数の捜査員が成田空港で山口氏の帰国を待ち構えていた。ところが、この逮捕直前に上層部からストップがかかった。そして、この逮捕取りやめを指示したのが“菅義偉官房長官の子飼い”である当時の中村格・警視庁刑事部長(現・警察庁官房長)だった。「週刊新潮」(新潮社)の直撃に対し、中村氏自らが「逮捕は必要ないと私が決裁したと認めているのだ。つまり、官邸中枢と近い警察官僚の指示により、山口氏は逮捕をまぬがれたのである。

 しかも、山口氏の逮捕が取りやめになったあと、不可解にもこの高輪署の捜査員は担当から外されてしまった。結果的に事件は2015年8月26日に書類送検されたが、山口氏は翌年7月22日付けで嫌疑不十分で不起訴処分に。逮捕寸前までいった事件が、このように“ブラックボックス”のなかに押し込められてしまったのだ


■山口敬之が内調トップに相談メール、内調は詩織さん中傷のチャート図を作成

 このあまりに不自然な逮捕取りやめと不起訴処分には、当然、官邸の関与が疑われてきた。実際、「週刊新潮」が伊藤さんの問題で山口氏に問い合わせした際、山口氏はその対応を内閣調査室のトップで“官邸のアイヒマン”との異名を持つ北村滋内閣情報官(現・国家安全保障局長)に相談していた可能性まで指摘されている。というのも、山口氏は「週刊新潮」の取材メールに対し、誤ってこんな文書を送信しているのだ。

〈北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。
 伊藤の件です。取り急ぎ転送します。
 山口敬之〉

 「Fw:」(転送)すべきところを「Re:」してしまうあたり、山口氏が相当焦っていたことが伺えるが、一方、北村氏率いる内調は、“伊藤さんの背後に民進党人脈がいる”というフェイク情報を流しバッシングを扇動していたという衝撃的な事実まで判明した。

 じつは伊藤さんが検察審査会に不服申し立てをして司法記者クラブで記者会見をおこなった直後から、ネット上では「詩織さんは民進党の回し者」なる風評が飛び交っていた。さらに半日も経たないうちに伊藤さんと伊藤さんの弁護士と民進党の山尾志桜里議員の関係をこじつけ、伊藤さんを「民進党関係者」だとするフェイクチャート図の画像がネット上に出回ったのだ。

 だが、これについて「週刊新潮」は内調が流したものであると報道。記事では〈本誌が山口氏の問題を取り上げ、それから詩織さんが記者会見をする5月29日より少し前のこと。政治部のある記者は、知り合いの内調職員から右下の図を受け取った〉としてチャート図を紹介している。正確には、このチャート図自体は伊藤さんの会見写真が入っているため、会見後に作成されたものと考えられるのだが、内調が“こじつけの関係”を記した類似のペーパーを政治部記者に渡していたのはたしかだ。というのも、本サイトのもとにも会見前と会見後に「内調が伊藤詩織さんに対するカウンター情報をふれまわっている」という情報が届いていたからだ。つまり、内調は事前に関係を解説した資料を配布し、会見後、さらにそれを写真入りのチャート図に更新して配布したのかもしれない。さらに、本サイトの調査では、内調が情報を直接2ちゃんねるに投下した可能性すらうかがわれた。

 内調がフェイクニュースをでっち上げてマスコミにリークし、ネットにばらまく──。今夏に公開された映画『新聞記者』でも、この一件をモデルにしたと思われるシーンが登場するが、映画のなかの絵空事のような国家による謀略が、実際におこなわれていたのである

 なぜ、TBS記者の事件に、官邸の息がかかった警視庁刑事部長や内閣調査室がここまで動き回るのか。それは言うまでもなく、山口氏が「安倍首相にもっとも近いジャーナリスト」のひとりだからだ。


■山口敬之と安倍首相の特別な関係! ヨイショ本出版の裏で「起訴なし」の検察情報入手か

 そもそも、山口氏はTBS時代から“安倍の太鼓持ち”と呼ばれるほど安倍首相と個人的に親しい関係を築いてきた。安倍首相は国会で山口氏について「取材対象として知っている(だけの関係)」などと言ってごまかしたが、山口氏の結婚披露宴に安倍首相が出席していたことを「FLASH」(光文社)が写真付きで報じている。しかも、山口氏の単行本デビュー作となったのは、2016年6月9日に発売された安倍総理礼賛本『総理』(幻冬舎)だった。

 しかし、この『総理』をめぐっても疑惑が出ている。山口氏はFacebookで“不起訴処分は2016年7月に関係者に伝えられ、その結論を得て本格的な記者活動を開始した”などと述べているが、山口氏が『総理』を出版したのは、前述したとおり2016年6月9日。つまり、山口氏は不起訴より1カ月も早く記者活動を開始していたのだ。

 そして、この事実について、作家の中村文則氏は毎日新聞2017年7月1日付愛知版で、こう疑義を呈した。

〈そもそも、首相の写真が大きく表紙に使われており、写真の使用許可が必要なので、少なくとも首相周辺は確実にこの出版を知っているしかも選挙直前。首相を礼賛する本が選挙前に出て、もしその著者が強かんで起訴されたとなれば、目前の選挙に影響が出る。〉
〈でも、山口氏の「総理」という本が16年6月9日に刊行されているのは事実で、これは奇妙なのだ。なぜなら、このとき彼はまだ書類送検中だから。
 しかもその(『総理』発売日の)13日後は、参議院選挙の公示日だった。だからこの「総理」という本は、選挙を意識した出版で、首相と山口氏の関係を考えれば、応援も兼ねていたはず。そんなデリケートな本を、なぜ山口氏は、書類送検中で、自分が起訴されるかもしれない状態で刊行することができたのか。〉

 つまり、山口氏はなんらかのルートを使って起訴がないことを事前に把握していたのではないかと中村文則氏は分析したのだが、山口氏と中村格氏、内閣情報調査室トップだった北村前情報官との関係を考えると、裏で官邸が動き、首相のお友だちである山口氏にいち早く不起訴を知らせていた(あるいは不起訴になるようにもっていった可能性は十分考えられるものだ。

 事件自体に数々の証拠が揃っていながら、なぜ不起訴となったのか。しかも、伊藤さんの不服申し立てに対し検察審査会は2017年9月に「不起訴相当」と議決。ネット上では「検察審査会の判断が出たのだから山口氏は無罪」とする擁護意見が溢れることになってしまった。


■山口敬之は“性的マイノリティ認めるなら痴漢の権利も保障せよ”の小川榮太郎と会見

 だが、この検察審査会の議決についても、さまざまな疑問がある。まず、議決の理由は〈不起訴処分の裁定を覆すに足りる事由がない〉という、理由になっていない理由が記されているだけ。さらにどのような証拠をもって審査されたかもわからず、その上、補助弁護人も付いていなかったのだ。このことについて、元検事である郷原信郎弁護士は「補助弁護人が選任されていないということは、“法的に起訴すべきだった”という方向において、専門家の意見は反映されていないことを意味しています」と答えている(「週刊新潮」2017年10月5日号/新潮社)。

 しかも、検察審査会では安倍政権絡みの事件での不起訴に対する不服申し立てについては、同様の「不起訴相当」の議決がつづいている。かなり悪質だった甘利明・元経済再生相の現金授受問題でも、証拠隠滅のためハードディスクをドリルで破壊した小渕優子・元経産相の政治資金事件でも「不起訴相当」という議決だったからだ。

 このように、証拠が揃い、逮捕一歩手前までいったというのに、官邸周辺の人物が暗躍するなかで事件は闇に葬られようとしてきた。しかし、伊藤さんはネット上でひどい誹謗中傷に見舞われながらも、ブラックボックスを「オープン」にするため、民事裁判をおこなった。そして、ようやくその主張が民事司法によって認められたのだ。

 その道のりを想像するだけで胸が苦しくなるが、しかし、加害者の山口氏はさっそく会見を開き、控訴することを発表した。しかも、会見には同じく幻冬舎から安倍首相礼賛本を出版した小川榮太郎氏を同席させた。小川氏といえば、自民党・杉田水脈衆院議員の“性的マイノリティには生産性がない”という差別言説を“性的マイノリティを認めるなら痴漢の触る権利も保障せよ”なるヘイトの上塗りで擁護し、さらに伊藤さんバッシングを繰り広げている人物だ。そのような人物を呼び寄せて会見を開くというのが、山口氏が何をバックにしてきたかを物語っている。

 しかし、ここまではっきりと伊藤さんの主張が認められたことを考えれば、求められるのは逮捕状取り消し、捜査圧力問題の再検証だ。これは伊藤さんひとりの問題ではない。この問題に黙ることは、権力に近い人物だというだけで逮捕が取り消されてしまうという、法治国家とは言えない状態を是としてしまうことになるからだ。今回の判決を受けて、ひとりでも多くの人がいま一度その意味の大きさ、重さを考えてほしいと願う。

(編集部)
=====================================================

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《民主主義ならぬ「ご都合主義」国家》…《私人》、《調査・研究》自衛隊中東〝派兵〟などデタラメ閣議ケッテェ~を乱発

2019年12月17日 00時00分15秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



リテラの記事【安倍政権が「反社会的勢力の定義は困難」閣議決定のトンデモ! 「桜を見る会」ごまかすため2007年の政府指針を覆し“反社”野放しへ】(https://lite-ra.com/2019/12/post-5136.html)。
日刊ゲンダイの記事【宮内庁長官に元警察官僚 “安倍官邸ポリス”跋扈の恐ろしさ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266061)。

 《おいおい、この国は正気なのか──。「桜を見る会」に反社会的勢力が招待されていた問題で、本日、政府は、反社会的勢力の定義について「その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的・統一的な定義は困難だ」とする答弁書を閣議決定したのだ》。
 《“警察国家”になりかねない――。宮内庁は10日、17日に退任する山本信一郎長官(69)の後任に警察庁出身の西村泰彦次長(64)を充てる人事を発表した。ほとんどの国民は気付いていないだろうが、いつの間にか、警察官僚出身者が政府の主要ポストを次々に押さえ始めている国民を暴力装置で監視する――。英国作家ジョージ・オーウェルの「1984」に描かれた管理社会にソックリじゃないか》。

 《政府は、反社会的勢力の定義について「…限定的・統一的な定義は困難だ」…閣議決定》! アベ様御妃の「私人」を閣議決定…それに次ぐ名作・閣議ケッテェ~シリーズの一つ。《全閣僚が合意して政府の方針を決定する手続き》が閣議決定なのに、酷いね。

   『●トドメのサクラ…「私人」にオトモダチ招待「枠」?
     《政府は「首相夫人は公人ではなく私人」とする答弁書を閣議決定》
    《推薦枠は首相夫人の昭恵氏も持っていたという。学校法人「森友学園
     への国有地売却を巡り学園と昭恵夫人の関係が問題となった際に、
     政府は首相夫人は公人ではなく私人とする答弁書を閣議決定した。
     公的行事の招待権限を私人に与えていたことになり、
     「私物化を政府自ら認めたことになる

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/佐藤栄作と安倍晋三の違い】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912120000086.html)によると、《★安倍内閣は異次元の閣議決定を繰り返している。これは歴史の検証に耐えうるレベルのものではないだけでなく、内閣を挙げてすべての閣僚が同意したとんでもない愚行だ。閣議決定とは憲法や法律で内閣の職務権限とされる事項や国政に関する重要事項で、内閣の意思決定が必要なものについて、全閣僚が合意して政府の方針を決定する手続き。★森友・加計学園疑惑が問われていた17年3月14日、政府は野党の質問主意書に首相夫人・安倍昭恵は「公人ではなく私人であると認識していると閣議決定》。

 そして、《反社会的勢力の定義》に関連して、《安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を反社会勢力にも通じる人物に頼》んだ件はどうなったのですか?

   『●《安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を反社会勢力にも
            通じる人物に頼》む…なぜに報じられないの?
    「山岡俊介さんの『アクセスジャーナル』の【<書籍紹介>
     「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」で本紙・山岡インタビューも
     掲載(『「安倍晋三」大研究』。望月衣塑子
     KKベストセラーズ)】…《書籍『「安倍晋三」大研究』が発売に
     なった。そのなかに、本紙がスクープした
     「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」(いわゆる“#ケチって火炎瓶”)
     について、本紙・山岡をインタビューした内容が30頁に渡り掲載
     されている》」


 日刊ゲンダイの記事【“反社おじさん”菅長官KO寸前 側近の公金不倫旅行まで発覚】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266133)によると、《不倫に反社――。7年にわたって安倍政権を支えてきた屋台骨2人に、芸能人なら仕事を干されかねない問題が直撃だ。「不倫」は和泉洋人首相補佐官(66)、「反社」は菅官房長官。根底にあるのは長期政権のおごりと公私混同で、政権中枢は腐り切っている》。
 新たな名作・閣議ケッテェ~が生み出されれる? 「不倫ではない」と閣議決定、「不倫について限定的・統一的な定義は困難」と閣議決定?

   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…諸悪の根源である
         “主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻
    《コトの経緯のすべてを知る前川喜平前文科次官は、文科省に
     獣医学部の設置認可を求めて“圧力”をかけていた人物を
     次々と暴露。次官当時、和泉洋人首相補佐官
     〈総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う〉と発言…》

   『●主犯A…『A Few Good Men』のように
     ネイサン・R・ジェセップ大佐を証人台に座らせろ!
    《「はじめから加計学園に決まるようにプロセスが進んだように
     見える。非常に不合理な意思決定だった」「背景に首相官邸の
     動きがあったと思う。和泉洋人首相補佐官がさまざまな動きをしていた」》
    《前川氏は和泉洋人首相補佐官より「総理は自分の口からは言えない
     から私が代わりに言う」として、獣医学部新設の迅速な対応を
     求められてきた事実を証言し、
     「(規制の)穴の開け方に不透明さがある」と言及した》

   『●《これはもう、まさに、私は総理大臣首相も国会議員も辞める
             ということははっきりと申し上げておきたい》
    《さらに前川喜平・前文部科学事務次官が、安倍首相の側近である
     和泉洋人首相補佐官から「総理の代わりに言う」として対応を
     早くしろと迫られていたことを証言するなど「加計ありき」の実態が
     明らかになりつつあったが、安倍首相は頑として「岩盤規制」の一点張り》

   『●元祖?・有言実行されない大見得・啖呵《報道がそれで
          抑圧される、そんな例があったら私は辞める》
    《しかも、この改ざんの指示も安倍官邸がおこなっている可能性が高い
     財務省をはじめとする官僚経験者らも、もっと上の政治家の指示も
     なく公文書を大幅に改ざんすることは考えられないと言っているし、
     実際、加計学園問題では、萩生田光一官房副長官(当時)や
     和泉洋人首相補佐官ら、安倍首相の名代とも言える官邸幹部が
     文部科学省に圧力をかけていたことがわかった》

   『●〝前川喜平になるな佐川宣寿になれ〟!?
      「官邸べったり」藤原誠官房長の文科事務次官への昇格人事
    「「前川喜平になるな佐川宣寿になれ」ってこと!?  つまり、
     《政権・官邸の意向に服従しろ》。文部科学省内で《安倍首相が力を入れる
     教育の国家主義化、愛国主義化の強化》してくれそうな、《官邸べったり》
     《官邸のイエスマン》藤原誠官房長の文科事務次官への昇格人事。
     こんな好き勝手な人事、《ロコツな“官邸人事”》で各省がズタズタに…。
      それでも少しはましな「人物」ならまだしもね…。下足番紙にデマを
     リークした官邸の意を受け、《和泉洋人首相補佐官の代理人として前川氏を
     黙らせるために暗躍》。それに、続・大惨事アベ様内閣の文科相が
     アレですものねぇ」


 直近のデタラメな閣議決定は…《調査・研究》の名目で、国会で議論することもなく、お得意の閣議決定で自衛隊を中東〝派兵〟する…。そんなこと、許されないし、やってはいけない。

   『●《中東への自衛隊派遣の本格検討に着手した。大災害を尻目に
          自衛隊を海外派遣――。国民二の次政権の本質…》
   『●NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…
     《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》

 《自分の意のままとなる人物》で好き勝手な人事…。いま、恐ろしいことに、まさに《安倍官邸ポリス》。

   『●「5月0日」?…内閣法制局は安保関連法案の審査を
        いつ決裁したのか? そもそも審査したのか??
    《自分の意のままとなる人物を聖域と言われてきた内閣法制局に
     送り込み杜撰極まりない方法で安保法制を押し通してしまった
     安倍首相。しかし、この手は内閣法制局に限った話ではない。
     NHKの籾井勝人会長しかり、日銀の黒田東彦総裁しかり、くわえて
     先日行われた宮内庁の人事では、次長として内閣危機管理監の
     西村泰彦氏を送り込んだ。これは天皇へのあきらかな報復であり、
     生前退位議論を官邸がコントロールするための人事だ》

   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん
    「毎日新聞の記事【これが本当なら「現代の特高」…前川元次官が
     語る告発ノベル「官邸ポリス」のリアル】」

=====================================================
https://lite-ra.com/2019/12/post-5136.html

安倍政権が「反社会的勢力の定義は困難」閣議決定のトンデモ! 「桜を見る会」ごまかすため2007年の政府指針を覆し“反社”野放しへ
2019.12.10 10:35

     (首相官邸Twitterより)

 おいおい、この国は正気なのか──。「桜を見る会」に反社会的勢力が招待されていた問題で、本日、政府は、反社会的勢力の定義について「その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的・統一的な定義は困難だ」とする答弁書を閣議決定したのだ。

 反社会的勢力の定義は困難って、そんな馬鹿な。実際、2007年に政府がまとめた企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では、〈暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人はっきり定義しているからだ。そして、この定義をもとに金融庁は各金融機関や業界団体に「反社データベース」の充実などを求め、民間企業でも反社会的勢力との関係遮断に取り組んできた。しかも言っておくが、この指針を出したのは第一次安倍政権だ。つまり、安倍首相は自ら定義したものを、いまになって政府は「定義は困難」だと言い出したのだ

 無論、この答弁書を閣議決定したのは、「桜を見る会」で反社会的勢力と思われる人物が招待されていた問題が取り沙汰されていた際、11月27日の定例記者会見で菅義偉官房長官が「反社会的勢力についてさまざまな場面で使われることがあり、定義は一義的に定まっているわけではない」と述べた結果だろう。

 これはとんでもない話だ。「反社会的勢力の定義は困難」というのが政府見解になってしまえば、今後、都道府県など地方自治体で施行されている暴力団排除条例も骨抜きになってしまう。さらに、今年は吉本芸人による反社会的勢力の闇営業が大きな問題となったが、これからは「政府の見解では定義は困難なので反社とは言えない」などと責任逃れすることもできるだろう。いや、もっと言えば、これほど定義が曖昧になってしまえば、政府に都合の悪い人物や団体が「反社会的勢力」に仕立て上げられることだって十分可能になってしまうのではないか。

 ようするに、これまで政府は反社会的勢力との関係を遮断するよう訴えてきたのに、「桜を見る会」をめぐって反社との関係が非難の対象となった途端、定義を曖昧にして有耶無耶にしてしまったのである。これは、都合の悪い文書を破棄して「復元は不可能」「バックアップデータは行政文書ではない」などと強弁したり、一流ホテルが明細書を発行しないという常識外れの主張をしたりという一連の「疑惑隠し」とまったく同じで、今度は疑惑を隠すために、ついに政府指針まで捻じ曲げてみせたのである。

 もはや「ぶっ壊れている」としか言いようがないが、“元凶”である菅官房長官も相当ぶっ壊れている

 本日午後におこなわれた会見で菅官房長官は、記者からこの閣議決定の問題を突っ込まれると、上記した答弁書の内容を繰り返した。さらに記者から「政府の指針は何だったのかという話になると思うが」と質問されると、こう答えた。

「(政府の指針は)暴力団の不透明化や資金獲得活動の巧妙化、こうしたものが進むなかで民間企業が暴力団をはじめとする反社会的勢力との関係を遮断し、これらによる被害防止する観点からこのための基本的な理念や具体的な対応についてとりまとめたものだと承知している。現在、民間企業においてはこの指針を踏まえた上で暴力団をはじめとする反社会的勢力との関係の遮断のための取り組み、これを着実に進めていると思う」


■菅官房長官が「桜を見る会」で握手を交わした相手は「準暴力団の企業舎弟」と新潮報道

 いやいや、だからその指針に書かれた定義をひっくり返して「社会情勢によって変化するから定義は困難」と言い出したせいで、今後、何をもって反社だと認定すればいいかが不透明になってしまったのではないか。それなのに「民間企業は指針を踏まえてやっている」って、まったく答えになっていない

 その上、「もともと定義は困難な用語だったのか」と問われると、菅官房長官は一言も発さず、黙ってこくこくと頷いたのだった。

 答えになっていない答えを繰り返し、ついには頷くことしかできない菅官房長官──。それも当然だろう。というのも、実際に「桜を見る会」には、反社会的勢力が招待されていたことははっきりしているからだ。

 たとえば、「桜を見る会」の反社招待問題を取り上げた12月5日発売の「週刊新潮」(新潮社)の記事では、SNSにアップされていた「桜を見る会」招待者の写真に写っているA 氏という人物について、大阪府警関係者が経歴を証言。A氏は大阪で地下格闘技の団体をやり、その一方で「組合費などと称して飲食店などからみかじめ料を巻き上げるように」なったといい、2010年には金融機関から約4600万円をだまし取った詐欺容疑で、2014年には傷害容疑で逮捕されるなどしているという。このA氏について、沖縄県警では「半グレの『Aグループ』のリーダー」であり、同グループは「準暴力団」という位置付けで認識されていると語られている。

 そして、菅官房長官が「桜を見る会」でニコニコと笑顔をたたえながらがっちりと握手を交わしてツーショット写真を撮った人物は、「A氏の企業舎弟と言われている人物」(暴力団に詳しいジャーナリスト)だというのである。

「予算が増加しているのはセキュリティ対策のため」などと言いながら、実際には政府が関係遮断を訴える反社会的勢力までが招待されて税金でもてなし、その関係者と官房長官が笑顔でツーショット写真の撮影に応じていたとは──。あまりに杜撰極まりないが、こうした事実を認めるわけにはいかないため、ついに政府は「反社会的勢力を定義するのは困難」などと言い出したわけだ。


■望月衣塑子記者が新潮報道を質問するも、菅は「週刊誌報道に答える場ではない」と打ち切り

 実際、本日午後の会見では、この「週刊新潮」の報道について、東京新聞の望月衣塑子記者が追及すると、それまでは記者の質問攻めにヘラヘラしていた菅官房長官が豹変。「反社や半グレと指摘される方々があの場にいたのか。なぜ参加できたのか。これは確認できたのか」と質問されたのに、菅官房長官は「認識はしていない。私は暴力団がいたとは一切言っていない」と話をずらし、追加質問しようとする望月記者をいつものように司会が遮ろうとする始末。さらに望月記者が「来年はオリンピックなのに警察の情報収集能力は大丈夫なのか」と問うと、こう断言した。

警察の情報収集能力は、絶対に間違いない。週刊誌の報道にひとつひとつ答える場ではない

 「週刊誌の報道」って、まさに菅官房長官自身にかかわる問題なのだが。しかし、ここで望月記者がさらに何かを問いかけようとしたのだが、菅官房長官は司会のほうを見て「ちょっと」と指示を出す。すると、司会は「ありがとうございました」と言い、会見を終わらせたのだった。

 最近は朝日や毎日、北海道新聞などの記者が連携して質問を重ね、官房長官会見にも変化が見られていたが、望月記者の質問はいつものとおりシャットアウトする……。男性記者には追加質問を許しているのに、この対応の差は「追及する女性記者」に対する露骨な差別なのではないのかと思わざるを得ないが、ともかく、反社会的勢力が招待されていた問題について、調べる気はまったくないということらしい。

 だが、これをこのまま看過することは到底できない。自分たちに都合が悪くなると、これまで政府が示した定義さえ覆す。こんなことが許されてしまえば、安倍政権は思うまま、何だってできてしまうからだ。民主主義ならぬ「ご都合主義国家に変えようとするこの動きに、黙っているわけにはいかないだろう。

(編集部)
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266061

宮内庁長官に元警察官僚 “安倍官邸ポリス”跋扈の恐ろしさ
2019/12/11 14:50

     (宮内庁長官に抜擢された警察庁出身の
      西村泰彦次長(C)日刊ゲンダイ)

 “警察国家”になりかねない――。宮内庁は10日、17日に退任する山本信一郎長官(69)の後任に警察庁出身の西村泰彦次長(64)を充てる人事を発表した。ほとんどの国民は気付いていないだろうが、いつの間にか、警察官僚出身者が政府の主要ポストを次々に押さえ始めている

  ◇  ◇  ◇

 西村氏は東大法学部を卒業後、1979年に警察庁入庁。警備局長や警視総監、内閣危機管理監などを歴任し、2016年9月に宮内庁次長に就任した。ちなみに、中学から野球を始め、三重県立伊勢高の野球部で主将を務めた。当時、「球児と文通したい」との雑誌投稿をキッカケに知り合った大分県の女子高生が、現在の妻だという。

 西村氏が抜擢されたのは、「官邸と皇室とのつながりを強化するため」(官邸事情通)とみられているが、今年7月には環境省の外局である原子力規制庁の長官にも警察庁出身の荻野徹次長(当時)が着任したばかりだ。

 外局だけでなく、官僚トップの杉田和博内閣官房副長官をはじめ、内局ポストのトップにも警察出身者が続々登用されている。外交・安全保障政策をつかさどる国家安全保障局長に北村滋・元内閣情報官、災害などの緊急時に省庁をまとめる内閣危機管理監に沖田芳樹・元警視総監、といった具合に警察官僚の優遇が目立つ。


■情報と暴力を備えた組織が政治と癒着

 元キャリア官僚による“リアル告発ノベル”との触れ込みで話題になった「官邸ポリス 総理を支配する闇の集団」(講談社)では、政権を支える警察出身官僚が政敵を潰す様子がリアルに描かれている。あくまで“フィクション”とはいえ、警察出身者が「官邸ポリス」として跋扈するサマは、安倍政権とよく似ている

 ジャーナリストの青木理氏は「元警察官僚が宮内庁長官に抜擢されること自体は珍しくない」と指摘しつつも、こう続ける。

「現政権の特徴は、警察官僚が官邸の中枢に深々と食い込んでいることです。戦後の日本は、戦時中に特高などがファシズムの“先兵”となってしまった反省を踏まえ、警察組織への政治の直接的干渉を排除する公安委員会制度などが整備されました。ところが、一種の政治警察である公安部門の力が増すにつれて、警察そのものが政治へとあからさまに接近して権力を振るうようになってしまいました。『官邸官僚』に警察出身者が目立つのはその証左。情報機関であり、暴力装置でもある警察が政治側と癒着している今、反権力側の団体や個人の情報が政治的理由からリークされ、社会的地位を脅かされることもあり得ます。日本が『警察国家』になっていく恐ろしさを軽視すべきではありません」

 国民を暴力装置で監視する――。英国作家ジョージ・オーウェルの「1984」に描かれた管理社会にソックリじゃないか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●トランプ大統領《映り方が気に入らぬと特定の鏡を選んで割ってしまいたい…米国という鏡にその姿はより醜悪に映る》

2019年12月14日 00時00分56秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019102802000113.html)。

 《ピュリツァーの名言がある。…「正確さ、正確さ、正確さ!」▼この人には新聞がどうしても「フェイク、フェイク、フェイク!」と見えるらしい。おそらくそうではなく、自分にとって不都合な報道をそう強調することで消し去りたいのかもしれぬ。トランプ米大統領が自分に批判的なニューヨーク・タイムズワシントン・ポストのホワイトハウスでの定期購読を打ち切るという▼連邦政府のすべての機関での購読をやめさせる方向というから異常である》。

   『●「ゲスの極みの会話」…「安倍がトランプの心を掴んだ理由…
                  「俺は朝日新聞に勝った」「俺もNYT…」」
    「リテラの編集部の記事【「私は朝日に勝った」「俺もNYタイムスに
     勝った」、安倍とトランプが“批判報道潰し”でグロテスクな意気投合】」

   『●「これは相当に見つけにくかろう」…というか、真に
     《不存在》な無い物(国民の信用)は見つけようがない
   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
         報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
   『●「「もりかけ」疑惑が晴れてもいないのに安倍晋三は
      3選の勢い…公文書改ざんやメモの発見は何だった」?
   『●『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)
              読了…《政権をチェックしようという意識が…》
    《映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」…は空前の
     ヒット作となり、ニューヨーク・タイムズワシントン・ポスト
     販売部数は過去最高の売れ行きだという》

 《トランプ米大統領が自分に批判的なニューヨーク・タイムズワシントン・ポストのホワイトハウスでの定期購読を打ち切るという▼連邦政府のすべての機関での購読をやめさせる方向》…なんて、異常過ぎるでしょ? アベ様「私は朝日に勝った」に対して、トランプ氏「俺もNYタイムスに勝った」…あの醜悪さ、再び。各新聞社は、見過ごしていいの?

 ビデオニュース・ドットコムの記事【アメリカのメディアはいかにトランプと戦ってきたか 津山恵子氏(在米ジャーナリスト)、前嶋和弘氏(上智大学総合グローバル学部教授)/マル激トーク・オン・ディマンド 第968回(2019年10月26日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/968/)によると、《とにかくこんな政権は誰もみたことがない。これまでの常識でいけば、政権が5回や10回は飛んでも不思議ではないと言っても過言ではないほど、トランプ政権は数々のスキャンダルや不祥事に塗れながら、これまでこれを難なく乗り切ってきた。…アメリカのメディアも最後の一線ではジャーナリズムの原則は失っていないと指摘する。翻って日本では。しかし、本当に分断されているのは、どっちなのだろうか。参入障壁が低いため多くのメディアが市場で群雄割拠することになった結果、そこにつけ込んだ政権がメディアの分断に成功している現在のアメリカと、メディアが丸ごと権力に取り込まれているが故に、対立が表面化しない日本とでは、どっちがまともなのだろうか》。
 それにしても、アベ様による《メディアコントロール》なニッポン…。

   『●記者イジメ…最低の官房長官が《民主主義を守るために努力》
             《国民へ情報を知らせる義務》を果たしてる?
   『●小林節氏…《職業としての権力監視機関として、報道が発達し、
              憲法の重要な柱のひとつとして確立され》た
    《新聞労連・南彰委員長…トランプ政権がCNN記者の記者証を
     取り上げた際、政権寄りのFOXも異議を唱えました
     新聞労連ではこのとき、ホワイトハウス記者協会と連帯する
     という声明を出し、〈ホワイトハウスでの出来事は、日本で働く
     私たちにとっても他人事ではありません〉と書いたんです。
     対岸の火事じゃない、いま官邸で起きていることも同じだ、と。
     NHKをはじめ、日本のメディアはトランプ政権のそうした問題を
     面白がって報じるけれど、そんな場合じゃないですよ、と。でも、
     そうした危機感も広がらず、ズルズルときてしまった。それが
     いまの現状であり、将来世代がまともに取材できる環境に変えて
     いくための最後のチャンスなんだと思っています》

   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」「ここは質問に
       答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開
   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●《オーストラリア各紙は黒塗り紙面で「政府があなたから
     真実を遠ざけるとき、何を隠しているのか?」と読者に問い掛けた》
    「《日本でも権力の暴走が起きた場合、報道機関は連帯できるだろうか》?
     《報道機関がなすべき方向性》に進むだろうか? いや、ニッポンでは、
     むしろ積極的に《メディアコントロール》されたがる…。そもそも、
     コラムも云う《民主主義社会》なのかな、ニッポンは。
     《知る権利》なんて、情報隠蔽国家ニッポンにあるのだろうか? 
     《日本でも権力の暴走が起きた場合》…というか、もうすでに
     アベ様ら自公政権や与党自公、癒着党お維が《暴走》して
     一体何年たっているでしょうか?」

   『●新聞労連・南彰中央執行委員長による声明【オープンな
     首相記者会見を求める】…「質問をする機会はすべての取材者に…」

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019102802000113.html

【コラム】
筆洗
2019年10月28日

 十九世紀の米国新聞人でジャーナリストのジョゼフ・ピュリツァーの名言があるがある。新聞の記事、見出し、社説に必要な要素を挙げている▼まず「分かりやすさ」。当然だろう。そして「ユーモア」「風刺」「独創性」「文章力」などを指摘し、最後にこう結んでいる。「正確さ、正確さ、正確さ!」▼この人には新聞がどうしても「フェイク、フェイク、フェイク!」と見えるらしい。おそらくそうではなく、自分にとって不都合な報道をそう強調することで消し去りたいのかもしれぬ。トランプ米大統領が自分に批判的なニューヨーク・タイムズワシントン・ポストのホワイトハウスでの定期購読を打ち切るという▼連邦政府のすべての機関での購読をやめさせる方向というから異常である。他の新聞については購読を継続するというから両紙に対する言論弾圧と言われても当然である▼どんな新聞も世の中や国民の考えを映す鏡なのだろう。無論、新聞によって映り方はさまざまである。トルーマン大統領は「一紙だけで事実を判断してはならない」と各紙に目を通していたと聞くが、トランプ大統領は映っているのはまぎれもない自分なのに、映り方が気に入らぬと特定の鏡を選んで割ってしまいたいらしい▼定期購読をやめても鏡は消えない。むしろ、危険なやり方によって、米国という鏡にその姿はより醜悪に映るだろう。
=====================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●新聞労連・南彰中央執行委員長による声明【オープンな首相記者会見を求める】…「質問をする機会はすべての取材者に…」

2019年12月11日 00時00分01秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『-新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



三宅勝久さんの『スギナミジャーナル』記事【首相記者会見「オープン化」を要求する新聞労連の声名を歓迎する】(http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/3901)。

 《新聞労連が12月2日、「オープンな首相記者会見を求める」と題して以下の声名を発表した。http://shimbunroren.or.jp/20191202-statement/ …今回の問題を取材している社会部記者や、ネットメディア、フリーランスなどの記者の多くは参加することが困難で、公正さを欠く取材設定だった》。

 南彰さんによる新聞労連の声明には《すべての取材者》とある…畠山理仁さん《本来、報道に携わる者が対峙すべきは権力者だからだ》が思い出される。

   『●『記者会見ゲリラ戦記』読了
    「畠山理仁著。…《ようやくその第一歩、扉がわずかに開いた。
     記者クラブとフリー記者が対峙するなどナンセンス、なぜなら
     「本来、報道に携わる者が対峙すべきは権力者だからだ」。
     …記者会見のオープン化がなされた時、ようやく権力と報道の
     本当の戦いが始まる。…記者会見が真剣勝負の場になれば、
     政治家も記者も技量が磨かれる。ファインプレーも出るだろう。
     さあ、一刻も早く試合を始めよう。開かれた日本の民主主義のために》

 【労連声明:オープンな首相記者会見を求める】(http://shimbunroren.or.jp/20191202-statement/)によると、《国の税金を使って、首相が主催する「桜を見る会」をめぐる疑惑が深刻化している。…とりわけ、主催者であり、多くの招待客を招いている首相の説明責任は重い。…新聞労連は2010年3月に「記者会見の全面開放宣言」を出している。そのなかで示した「質問をする機会はすべての取材者に与えられるべきだ」との原則に基づく記者会見を開き、説明責任を果たすことを求める…」。…国民・市民の疑問への十分な説明を尽くすと共に、今回の事態を契機に、首相に対する日常的な質問機会を復活するよう求める。2019年12月2日 日本新聞労働組合連合(新聞労連)中央執行委員長 南彰》。

 最低の官房長官の〝記者〟会見の様子が、ここ数日、大きく変わってきている。いままでが酷過ぎたのだが、官僚から(酷い内容だけれども)「差し紙」がなければ答えられない最低の官房長官…哀れだ。落ちた「最低の官房長官」は叩け。政治部記者の皆さんでも、できるでしょ?

   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」「ここは質問に
       答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
    「《職責を放棄して暴言を吐いてきた》最低の官房長官は、
     いじめの度合をエスカレートさせ、この度、「その発言だったら、
     指しません」と言い放った。記者を選別することを宣言。
     でっ、い~っつも思うのですが…周りの記者は何やってんだ?

   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開
   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)

 南彰さん《報道機関の対応にも厳しい視線が注がれており、報道各社は結束して、オープンで十分な時間を確保した首相記者会見の実現に全力を尽くすべきだ》。大賛成!

   『●《オーストラリア各紙は黒塗り紙面で「政府があなたから
     真実を遠ざけるとき、何を隠しているのか?」と読者に問い掛けた》
    「《日本でも権力の暴走が起きた場合、報道機関は連帯できるだろうか》?
     《報道機関がなすべき方向性》に進むだろうか? いや、ニッポンでは、
     むしろ積極的に《メディアコントロール》されたがる…。そもそも、
     コラムも云う《民主主義社会》なのかな、ニッポンは。
     《知る権利》なんて、情報隠蔽国家ニッポンにあるのだろうか? 
     《日本でも権力の暴走が起きた場合》…というか、もうすでに
     アベ様ら自公政権や与党自公、癒着党お維が《暴走》して
     一体何年たっているでしょうか?」

=====================================================
http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/3901

スギナミジャーナル
東京都杉並区限定(ときどき限定解除)の硬派ジャーナリズム 「からい、しつこい、おもしろい」 主宰・三宅勝久 土日休刊

首相記者会見「オープン化」を要求する新聞労連の声名を歓迎する
miyakatu 2019年12月3日

 新聞労連が12月2日、「オープンな首相記者会見を求める」と題して以下の声名を発表した。

http://shimbunroren.or.jp/20191202-statement/
(以下抜粋)

- - - - - -- - - - - - -- - - - - - -- - - - - - -- - - - - - -- - - - - -
 …安倍首相は11月15日に記者団のぶら下がり取材に応じ、「桜を見る会前夜に行われた後援会の懇親会費について、政治資金収支報告書に記載のないことは「政治資金規正法上の違反には当たらない」と主張した。しかし、明細書などの合理的な裏付けは示されず、その後、記者団が投げかけている追加の質問にもほぼ応じていない。

 また、15日に官邸で行われたぶら下がり取材は、開始のわずか約10分前に官邸記者クラブに通知されたものだった。今回の問題を取材している社会部記者や、ネットメディア、フリーランスなどの記者の多くは参加することが困難で、公正さを欠く取材設定だった。

 新聞労連は2010年3月に「記者会見の全面開放宣言」を出している。そのなかで示した「質問をする機会はすべての取材者に与えられるべきだ」との原則に基づく記者会見を開き、説明責任を果たすことを求める。記者クラブが主催する記者会見の進行を官邸側が取り仕切ることによる問題が近年相次いでいる。公権力側が特定の取材者にだけ質問を認めたり、一方的に会見を打ち切ったりするなどの恣意的な運用のない状態で、オープンな首相の記者会見を行うべきである。

 また、多岐にわたる疑惑を確認するには、十分な質疑時間の確保も必要だ。報道機関の対応にも厳しい視線が注がれており、報道各社は結束して、オープンで十分な時間を確保した首相記者会見の実現に全力を尽くすべきだ。
- - - - - -- - - - - - -- - - - - - -- - - - - - -- - - - - - -- - - - - -

 日本が真の民主化をはたすことができない原因のひとつに「記者クラブ」の問題があると筆者は常々感じてきた。公権力の有する情報は、特定のメディア企業にだけ独占的に提供され、あたかも「報道の自由」があるかのような錯覚のもと、社会に流される巧妙な情報操作である。そこにかかわる記者クラブ記者自身も、自身が情報操作に利用されていることを自覚できる者はまれである

 韓国にも日本統治時代につくられた記者クラブがかつて存在した。同国ではこれが民主化の障害になるとして撤廃することに成功した。現在、地球上にある「報道の自由」を標榜する国家で、このような「自由」と矛盾する制度をとっている国はほかに見当たらない。つまり、現代日本における「言論の自由」「報道の自由」はまがいものにすぎないということになる。

 記者クラブの開放運動は新聞社などの企業の壁を超えたジャーナリストの連帯運動でもある。今回の新聞労連の声名を、いちフリージャーナリストとして歓迎したい。
=====================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●アベ様は、ジャパンライフの元会長らのどこら辺を《各界において功績・功労のあった方々》と見たのか? ぜひ説明を!

2019年11月28日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラの記事【ジャパンライフ山口会長を「桜を見る会」に招待したのは安倍首相か! 首相推薦枠1000人も大嘘、「総理、長官等で3400人」の証拠】(https://lite-ra.com/2019/11/post-5111.html)。

 《「桜を見る会」問題で安倍首相をめぐる新たな疑惑が浮上した。それは、磁気ネックレスの預託商法などを展開し、悪徳マルチ商法としてこれまでにもたびたび社会問題化してきたジャパンライフ社の創業者で元会長である山口隆祥氏を「桜を見る会」に招待したのは、安倍首相なのではないか、という疑惑だ》。

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
                   詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●《福島県での相談が最も多かった》…福島を食い物にする
             ゲス・ヒトデナシぶり、それに手を貸すアベ様ら
    「《「桜を見る会」…ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を
     宣伝チラシに載せ大々的にアピール…安倍首相もまた“広告塔”
     としての役割》を果たしていた訳です。その他、片棒を担いだ
     議員達は? アベ様も含めて、
     《ゲス・ヒトデナシな詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達》、
     彼ら自身もゲス・ヒトデナシ。《福島県での相談が最も多かった
     …福島を食い物に。」

   『●アベ様お得意の《政治の私物化》の極致…《「桜を見る会」…
            公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用》
    「アベ様の私的文化的?な《安倍総理のサクラになる会》(©小田嶋隆さん、
     https://twitter.com/tako_ashi/status/1178523901380317184)」
    「「桜を見る会」前夜祭という立派な政治資金パーティーについて、
     《政治資金規正法違反の疑い》だそうですよ。あぁ、でも
     《自民党の最近のルールは「返せば問題ない」と、なかったことに
     できるというもの》でしたねぇ。あれぇ~、もし「資料は破棄した
     といったことになると、「返し」ようもないですよね…」

   『●「桜を見る会」税金接待…《稲田氏や萩生田氏、世耕氏といった
          安倍首相の側近議員たちも…招待し、もてなしていた》
    「《各界において功績・功労のあった方々》…ジャパンライフの会長らに、
     一体どんな《功績・功労》があったのか、大変に興味深いものだ」

   『●「桜を見る会」税金による支持者接待および「前夜祭」
     政治資金パーティー…公職選挙法違反および政治資金規正法違反

 ジャパンライフの会長らに、一体どんな《功績・功労》? アベ様や自民党的には、コチラも《何か問題があるか!!》なの? さらに、共産党の田村智子さんは、それがアベ様の招待《枠》だったのではないかという指摘。さて、真相は如何に? 違うのであれば、違うことを証明すべきだし、いったい誰の《枠》なのかを明らかにすべき。もし、真実であるのならば、何万回かのアベ様の重大な責任。

 アベ様は、ジャパンライフの会長らのどこを《各界において功績・功労のあった方々》と見たのか? 
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/信頼されない首相を支える覚悟はあるか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201911260000062.html)によると、朝日新聞の投書が引用され、《★既に与党政治家や官僚がこの問いに正た面から答えるすべはない。明らかに本来の姿を歪曲(わいきょく)し選民意識の砦(とりで)にでもするかのように「桜を見る会」を変質させたことに「首相のご意向」とどこかで聞いたことのあるセリフが思い出される。「首相が言うのだから」と権力の威を借り官僚に詰め寄る官邸官僚や政治家、権力の威を借り私人と公人を使い分け奔放に振る舞う首相夫人。結果、首相・安倍晋三は権力を選民意識のツールとして使い、国民を敵と味方に分け、上級と下流を作った。そしてもう1人、官房長官・菅義偉に人事権という強大な権力を与え、官僚を言いなりにさせ、公文書やデータを改ざんさせて政権の体裁を整えてきたと言ったら言い過ぎか》。
 アベ様ご夫妻と最低の官房長官がニッポン浸蝕。

   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん
   『●《在職最長2886日》だってさ! メディアコントロール・
      超監視社会を含め負のレガシー山積という醜悪な長期独裁政権

 ケータリング会社がご夫妻のオトモダチ企業「JCコムサ」だったという件に関連して。そして、官邸ポリス
 リテラの記事【安倍友の「桜を見る会」ケータリング業者に官邸・内閣府が蓮舫の調査の動きを漏えい!「内閣から『蓮舫さんが調べてる』と連絡が」】(https://lite-ra.com/2019/11/post-5112.html)によると、《内閣府や内閣官房の職員と「『桜を見る会』に飲食物を提供する業務を担う会社」について2回打ち合わせし、資料を要求しただけなのに、なぜか当該企業のCEOから直接電話がかかってきた──。蓮舫議員は行政文書を出すよう要求はしたが、〈当事者に何か確認してほしいとの要請ももちろんしていません〉と述べている。つまり、どう考えても、蓮舫議員が「桜を見る会」のケータリング業務を担った企業について調べていることを、内閣府か内閣官房が企業側に情報を漏らした。そうとしか考えようがないのだ…「桜を見る会」のケータリングを独占してきた業者JCコムサ安倍首相のお友だち!》。

 アベ様は、ジャパンライフの会長らのどこら辺を《各界において功績・功労のあった方々》と見たのか? ぜひ、国会で説明してほしいものだ。



https://www.youtube.com/watch?v=-J3noHncsFw

 【【字幕】#桜を見る会 田村智子 首相らの招待枠は3,000人超だった!逃げた菅の虚偽答弁を追及 マルチ商法ジャパンライフの招待も首相枠だった! 2019年11月25日参議院行政監視委員会】(https://www.youtube.com/watch?v=-J3noHncsFw)、《2019年11月25日参議院行政監視委員会 田村智子議員(日本共産党) vs 岡田内閣官房副長官・大西内閣審議官・大塚大臣官房長》。
 適当にナンバーリングするわけがないよな…アベ様がジャパンライフをご招待していたのかどうか? アベ様は、疑惑に答える物証を出してよ。

   『●アベ様お得意の《政治の私物化》の極致…《「桜を見る会」…
            公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用》
   『●「桜を見る会」税金接待…《稲田氏や萩生田氏、世耕氏といった
           安倍首相の側近議員たちも…招待し、もてなしていた》
   『●「桜を見る会」税金による支持者接待および「前夜祭」
      政治資金パーティー…公職選挙法違反および政治資金規正法違反
    《飲食提供事業を独占し、契約価格が約1200万円も吊り上げられ
     てきたのは、安倍首相と深い関係をもつ「お友だち」企業》。
     すごいなぁ、アベ様ご夫妻」

   『●「中止」で幕引き、火消しを図る気、満々…アベ様は
     《ひいては集票が期待できる》ので「桜を見る会」と前夜祭を利活用
    《本音のコラム 「桜も赤くなる 斎藤美奈子…後援会員や支持者への
     感謝と慰労を示すことができ、ひいては集票が期待できる
     招待客の名誉欲や自尊心をくすぐり、ひいては集票が期待できる
     芸能人らとの記念撮影はPRになり、ひいては集票が期待できる
     税金の無駄遣い? いや公金による買収でしょ》

   『●《ひいては集票が期待できる》の3乗で《公金による買収》
       …《幕引きは許されない。疑惑解明の始まりにすぎない》
   『●金子勝さん「安倍さん関連は検察も警察も一切動かない」
     「まるで犯罪者集団。泥棒だらけ」「来年は泥棒しませ~ん」
   『●トドメのサクラ…《菅原一秀…河井克行…公職選挙法違反容疑
       
…萩生田光一…「身の丈…」…河野太郎…「私は雨男」…》

   『●《在職最長2886日》だってさ! メディアコントロール・
     超監視社会を含め負のレガシー山積という醜悪な長期独裁政権
   『●名門ホテルの誰か…見積書・明細書・領収書をリークして!
     アベ様に地獄に引きずり込まれ、トドメのサクラを刺される前に
   『●トドメのサクラ…「私人」にオトモダチ招待「枠」?
     《政府は「首相夫人は公人ではなく私人」とする答弁書を閣議決定》

=====================================================
https://lite-ra.com/2019/11/post-5111.html

ジャパンライフ山口会長を「桜を見る会」に招待したのは安倍首相か! 首相推薦枠1000人も大嘘、「総理、長官等で3400人」の証拠
2019.11.26 12:29

     (首相官邸HPより)

 「桜を見る会」問題で安倍首相をめぐる新たな疑惑が浮上した。それは、磁気ネックレスの預託商法などを展開し、悪徳マルチ商法としてこれまでにもたびたび社会問題化してきたジャパンライフ社の創業者で元会長である山口隆祥氏を「桜を見る会」に招待したのは、安倍首相なのではないか、という疑惑だ

 本サイトではたびたび言及してきたが、ジャパンライフは2000億円を超える負債を抱え、経営破綻。同社の被害弁護団連絡会によれば契約者は約7000人にもおよび、今年4月には債務超過の状態にあることを隠して顧客を勧誘した疑いがあるとして、警視庁など6都県警の合同捜査本部が特定商取引法違反(事実の不告知)容疑で山口元会長の自宅や関係先などを家宅捜索している。

 こうして約7000人もの被害者を生み出した要因として、本サイトが以前から指摘してきたのが、ジャパンライフと安倍政権の結びつきだ。実際、加藤勝信・厚労相や二階俊博自民党幹事長は宣伝チラシに登場し広告塔を務めていたことが判明しているが、その極めつきが「桜を見る会」だった

 というのも、2014年9月にジャパンライフは消費者庁から文書で行政指導を受けていたにもかかわらず、2015年4月におこなわれた「桜を見る会」に山口会長本人が招待されていたのだ。しかも、ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ大々的にアピール、勧誘や説明会で「招待状」を顧客に見せ、その関係を利用していたのである。

 総理主催の公的行事が悪徳マルチ商法として社会的問題になっていた会社の宣伝に使われていた──。これだけでも重大な問題だが、本題はここから。昨日25日におこなわれた参院行政監視委員会で、共産党・田村智子議員が、山口氏が招待されたのは「総理枠」なのではないか、と追及したのだ。

 内閣府は「桜を見る会」の招待状を招待者に送付する際、封筒に案内状やその他の書類を入れる作業を民間企業に委託しているというのだが、内閣府が作成した2015年のその作業指示書によると、「桜を見る会」の受付票にナンバリングされている「○○−××××」という2桁と4桁の数字のうち、先頭の2桁は「どういう属性かを番号で区分」したものだという。実際、2015年の仕様書には「招待区分の表」が載っているといい、それはこうした振り分けだというのだ。

「両院議長、各党代表、国会議員は10。最高裁などの長官や行政議会の幹部、知事などが20。与党推薦者は64、65。総理、長官等推薦者が60〜63」

 ここで、田村議員は重大な指摘をおこなう。

「この順番で考えれば、“60というのは総理が推薦している方の招待区分ではないのか」

 一方、ジャパンライフの山口会長が宣伝チラシに掲載していた「桜を見る会」の受付票にナンバリングされているのは、「60−2357」という数字なのだ。

 つまり、この田村議員の指摘が正しければ、安倍首相自ら「総理枠」として、特定商取引法違反で捜査されるようなマルチ商法の会長を招待していたことになるのである。

 この田村議員の追及に対し、岡田直樹官房副長官は「個人に関する情報」だと答弁を控えたが、これは今後、大きな争点のひとつになるのは間違いない。


■ナンバリングだけを見ると、安倍首相の推薦枠は今年5000人を超えていた可能性も……

 しかし、田村議員が投げかけた問題は、これだけではなかった。前述した2015年の仕様書の招待区分には、「前年実績」も記載されており、そこにはこう書かれているというのである。

「これを見ますと、『2014年の実績、与党2900人、総理、長官等は3400人』とあります。菅官房長官は総理からの推薦は約1000人、副総理、官房長官、官房副長官で約1000人、つまり総理、長官等で約2000人と答弁していますが、2014年の時点で3400人なんですよ。これより減ったということは、私はありえないと思うんですね」

「安倍晋三後援会が『桜を見る会』とセットでおこなっている前夜祭について、山口県の友田(有)県議のブログでは、2014年この懇親会に(参加したのは)約400人なんですよ。でも今年は安倍総理自身が800人規模だと認められたんですよ。『前夜祭』で倍なんですね、『前夜祭』で倍。なのに、『桜を見る会』で2014年よりも総理の枠の招待者、総理や長官等の招待者の枠が減る、私、これはおおよそ考えられないことで、総理(が招待した枠が)1000というのは過小な数字ではないかと思うんですが」

 つまり、20日の内閣委員会で菅官房長官が答弁で明らかにした、「総理・昭恵枠」が約1000人というのも大嘘で、実際の「総理・昭恵枠」はもっと数が膨大なのではないか、というのだ。

 しかも、だ。田村議員は「総理枠」を示すと思われる「60」という2桁の数字と4桁の数字のナンバリングについて、こうも追及した。

「(山口会長の受付票の)左の下に、60−2357と番号が振ってあります。これは、招待者ひとりひとりに対するものなのではないですか」

 たしかに、このナンバリングを見ると、上2桁と下4桁の番号がひとりひとりに割り振られている可能性がある。しかも、他の招待者がブログなどにアップしたナンバリングを見ると、「80−0119」などとあり、それぞれのカテゴリーごとの数字に見える。

 つまり、先頭の「60」が「総理枠」であることを示しているとしたら、2015年の「桜を見る会」に招待された山口会長の受付票に記された下4桁は「2357」だから、2015年の「総理枠」は少なくとも2357人以上はいたということになる。

 いや、それどころか、今年はそれ以上の数字も確認されている。選挙で安倍首相が遊説をおこなうとかなりの頻度で目撃されている熱烈な支持者であるM氏という人物がいるのだが、氏が菅官房長官や杉田水脈議員とのツーショット写真などとともにSNSにアップしていた今年の「桜を見る会」の受付票には「60-4908」とナンバリングされているのだ。

 「総理・昭恵枠」は約1000人どころか、5000人……。もちろん、ナンバリングの際に番号を飛ばしている可能性もゼロではないから、この数字がそのまま人数となるかどうか断定はできない。しかし、少なくとも、全体で招待者数が1万2800人だった2014年に「総理、長官等」の招待者数が「3400人」だったことは、内閣府の作成した仕様書で明らかになっている。2019年は、その全体の招待者数が1万5400人に増えているのだから、十分ありうる話だ。

 いずれにしても、政府は本当の数字、そして安倍首相が一体誰を招待していたのかをすべてあきらかにする必要がある。

(編集部)
=====================================================

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)

2019年11月26日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



石川智也記者による、アサヒコムのインタビュー記事【インタビュー/望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る】(https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04)。
レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』/望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る】(http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga)。

 《でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです》。
 《森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。…その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

 森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』が、先日、公開されました。

   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開



https://youtu.be/Y_UTOTWFVVI



https://youtu.be/_HafYKE2PvY?t=3



https://youtu.be/LAfwlVQH_jg

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。
 木下昌明さん、《一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

=====================================================
http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga

木下昌明の映画批評 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』

●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』
望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る

 森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。

 森監督は、オウム真理教の中に入りこみ、教団内外のもろもろをとらえた『A』(98年)や『A2』(01年)で知られた映画作家である。そのかれが『東京新聞』の望月衣塑子記者の取材活動に密着して、緊迫したドキュメタリーをつくった。彼女が官邸の記者会見で、菅官房長官のいいかげんな返答食い下がり、同じ質問をなんどもくり返したことは有名だ。森の映画も、この二人の対立を軸に展開している。

 望月と映画のプロデューサーである河村光庸案による『新聞記者』は、先ごろ大ヒットしたが、それは内閣情報調査室の実態を暴露したものだった。フィクション仕立てのこの映画は、大学の獣医学部新設は毒ガス製造などの軍事目的のためと訴えていた。

 今度の森の映画は、「新聞記者」の頭に「i」と付しているように、一人でも立ち向かうという望月衣塑子の気概(きがい)に光をあてている。

 彼女はトップシーンから沖縄に飛び、船で辺野古の土砂投入の現場にのりこんで、禁じられている赤土が山盛りになっている光景を撮り、翌日には、記者会見で菅官房長官にその不正を問いただす。それに菅はニベもない返答をして逃げる。

 この赤土問題をめぐる沖縄説明会で、沖縄防衛局調達部長はまともに対応できない。望月は部長に「あなたは現場の責任者でしょう?」と迫り、車で逃げるかれに「答えられないような恥ずかしいことをしないで下さい」と大声で怒鳴る。

 別の日、望月は宮古島に飛ぶ。そこで、弾薬庫と給油所が並置している自衛隊新基地の危険な状況を地元の人々から教えられ、早速、それを新聞の一面トップで暴いて、防衛大臣を謝罪に追い込む。

 権力に物怖じしない彼女のジャーナリスト精神に喝采を送りたくなる。また、ところかまわず社内外の人々と携帯を手にわたり合っている姿にもひかれた。

 その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる

※11月15日より新宿ピカデリー他で公開
=====================================================

=====================================================
https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04

インタビュー
望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る
2019.11.12

オウム問題、死刑制度、「3・11」に、ゴーストライター騒動……。時代時代の主題に迫りつつ、背後で進行する社会の「空気」の変化を見つめ、描いてきた映画監督・森達也さん。

この国のトップが歴代最長在任期間を更新しようとするなか、森監督が新たに被写体に選んだのは、東京新聞社会部の望月衣塑子記者。2017年夏から菅義偉・官房長官の会見に出席し始めて以来、妨害を受けながらも波状攻撃のように直球の質問を繰り出し、一躍時の人になったジャーナリストだ。

喝采を浴びる一方で激しい批判にもさらされてきたその望月記者に密着した『i -新聞記者ドキュメント-』が11月15日から全国で順次公開される。

森監督が、いま、メディアに携わる人間をあえて題材にした理由は何か。そこにはどんな問題意識があったのかを聞いた。


周囲の人間が普通ではなくなっている、という疑問

インタビューに現れた森監督は、自作のPR中というのに、ぼさぼさの髪に登山シャツ、すすけたジーンズという、いつもの出で立ちだった。そういえば、11月5日に六本木で開かれた東京国際映画祭のクロージングセレモニーに登壇した際も、パーカーにカーゴパンツ姿だった。

「僕は世の『空気』を描いてきたと言われますが、空気を読まない奴ともよく言われます。周りをあまり気にしない。胸を張ることでもないし、直したいんだけど。そういうところは、実は望月衣塑子さんとよく似ているんです。周囲から浮き、首相官邸の他の記者から色眼鏡で見られても、あの人は気にしない。もちろん、まっすぐでコケティッシュな部分もある彼女とは、性格はまったく似ていないですけどね」

確かに仏頂面で愛想がない。サービス精神もない。だが決して偏屈ではない。質問には一呼吸置き、じっくり悩んで答える。

「オウム内部から『A』を撮ったとき、色んな同業者から『なんでお前だけ撮影が許されたんだ?』と言われましたが、僕は普通の手順通り、広報に手紙を書いて取材申請をして、信者に『なぜオウムに入ったんですか』『なぜ脱会しないんですか』と疑問をぶつけただけ。当たり前のことを当たり前にやっただけです。でも周りはそういう手順を踏んでいなかった。普通のことをやっているだけだと思っていたけど、僕だけが浮いてしまった」

「望月さんの場合も、同じことが起きている。彼女も記者として当たり前のことをやっているだけだと僕は思う。それなのに彼女だけが目立って浮き上がってしまっている。それはなぜなのか、逆に周囲にいる人たちの方が普通ではなくなっているのではないか……。そんな疑問からこの映画は出発しています」

『i』は、望月記者の著書を原案にして今年ヒットした映画『新聞記者』河村光庸プロデューサーが企画・製作した。映画『新聞記者』は序章に過ぎなかった――とのキャッチコピーどおり、前作同様、昨今のメディア状況への危機感が強い動機となったという。

作中、辺野古問題森友・加計問題の関係者たちを「どうして答えられないんですかっ!」と追いかけ、官房長官に「回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています」と食い下がる望月記者の姿は、強い印象を残す。一方、望月記者の質問中に官邸報道室長が執拗に繰り返す「質問は簡潔に」という横やりに反応せず、ひたすらPCのキーボードをたたく内閣記者会の記者たちの姿も映し出される。

官邸は昨年末、望月記者の「度重なる問題行為」についての「問題意識の共有」を内閣記者会に求めたが、この極めて異例の文書が記者室の掲示板に貼られたまま放置されているシーンは、象徴的だ。

「でも、官邸の記者を糾弾する意図はありません。善悪の図式に押し込めるつもりもない。望月さんも別に記者として100点満点ではないし、質問も長い。他の記者からしたら『迷惑だ』『あんなのパフォーマンスだ』という理屈も分からなくはない。僕が撮りたかったのは、記者としてのスキルというより、記者としての内実や姿勢と言えばいいのかな……。集団に埋没し同調圧力に負けるのではなく、『個』として声を発するのがジャーナリストの大事な部分なんじゃないか、ということです」


自粛の連鎖と二項対立のワナにはまっていないか

過去の作品『A』 『A2』 『FAKE』では、オウムや佐村河内守の深部に入り込んだ森監督のカメラは、教団や「ニセ天才作曲家」の異様さよりも、むしろ取り囲むメディアや住民の暴力性を映し出してきた。結果として世の多数派とは異なる視点を提示するその表現スタイルは、強い批判も受けてきた。

「オウム事件を機に日本社会は変質した、というのが僕の意見です。事件後に続いた信者に対する別件逮捕や微罪逮捕の後遺症はいまだに社会をむしばんでいる体感治安の悪化防犯カメラが増殖し、危機意識からか人々の『群れ化』が進み、結果として異物を排除する空気が醸成されました。正義と悪、敵と味方、右と左、被害と加害。単純な二元思考で物事を切る傾向や風潮も、この20年でどんどん広がっています」

「そういう集団化の流れへの違和感が、作品を撮るにあたっての動機というか手がかりになってきたのは事実です。それが多くの人にとって不愉快だというのも、よく分かります」

『i』の編集作業中も、「あいちトリエンナーレ」の問題や「KAWASAKIしんゆり映画祭」での上映中止問題が起きた。どちらも、特定の立場から激しく批判された作品をめぐってのことだった。

「抗議や脅迫など直接の攻撃もありましたが、いま文化やメディアの世界で起きているのは、露骨な圧力というより、むしろ自粛や萎縮の連鎖だと思います。論争があるのが当たり前なのに、それを極度に恐れ、攻撃されることにおびえている

「『新聞記者』にしても『i』にしても、内容よりも、この題材を作品化したこと自体が『挑戦』と評価される。これはきわめて不健全な状況です。政権に厳しい問いを投げている彼女を取り上げること自体が、メディアのなかで一種のタブー化している証拠です」


同調圧力から解放されること

森監督がこれまで撮ってきたのは、オウム真理教(当時)の広報担当・荒木浩や佐村河内守など、悩みや葛藤、揺れを抱えた人物ばかりだった。今回の望月記者の裏表のない、迷いの見えない姿勢は、従来の作品の主人公たちとはかなり異なる。それだけいまの時代への危機感と切迫感があったということか。

「確かに、僕のこれまでの流儀には、望月さんは合致しない。彼女はしっかり目標を持って突き進む人ですが、僕は葛藤とか煩悶(はんもん)、懊悩(おうのう)を撮るのが好きだからね。そこは結構苦しみましたし、悩みました」

「でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです」

森監督はそれを自ら詳しく解説することはしないが、先述のとおり、今作のテーマが社会に広がる同調圧力や忖度のあり様であり、メディアがそれに抵抗できていないどころか埋没しているのではないかという問題提起にあることは明らかだ。

メディアの力が弱くなっているチェック機能が働かなくなっている、と言われて久しい。一昔前だったら森友問題も加計問題も、それだけで『アウト』ですよね。政権も、ここまで露骨なウソやはぐらかしはしなかった。追及力が弱くなっているのは確かだと思います」

「でも、メディアは社会と政治の合わせ鏡です。社会と政治が素晴らしいのにメディアだけがどうしようもないということはない。メディアが地盤沈下しているとしたら、社会全体がそれを許していると考えるしかない

「まさにニワトリと卵ですが、社会が何かに気付いて動くためには、メディアも覚醒しなければならない。そのためには、個々の記者が自主規制や思考停止、同調圧力から解放されなければならないはずです」

東京国際映画祭での作品上映後、記者からの質問タイムで際立ったのは、「あなたはどう思いますか?」という森監督の逆質問。答えに詰まる記者の言葉をゆっくり待ったうえで、「それが正解です。映画は見た瞬間に皆さんのもの。色んなことを考えてもらえばいい。僕も皆さんの意見を受けて発見していきたい」と返した。

タイトルには、衣塑子(i)のように主語(i)を出そう、というメッセージが込められているようだが、むろん森監督は絶対に自ら解題しない。

「虎の尾を踏むかのような題材を扱うのは、ある意味で僕の抵抗です。スタイリッシュな世界観やオトナの趣味を紹介する『&M』の世界にはそぐわないかもしれない。でも、メディア=媒体は、文字どおり社会や政治と人をつなげるものです。政治のことや社会問題なんて自分には関係ない、と思っている人がいま見ているスマホやPCも、キャンプや車といった趣味の世界も、ぜんぶ政治や社会が反映されている。無関係と思っているうちに巻き込まれている。メディアはそれを人々に気付かせる役割があるはずです

「言っている意味がよく分からない、と思ったら、ぜひこの映画を見て下さい」

最後に少しだけニヤリと笑った。

(文・石川智也 写真・林 紗記)


プロフィール

〈もり・たつや〉1956年、広島県生まれ。テレビ番組制作会社を独立後の98年、オウム真理教を取り上げたドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年には続編『A2』も公開し、賛否両論を巻き起こした。16年には作曲家・佐村河内守に密着した『FAKE』を発表。著書に『下山事件(シモヤマ・ケース)』 『死刑』 『A3』など。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』

企画・製作・エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸
監督:森達也 出演:望月衣塑子
2019年/日本映画 制作・配給:スターサンズ
11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(c)2019『i -新聞記者ドキュメント-』
http://i-shimbunkisha.jp/
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●アベ様お得意の《政治の私物化》の極致…《「桜を見る会」…公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用》

2019年10月18日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



リテラの記事【安倍首相が「桜を見る会」で税金使って地元後援者を大量招待! 公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用】(https://lite-ra.com/2019/10/post-5020.html)。

 《森友・加計学園問題で露呈した安倍首相による「政治の私物化」だが、またしても信じがたい事実が発覚した。毎年おこなわれている首相主催の「桜を見る会」で、安倍事務所が地元・山口から後援会員を大量に招待し、“おもてなしツアーとして利用していたことがわかったからだ》。

 いろいろな意味で酷過ぎる。《「桜を見る会」…ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ大々的にアピール》…もう止めたら?
 《首相主催の「桜を見る会」の来年度予算が今年度の3倍になることに批判が集まっている。安倍首相のシンパ囲い込みのための数時間の花見に、5700万円もの血税が使われるのだ。ニンジンの皮まで食べて消費増税に備えている納税者が怒るのも無理もない》。《愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で中止となった企画展「表現の不自由展・その後」》へ《文化庁の補助金7800万円全額》不交付の一方で、アベ様の私的文化的?な《安倍総理のサクラになる会》(©小田嶋隆さん、https://twitter.com/tako_ashi/status/1178523901380317184)には《予算3倍…5700万円もの血税》が飲み代・私的接待へとドブガネ。そんなことばかりにドブガネせずに、災害対応や防災に少しでも回したら? こうやってサクラがどんどんと再生産される社会なんてまっぴらだ。

   『●災害の度にこれほど批判される政権も珍しい…《台風…が
      列島を直撃して被害が次々と発生…“のんびり休養”状態》

 言っちゃぁ悪いが、のこのこ出かける人たちの気が知れないね。《百田尚樹有本香ケント・ギルバート竹田恒泰上念司などといったネトウヨ安倍応援団》に羞恥心を求めてもしょうがないが、その他の皆さんの御心や如何に?
 成田三樹夫さん、《権力にへたへたする役者じゃ意味がない。…バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》。《どんどん図にの》っている馬さんや鹿さんは、どうやら《役者》や芸能人だけでなく、《安倍首相のシンパ囲い込みのための数時間の花見》という私的行事に血税がドブガネされても《怒る》ことのない方々も含まれそうだ。

   『●争点は「壊憲」: 大橋巨泉さん「最後の遺言」…
         日本を『戦争ができる国』に変えてはいけない
   『●「政治家にしてはいけないレベルの人材をチヤホヤして
        勘違いさせ、党を挙げて見抜けない「節穴責任」」
   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●《福島県での相談が最も多かった》…福島を食い物にする
          ゲス・ヒトデナシぶり、それに手を貸すアベ様ら
    「《「桜を見る会」…ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を
     宣伝チラシに載せ大々的にアピール…安倍首相もまた“広告塔
     としての役割》を果たしていた訳です。その他、片棒を担いだ
     議員達は? アベ様も含めて、
     《ゲス・ヒトデナシな詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達》、
     彼ら自身もゲス・ヒトデナシ。《福島県での相談が最も多かった
     …福島を食い物に。」

   『●《恥を知》らない《日本新悲劇の座長》(星田英利さん)な
          裸のアベ様…予算委員会のための時間が無いらしい
   『●映画『新聞記者』…《現在進行形の政治事件をモデル…。
     官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮》
   『●醜悪な、《なぜ安倍首相に心酔する》ファナティックな女性記者
       (広報屋)や政治屋が…? 一方、〝忖度〟しない者には…
   『●萩生田光一文科相《テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を
     中止させた勢力に加担する行為…表現の自由を圧殺する暴挙》

 「桜を見る会」前夜祭という立派な政治資金パーティーについて、《政治資金規正法違反の疑い》だそうですよ。あぁ、でも《自民党の最近のルールは「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》でしたねぇ。あれぇ~、もし「資料は破棄した」といったことになると、「返し」ようもないですよね…。

   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
      「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》

=====================================================
https://lite-ra.com/2019/10/post-5020.html

安倍首相が「桜を見る会」で税金使って地元後援者を大量招待! 公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用
2019.10.11 10:53

     (2019年の「桜を見る会」(首相官邸HPより))

 森友・加計学園問題で露呈した安倍首相による「政治の私物化」だが、またしても信じがたい事実が発覚した。毎年おこなわれている首相主催の「桜を見る会」で、安倍事務所が地元・山口から後援会員を大量に招待し、“おもてなしツアーとして利用していたことがわかったからだ。

 そもそも、「桜を見る会」というのは各界の功労者を総理大臣がねぎらうイベントだが、第二次安倍政権下では安倍首相の私物化が目に余るとして問題になってきた。たとえば、毎年のように多くの芸能人やアスリートらが招待され、そうした人気者たちと仲よさげに写真におさまることで安倍首相は自分のPRの場として活用してきたが、今年4月に開かれた会では、なんとあのネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)の出演陣である百田尚樹有本香ケント・ギルバート竹田恒泰上念司などといったネトウヨ安倍応援団をこぞって招待したのだった。

 しかも、問題はその「おもてなし」の費用だ。会の予算額は、2014年度以降は約1767万円で固定されていたのだが、同年度の支出は予算を大きく上回る3005万円に。支出は年々増えていき、今年2019年度は5519万円にものぼった

 なぜ予算を3倍も超えるほどの金がかかっているのか。その原因のひとつと考えられているのが、第二次安倍政権下での招待客の増加だ。招待者の人数の目安は1万人とされているのに対し、今年招待された人は1万5400人、参加者は1万8200人にもなっている。

 しかし、「どうして招待客が増えたのか」という国会での追及に対して、政府は「各府省庁からの意見を踏まえ幅広く招待」と述べるばかり。「どこの省が増えたのか」と訊いても、「資料は破棄した」の一点張りだった。

 ところが、ここにきて、冒頭でもふれたように、「桜を見る会」が安倍首相の支持者のためのおもてなしツアーにも使われていたことがわかったのだ。

 この問題をスクープしたのは、「しんぶん赤旗日曜版」10月13日号。その記事では、安倍首相の地元・山口の後援会関係者や後援会員らが、こんな証言をおこなっているのだ。

「桜を見る会には毎年参加している。地元の後援会員が数百人規模で上京し、みんなで首相と記念写真をとっている。安倍事務所の恒例行事だよ」
「下関の安倍事務所から参加確認があり、希望すれば、内閣府から招待状が送られてくる」

 つまり、本来は「各界の功労者をねぎらう」会であるはずなのに、安倍首相はそこに自分の支持者を大量に招待していたというのである。

 証言者によると、「旅費は自分持ち」だと言うが、飛行機や宿泊先のホテル、貸し切りバスなどはすべて安倍事務所が手配しかも、都内観光もセットになっているほか、「桜を見る会」では安倍首相との写真撮影にくわえ、芸能人やスポーツ選手に会え、無料で飲み食いでき、お土産までついてくる。その上、「桜を見る会」の一般招待客は手荷物検査を受けるが、後援会員の場合はそれもなく、「バスの駐車場がある“裏口”から入るのが恒例」だという。まさに至れり尽くせりの接待ツアーではないか。


■安倍首相後援会の「桜を見る会」ツアー参加人数は数百人規模!「昭恵氏」枠まで

 さらに驚かされるのが、その参加人数だ。この「桜を見る会」ツアーに参加した山口県在住の女性はこう話している。

「集合場所のホテルニューオータニから大型バスで会場の新宿御苑に行きました。私が乗ったのは十数台目。号車や時間は安倍事務所の指定でした。バスは17台と聞きました」

 単純計算で、もしこのバスが定員40人として満員だった場合、参加者人数は680人にものぼることになるのだ。

 しかも、記事ではこうした安倍首相の地元後援会だけでなく、“「昭恵」枠”も存在するのではないかと示唆。というのも、昭恵氏が名誉会会長を務めたスキーイベントの実行委員や、昭恵氏の農業仲間、昭恵氏と日本酒をつくる女性のグループなどが「桜を見る会」に招待されているからだ。実際、ある男性は、とあるイベントで昭恵氏と名刺交換して以降、「会の招待状が届くようになった」と言い、「僕は政治家の知り合いがいないし、自民党支持者でもない。“昭恵夫人枠”としか考えられない」と証言している。

 ようするに、安倍首相は「各界の功労者」をねぎらうための公的イベントに、数百人規模にもなる自分の後援会員や、自分の妻のお友だちたちを招待し税金で手厚くもてなしているというのである。

 これらの事実だけでも、いかに安倍首相と昭恵氏によってこの国が食い物にされているかがよくわかるが、「しんぶん赤旗日曜版」の記事では、さらに重大な問題が取り上げられている。

 じつは、「桜を見る会」の前日の夜には、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」なる催しが開催されており、ここに安倍首相も参加している。現に、今年は「桜を見る会」は4月13日におこなわれたが、前日12日の首相動静を確認すると、〈午後6時33分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ着。同ホテル内の宴会場「鶴の間」で昭恵夫人とともに安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭に出席〉とある。


■「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に政治資金規正法違反の疑いも!

 そして、この「前夜祭」参加者によると、会は立食式のパーティで、安倍首相や昭恵氏と記念写真をおこなったり、歌手が登場するなどの盛大なものであるらしい。実際、今年、出演した歌手はブログで〈シャンソン、ラテンに交えてオリジナル新曲も歌わせていただきました〉〈1000人程のお客様〉〈ハードスケジュールの中お一人おひとりに笑顔で丁寧に握手をされる安倍首相と昭恵夫人のお姿に感動致しました〉と、安倍首相と昭恵氏とのスリーショット写真付きで報告している。

 だが、問題なのは、この「前夜祭」では複数の参加者が「5000円の会費を払った」と証言していることだ。政治資金規正法では「対価を徴収して行われる催物」は政治資金パーティーと規定されており、その収入や経費などは収支報告書に記載しなければならない。だが、〈安倍首相が代表の政党支部や関係する政治団体の収支報告書には、前夜祭の収支の記載がありません〉というのである。つまり、政治資金規正法違反の疑いがあるのだ。

 「桜を見る会」という公的イベントを私物化し、税金を使って自分や妻の支持者やお友だちを接待する一方、「桜を見る会」を利用するかたちで開催した政治資金パーティーには違法の疑いまで──。まったく腐りきっているとしか言いようがない。

 しかも、信じられないことに、2020年度予算の概算要求では、内閣府は安倍首相が私物化するこの「桜を見る会」の関連経費として、本年2019年度の3倍を超える5729万円を計上。前述したように、これまで会の予算額が1767万円なのに対し2019年度は5519万円もかかったが、それが問題になったことで無駄遣いを見直すのではなく、逆に予算額を増やしてきたのだ。完全に国民を舐めているとしか思えない態度ではないか。

 国民が汗水垂らしておさめた税金が、安倍首相の応援団や後援会員、昭恵氏のお友だちたちを接待するために浪費されてゆく……。はっきり言って、そんな「桜を見る会」など廃止するべきだが、そのためにも、この安倍首相の公的イベントの私物化、税金の無駄遣いについて徹底的した追及がおこなわれることに期待したい。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》

2019年09月19日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊ゲンダイの書評【本の森/「記者と国家」西山太吉著】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/261476)。
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/「差別」を「愛国心」と取り違えたとき人間の本質が変わる】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261600)。

 《機能不全に陥っている日本のジャーナリズムに対する深い憂慮の念に満ちたこの「遺言」を、現役ジャーナリストがどう受け止めるかが問われている》。
 《誰も彼もが口を開けば韓国人への悪罵を吐いている。テレビには女性旅行者への暴行を勧める老“教授”や、同席した韓国人女性を「おまえ」呼ばわりし、「黙っとけ、この野郎」と怒鳴りつける前県知事まで登場。それでも平然と番組を進行させた司会者、批判を黙殺する放送局……》。

   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を
      守るには報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
   『●政権広報「アベ様のNHK」への切っ掛け…アベ様や
       中川昭一氏に「勘ぐれ、お前」と忖度を強要されて…
    《綿井健陽さん…「報道やジャーナリズムに携わる者が、
     「言論・報道の自由」という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、
     それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。
     たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの
     安倍晋三や故中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞
     西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、
     最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と
     文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは
     「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での
     〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった》

 「政治判断の一例として思い出されるのは、西山太吉さんの「沖縄密約事件」。森友、加計、決裁文書改竄、イラク・南ザイール自衛隊PKO日報隠蔽問題…問題山積なアベ様。司法は機能するだろうか? 《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》」。
 最「低」裁を頂点とした司法の機能不全。そして、《機能不全に陥っている日本のジャーナリズムに対する深い憂慮の念に満ちた》、西山太吉さんの《この「遺言」を、現役ジャーナリストがどう受け止めるかが問われている》。

 《安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか》? それに便乗するマスコミやテレビは韓国「差別」・ヘイトに夢中、つぎは、下らない内閣改造・自民党役員人事でバカ騒ぎ、でも、過去の犯罪(アベ様からして滅茶苦茶)や“お友だち=極右”についてはほとんど触れない。しかも、千葉県を中心とした甚大な台風被害では、またしても、〝赤坂自民亭〟的失敗を繰り返す。

 斎藤貴男さんのコラムの〆の言葉…《百も承知で屋上屋を重ねたのは、本気で怒り狂っている人間がここにもいるのだと、少しでも広く知らしめたい、警鐘を乱打したいがゆえである》。

   『●青木理さん《ちょっと冷静になって、
     ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、
     国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》
   『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
       その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》
   『●《安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか》
          …《政府が仕掛けた日韓問題は日本の文化に影響》…
   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開
   『●《人材の宝庫》…《安倍政権史上、過去最高の
     “お友だち=極右”内閣…背筋が凍るような極右議員が勢揃い》(リテラ)
   『●《韓国の法相人事にはあれだけ国民挙げて賛否を言うのに、
       自国の閣僚人事には論評しないメディアと国民も不思議》

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/261476

本の森
「記者と国家」西山太吉
2019/09/07 06:00

 立法・行政・司法の3つの権力に並び、マスメディア、ジャーナリズムは第4の権力といわれてきた。しかし、現況の新聞・テレビの報道ぶりを見ると、他の3つの権力と相対峙するのではなく核心に迫るのを避けているかのような及び腰の感を免れず第4の権力という言葉自体が死語と化しつつある。

 こうした姿勢に危機感を持つ人も少なからずいる。1972年、沖縄返還を巡る密約取材において、国家公務員法違反容疑で逮捕された元毎日新聞記者の著者も、そのひとりだ。

 いわゆる外務省機密漏洩事件西山事件)は、スキャンダラスな取り上げ方をされたために事の本質が見えなくなってしまったが、沖縄の米軍用地の原状回復費用400万ドルを日本側が負担するという密約は、現在の辺野古問題にも直結している。辺野古への移転が沖縄海兵隊のグアムへの移駐とセットになっており、このワンパッケージ方式は沖縄返還交渉の際にも示された米国のやり方と同じだと著者は言う。しかも、そのグアム移駐にかかる費用のうち、日本側が負担するのは数千億円に達するとされている。これに、78年から今日まですでに7兆円にも及ぶ「思いやり予算」を加えると、トランプ大統領が更なる駐留経費の増額を求めていることの問題も浮かび上がってくる。

 ところが、これらの問題を日本のジャーナリズムはほとんど報じない。加えて、かつての著者の盟友で読売グループの総帥の渡辺恒雄が安倍内閣の情報保全諮問会議の座長になり、マスコミの手足を縛る特定秘密保護法にジャーナリズムが自ら手を貸してしまった

 機能不全に陥っている日本のジャーナリズムに対する深い憂慮の念に満ちたこの「遺言」を、現役ジャーナリストがどう受け止めるかが問われている。 <狸>

(岩波書店 1600円+税)
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261600

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
「差別」を「愛国心」と取り違えたとき人間の本質が変わる
2019/09/11 06:00

     (官民一体オールジャパン体制で…
      (安倍首相と韓国の文在寅大統領)/(C)共同通信社)

 誰も彼もが口を開けば韓国人への悪罵を吐いている。テレビには女性旅行者への暴行を勧める老“教授”や、同席した韓国人女性を「おまえ」呼ばわりし、「黙っとけ、この野郎」と怒鳴りつける前県知事まで登場。それでも平然と番組を進行させた司会者、批判を黙殺する放送局……。

 もはや当事者らの氏名、局名を挙げることさえおぞましい。一応は謝罪に追い込まれた週刊誌は、翌週号のトップも韓国叩きで埋めた。ジャーナリストの金平茂紀氏によれば、あるワイドショーのデスクは、定例会議で今はさあ、とにかく韓国をたたこうと言い放ったとか(毎日新聞7日付夕刊)。

 もうやめてくれ日本人であること自体が卑しく、浅ましく、まがまがしいことのように思い込まされる日々を、いつまで続けろというのか。安倍晋三政権の思惑がどうであろうと、日本はまだ戦争を始めてはいないのだ。

 ……と書けば、どうせ「反日は出て行け」「おまえなんか日本人じゃない」式の嘲笑が返ってくるのだろう。勝手にするがいい

 目下の状況が異常でないというなら私たちとは一体なんだ差別の化身か差別を愛国心だのナショナリズムだのと取り違えたとき人間は人間たる資格を失う。それを、あろうことか官民一体のオールジャパン体制で展開してのけるとは。

 米国の属州であることを与件としつつ、新しい帝国主義を追求してやまない国にあって、命も人生も何もかもを軽んじられている私たちの心の奥底には、呪いのような激情が煮えたぎっているのは確かだ。ならば元凶どもを倒せばよいものを、そこは忖度優先、長い物には巻かれるべしの習い性。とりあえず直接の反撃はされにくそうな相手にぶつけて己の安定を図る、下劣きわまるバカの一つ覚えではあるのだが。

 トランプ政権と接近しているらしい北朝鮮は、できれば避けて通りたい。強大になりすぎた中国は怖いしで、近代化を通して白人コンプレックスを差別で埋める対象とした近隣諸国の中でも、やはり韓国が最も手近で都合がよい、というだけの話。

 権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、国民も珍しい。すでに一線を越えた感のある事態を、一刻も早く立て直さなければ、本当に危険なのである。

 本紙の韓国叩きに対する批判には定評がある。百も承知で屋上屋を重ねたのは、本気で怒り狂っている人間がここにもいるのだと、少しでも広く知らしめたい、警鐘を乱打したいがゆえである。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「辺野古とカネ」…「辺野古が唯一」「辺野古ありき」とばかりに辺野古破壊に集り、《政官業の癒着ぶり》が醜悪

2019年09月11日 00時00分38秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



中沢誠記者による、東京新聞の記事【「辺野古ありき」また 沖縄膨らむ不信 大地震想定せず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090502000131.html)。
東京新聞の記事【新たな運用期限示せず 普天間飛行場移設で政府】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090502000130.html)。

 《沖縄・辺野古の米軍新基地建設を巡り、「建設ありき」をうかがわせる新たな問題が持ち上がった。国内の主要空港のような大震災を想定した耐震性能を検討しなかった。これまで政府は「沖縄に寄り添う」と言いながら、民意に耳を傾けず工事を強行。基地建設を左右する軟弱地盤の存在が明るみに出ても、都合の悪い情報を伏せてきた》。
 《政府と沖縄県、宜野湾市は四日、米軍普天間飛行場(同市)に関する「負担軽減推進会議」の作業部会を県庁で開いた。二〇一四年二月を起点に五年以内とされた運用停止の期限経過したことを受け、地元側が新たな期限の設定を求めたのに対し、政府側は難しいとの見解を表明した。移設作業が難航している現状が浮き彫りになった》。

 余談ですが、2番目の記事に出てくる杉田和博官房副長官は公安出身、元警察エリート官僚。アベ様や最低の官房長官らの体質を体現するような人。沖縄の皆さんに向けて、《杉田氏は「できることは何でもやる」》というのは、「できない」と言えば「何もやらなくてよい」という意味だし、「できない」=「やる気はない」だ。

   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
         翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    《辺野古での基地反対運動に対して、2015年11月には東京・警視庁の
     機動隊約150名を投入し反対する人々を強制排除したが、この裏には
     官邸の暗躍があった。元警察エリート官僚である杉田和博官房副長官が、
     子飼いの警視庁トップ・高橋清孝警視総監に直接依頼して
     機動隊を投入したとみられているのだ。》

   『●映画『新聞記者』…《内閣情報調査室の暗躍》
      《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》
    《さらに、映画には、前述したように、前川喜平元文科事務次官の
     “出会い系バー通いリーク問題を下敷きにしたと思われる事案も
     登場する。本サイトでは繰り返しお伝えしてきたが、前川氏の
     “出会い系バー通い”の情報は、もとは公安出身の杉田和博官房副長官や
     内調が調査して掴んだものだったという。それを使って加計学園問題の
     「総理のご意向」にかんする前川氏の告発の動きを封じ込めるために、
     読売新聞にリークした
のだ》

 「辺野古とカネ」…辺野古が唯一」「辺野古ありきとばかりに辺野古破壊に集り、《政官業の癒着ぶり》が醜悪過ぎる。

 一体何が、辺野古破壊が唯一の選択肢なのか? 
 N値ゼロ費用・工期は∞。そりゃぁ、費用や工期は計算不能でしょうよ。おまけに、地震時の加重や耐震性を考慮していないなんて、杜撰極まる。

   『●新海聡氏《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は
     出さないという辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》
    《辺野古の工事では、政府はこれまでも重要な事実やデータを隠し
     続けてきた。海底にマヨネーズ状の軟弱地盤が存在することに
     気づいていながら、公に認めたのは昨年十二月に埋め立て工事を
     強行した後の今年一月のことだった

 「マヨネーズ」をいくら改良しても…耐震性なんて出せるわけがない。
 東京新聞の記事【辺野古地盤工事、大地震想定せず 識者「強行するためハードル下げた」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090502000150.html)によると、《「地盤改良により施工は可能」と結論づけた防衛省の報告書で、大規模地震を想定した耐震性能を検討していなかった…過去の教訓から、国内の主要な十三空港は大地震に備えた耐震化をしている。辺野古沖では活断層の存在も取り沙汰され、専門家は「工事を強行するためあえてハードルを下げたようにしか思えない」と指摘》。

 辺野古破壊が唯一というデマ。そのうえ、お得意の閣議決定までしておきながら普天間はまだ危険性を振りまき続けている。
 《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を「19年2月」とすることを確認》、閣議決定までしていた。息吐く様にウソをつくアベ様らしいやり口。アベ様御得意の閣議決定までした《米軍普天間飛行場の運用停止2019年2月までの実現》は、いま、一体どうなっているのか? 期限はとっくに過ぎている。14年からのその5年間、アベ様は米政府とどんな話し合いをしてきたのか? 是非、公開してほしい。新たな《期限》を設けたって、どうせ守りゃぁしないんだから無駄。アベ様や最低の官房長官らは、いまも美ら海に土砂をぶちまけ続けている。このままでは、辺野古は破壊「損」。「辺野古破壊《移設方針は揺るがないとの政府の姿勢》…アベ様や最低の官房長官らの無為無策・無能ぶりの表れ」。

   『●辺野古破壊: 「いい正月になる」なんて、
        仲井真氏もアベ様らも猿芝居をしていたんじゃないのか?

     「琉球新報の社説【<社説>普天間5年内停止 実現の困難さは明らかだ】…
      沖縄タイムスの社説【社説[5年内停止「空想」]辺野古を見直す時期だ】…。
      「「5年以内」がまやかしに過ぎないことは、もう誰の目にも明らかであろう
      …米側が「空想のような見通しだ」と反対…仲井真弘多知事が
      承認する際、政府に実現を強く求めた基地負担軽減策の柱…
      だが米側は昨年末から一貫して5年以内の実現性を否定」」

   『●今の辺野古破壊の基本構図: 
       「今は米国と日本の政府が向こう岸にいて、沖縄に対峙している」
   『●普天間移転「空想のような見通し」の結論…
      《いい正月になる》仲井真弘多氏もアベ様らも猿芝居をしていた
    《まともに対米交渉をしたこともないのに、実現できないのは
     辺野古新基地建設に反対している知事のせいだと責任を転嫁する。
     政府自らの責任を棚に上げるもので、とうてい容認できない》

   『●破壊「損」な美ら海への土砂投入…「2019年2月までの 
             米軍普天間飛行場の運用停止」をやってみせよ!
   『●《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を
           「19年2月」とすることを確認》、閣議決定まで…
   『●松川正則宜野湾市長殿、普天間運用停止の
        新たな《期限》を設けたって無駄です…無惨な破壊「損」の辺野古
   『●島尻安伊子氏は辺野古破壊への「進む方向は
       間違っていなかった」…一層重い「新基地反対」の民意が表明
   『●自公お維は辺野古破壊賛成を明示して戦った…
       最低の官房長官はなぜ、「選挙は結果が全てだ」と言わない?
   『●普天間返還…《県民の合意のない県内移設に固執し、
     住民を危険にさらしている日米両政府の責任は重い》
    「《こうした事態に米海兵隊は2019年航空計画に、普天間飛行場を
     28米会計年度(27年10月~28年9月)まで使用し続ける計画を
     盛り込んだ。飛行場の改修も記載し、この先も宜野湾に居座り
     続けようとしている盗っ人たけだけしいとはこのことだ
     …沖縄の市民ではなく、その《猛々し》き《盗人》を支持し、
     媚び売るアベ様達って、一体何者?」

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090502000131.html

「辺野古ありき」また 沖縄膨らむ不信 大地震想定せず
2019年9月5日 朝刊

 沖縄・辺野古(へのこ)の米軍新基地建設を巡り、「建設ありき」をうかがわせる新たな問題が持ち上がった。国内の主要空港のような大震災を想定した耐震性能を検討しなかった。これまで政府は「沖縄に寄り添う」と言いながら、民意に耳を傾けず工事を強行。基地建設を左右する軟弱地盤の存在が明るみに出ても、都合の悪い情報を伏せてきた。(中沢誠

 政府が埋め立て予定海域に広がる軟弱地盤の存在を認めたのは、今年一月末のことだった。しかし、その一年近くも前から、基地建設に反対する沖縄平和市民連絡会北上田毅(つよし)さんが、防衛省沖縄防衛局に開示請求した文書を基に軟弱地盤の存在を指摘していた。

 防衛省は二〇一六年三月の時点で、受注業者から軟弱地盤の可能性の報告を受けていた。計画を大きく見直すような事態にもかかわらず、防衛省は埋め立て工事を承認した県にも軟弱地盤の事実を伏せてきた。

 政府は、一日も早く米軍普天間飛行場の危険性を取り除くため、辺野古移設を「唯一の選択肢」と繰り返してきた。本当に「唯一」なのか、県民には政府への不信感がくすぶる。

 そもそも巨額の税金を投じる公共事業において、防衛省は、いまだにいくらかかるのかさえ明らかにしていない。防衛省の委託で地盤改良を検討した建設コンサルタントの報告書も、防衛省が今年三月に公表すると、国会で野党から「施工可能」とした政府の判断に異論が相次いだ。

 報告書を作成したコンサルタント七社のうち三社には、昨年度までの十年間に計七人の防衛省OBが天下り。また、一七年の衆院選期間中、辺野古工事の施工業者が沖縄県内の自民党候補の政党支部に献金公職選挙法に抵触する恐れを指摘されて返還するなど、政官業の癒着ぶりも明らかになっている。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019090502000130.html

新たな運用期限示せず 普天間飛行場移設で政府
2019年9月5日 朝刊

 政府と沖縄県、宜野湾市は四日、米軍普天間飛行場(同市)に関する「負担軽減推進会議」の作業部会を県庁で開いた。二〇一四年二月を起点に五年以内とされた運用停止の期限経過したことを受け、地元側が新たな期限の設定を求めたのに対し、政府側は難しいとの見解を表明した。移設作業が難航している現状が浮き彫りになった。

 政府側は、運用停止の期限は仲井真弘多(なかいまひろかず)元知事が名護市辺野古移設を容認し、県の協力が得られることが前提だったと説明。玉城(たまき)デニー知事が反対している現在とは状況が異なるとの認識を示した。

 県側によると、政府側は辺野古沿岸部で軟弱地盤が見つかり、地盤改良工事が必要なことも新たな運用停止期限を示さない理由に挙げた。政府側は記者団に「軟弱地盤は理由にしていない」(出席者)と否定している。

 作業部会の開催は昨年七月以来。杉田和博官房副長官と謝花(じゃはな)喜一郎副知事、和田敬悟副市長が出席した。会合後、謝花氏は記者団に「辺野古移設に関わりなく、一日も早く運用を停止してほしい」と訴えた。

 会議では、米軍機の落下物や騒音、飛行場周辺の水質汚染について地元が政府に対応を要請。杉田氏は「できることは何でもやる」と述べた。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く 森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開

2019年09月09日 00時00分59秒 | Weblog

「安倍晋三」大研究』…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…↑]



CINRA.NETの記事【森達也が望月衣塑子の姿を通して報道の問題に迫る記録映画『i』11月公開】(https://www.cinra.net/news/20190903-i)。

 《森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『i -新聞記者ドキュメント-』…東京新聞社会部記者で、映画『新聞記者』の原案者でもある望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫るもの。プロデュースは『新聞記者』の河村光庸が手掛けた》。

 Real Soundにも、同様な記事【『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く 森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』11月公開】(https://realsound.jp/movie/2019/09/post-410782.html)。《本作は、オウム真理教を題材にした『A』やその続編『A2』、そしてゴーストライター騒動の渦中にあった佐村河内守を題材にした『FAKE』などで知られる、映画監督で作家の森監督の最新作。東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の問題点、ジャーナリズムの地盤沈下、ひいては日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫る社会派ドキュメンタリーだ。『新聞記者』のプロデューサーである河村光康が、企画・製作、そしてエクゼクティヴ・プロデューサーを務めた》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか? 」

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』
     (望月衣塑子×森ゆうこ著)読了…《今、ジャーナリズムと野党の…》
    「お二人の共通した問題意識は、森友問題加計問題準強姦事件の3つ。
     「いつまでやっているのか?」という声に対して、最低の官房長官
     (の会見を仕切る…)への望月さんの返答
     「まだ納得できる回答を得ていない」という〝追及力〟が重要。」

 そして、森達也さんの予想を上回るニッポンの「政」の壊れっぷり。アベ様の「政」で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロール。《あるべきメディアとジャーナリズムの姿》とは程遠い。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
     「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●青木理さん《ちょっと冷静になって、
     ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、
     国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》
   『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
      その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》

=====================================================
https://www.cinra.net/news/20190903-i

森達也が望月衣塑子の姿を通して報道の問題に迫る記録映画『i』11月公開
i -新聞記者ドキュメント- 森達也 望月衣塑子 河村光庸
2019/09/03 09:00

     (『i -新聞記者ドキュメント-』 ©2019『i –新聞記者ドキュメント-』)

森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『i -新聞記者ドキュメント-』が、11月15日から東京・新宿ピカデリーほか全国で順次公開される。

同作は、東京新聞社会部記者で、映画『新聞記者』の原案者でもある望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫るもの。プロデュースは『新聞記者』の河村光庸が手掛けた。

森監督は「望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ」とコメント。


■森達也監督のコメント

望月衣塑子記者の名前を、あなたはいつ知っただろうか。官房長官の記者会見で質問を重ねる女性記者。同じ質問を何度もするなと官邸スタッフに咎められたとき、「納得できる答えをいただいていないので繰り返していますと彼女は即答した。とても当たり前のこと。でもその当り前の言葉が、ずっと僕の頭から離れない。

この国のメディアはおかしいジャーナリズムが機能していない。そんな言葉を日常的に見聞きするようになってから、もう何年が過ぎただろう。いや見聞きするだけではない。僕自身も頻繁に言ったり書いたりしている。

かつてテレビ・ディレクターだった。その後に映画監督が肩書に加わった。それから活字も仕事の領域になった。いわば僕のこれまでの人生は、常にメディアと共にあった。そのうえで断言する。確かに今のメディアはおかしいジャーナリズムが機能していない

あなたが右だろうが左だろうが関係ない。保守とリベラルも分けるつもりはない。メディアとジャーナリズムは、誰にとっても大切な存在であるはずだ。だから撮る。撮りながら考える。望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。

撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』
2019年11月15日(金)から新宿ピカデリーほか全国で順次公開
監督:森達也
出演:望月衣塑子
配給:スターサンズ
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●醜悪な、《なぜ安倍首相に心酔する》ファナティックな女性記者(広報屋)や政治屋が…? 一方、〝忖度〟しない者には…

2019年08月22日 00時00分34秒 | Weblog

『「安倍晋三」大研究』望月衣塑子&特別取材班著)…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》↑]



室井佑月さんによる、リテラの連載対談「アベを倒したい!」シリーズ、第14回。
【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)/室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4889.html)。
【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(後編)/室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4890.html)。

 《今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。…官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。…彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットに》。
 《菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか…》。

 リテラの連載対談「アベを倒したい!」シリーズに、望月衣塑子さんが登場。

   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
     斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●今が「辞任」させる秋であり…市民に「忖度」する
      政治家や政党はどちらか?、いま、理解するべき
    「連載対談記事の後編【室井佑月連載対談「アベを倒したい!」 
     第4回ゲスト 山本太郎(後編)/室井佑月が「太郎ちゃん、
     安倍さんを倒して」と陳情! 山本太郎が本気で語った安倍政治を
     乗り越える政策論とは?】」

   『●立憲主義も理解できず…「行政の長である総理大臣が
      具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反」
    「「裸の王様」の天敵・小池晃さんとの対談【室井佑月の連載対談
     「アベを倒したい!」第5回ゲスト 小池晃(前編)/安倍首相は
     どういうときにキレるのか? 室井佑月と共産党・小池晃が安倍の
     デタラメ国会答弁を徹底分析】」

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…前川喜平氏の人間性と彼我の差

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
      《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ
    《室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第7回ゲスト 前川喜平

   『●松尾貴史さん×室井佑月さん対談、「安倍首相は、
      嘘も権力の私物化も恥ずかしいとすら思っていない」
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
     言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
     言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロールの下で…奮闘する数少ない記者。しかし、それにしても、アベ様や最低の官房長官らの《メディアコントロール》がさらに酷いことになっている。

   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」
     「ここは質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
   『●現独裁政権批判な映画『新聞記者』…
     東京新聞【政権批判で? テレビ番組PRゼロ…「忖度」ニモマケズヒット!】

==================================================================================
https://lite-ra.com/2019/08/post-4889.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)
室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア
2019.08.08 11:31

     (熱弁する望月衣塑子氏(左)と室井佑月氏(右)(編集部撮影))

 室井佑月連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。菅義偉官房長官の記者会見で厳しい質問を投げかけ続けることですっかり有名になった望月記者だが、官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。しかし一方で、その圧力に怯まない姿勢、権力のチェックを続ける記者魂に称賛と応援の声がどんどん大きくなり、6月には、彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットになっている。

 かたや、ワイドショーで空気を読まず政権批判を続けている室井佑月も『新聞記者』を観て大感動!「望月さんにエールを送りたい」と、今回の対談が実現した。

 権力と闘い続ける2人の女が、安倍政権からの圧力やネトウヨの攻撃、そしてメディアの実態を語り合い、意気投合した最強対談。まずは前編をお読みいただきたい。きっと勇気が湧いてくるはずだ。

(編集部)


●テレビも映画『新聞記者』プロモーション拒否の裏にある噂が

室井 初めまして! 早速だけど映画『新聞記者』観たよ! 森友・加計問題や、伊藤詩織さんの事件とか、安倍さんが政権を握ってからの数々の悪事がてんこ盛りになっていた。内閣情報調査室の内幕も描かれていて。すごい面白かった。

望月 ありがとうございます。公開から1カ月ほどですが、配給会社によると動員33万人で、興行通信社の週末観客動員ランキングも3週連続トップ10入りしたそうです。

室井 知り合いの映画関係者も言ってた。政権を批判した社会派作品がここまで健闘するのは異例だって。でも、テレビとかあんまり取り上げてくれなかったんでしょ。プロモーションを拒否されたってリテラでも書いてあった。公開直後には公式サイトがサーバー攻撃にあったり。やっぱり、真っ向から安倍政権批判をして、官邸から睨まれている望月さんの原作だから、テレビとか完全に腰が引けたんだろうね。

望月 今回の映画宣伝はテレビではすごく難しかったと宣伝部の人も言ってました。それに加えて、参院選前に私が選挙に出るという噂が出回って。

室井 あっ、やっぱり。私も聞いた。望月さんが選挙に出馬するんじゃないかって話。そんな噂を聞いたから最初に絶対確認しておこうと思ってたんだ。そういう話、あったの?

望月 あるわけないじゃないですか。でも、宣伝部は、テレビ局から「望月さんが選挙に出るかもしれないから、取り上げるのはちょっと……」と難色を示されたと聞きました。

室井 映画の宣伝で露出してないなって不思議に思ってたけど、そんな事情があったのか。でも、それって宣伝を断る口実でしょ。安倍政権を批判する作品だから忖度マスコミ、特にテレビは取り上げたくなかったんだね。ただ、出馬に関しては望月さんは知名度も高くて、菅さん(菅義偉官房長官)と闘う女っていうイメージだから、野党系から結構声がかかっても不思議じゃないとは思う。もし声がかかっても、いまの立場を変えずに記者としてガンガン記事を書いて、声をあげ続けて欲しい。私も誘われたことあるけど「私、不倫するのとかなんとも思ってないんで無理です」って言って断った。逆に「出馬なんてことより先生のガールフレンドのひとりにしてください」って(笑)。

望月 ……(爆笑)。


■安倍首相と会食を繰り返すマスコミ幹部の異常、菅官房長官とも

室井 でもさ、ちょっと有名になるとすぐに出馬の噂が出るのは心外だよね。私も仕事として表現者として、物を書くことを一生懸命やっているし、案外評価もされている。なのに、なぜ「議員になったらいいじゃん」とか言われなきゃいけないんだろうって。

望月 同感です。いまの立場から発信し、発言するそれが私たちの仕事ですからね。発信といえば室井さん、最近ツイッターをやり始めたんですよね。リアルタイムで安倍政権の批判もしていて、ツイート回数も多くてがんばっているなと思いながら見ています。でも私もそうですが、かなりネガティブな反応も多いでしょう

室井 すっごく多いです。最初はやり方から何から全然わからなくて「くだらないことを送ってこないで」っていちいち返事していたら、みんなに「ブロックとかミュートとかすればいいだけだ」って言われて。初心者なのでそんなことも知らなかった。それで炎上騒ぎもあって。あっ、望月さんは炎上の先輩だ!

望月 (笑)。私も一時期はあまりにひどいものはブロックしていたんですけど、そうするとまた炎上している感じになるから、いまはもう放置しています。

室井 でも、ツイッターにしても映画にしても、政治的なことがアウト、タブーになるなんて本当に恐ろしい世の中だよ。本当に怖い。そんななか、望月さん、そして東京新聞はうんとがんばってるよ。

望月 ありがとうございます。中日新聞が母体だから、社長と会長が名古屋市にいるというのにも助けられているかもしれません。安倍さんはあまり地方紙とは会食をしていないですからね。全国紙や大手マスコミは、軒並み安倍さんとの会食を繰り返していますが、こうしたトップ同士の関係は現場に必ず影響していると思います。東京新聞では、たしか長谷川幸洋さんがいた頃の2013年5月、彼が間に入って中日新聞の当時の社長が一度安倍首相と会食しているんです。でも、それ以降はしていないと思う。もし会食するような関係が続いていたら、現場としては、やりづらくなりますね

室井 そうだよね。首相とマスコミのトップがベタベタの付き合いなんて先進国では考えられないし、報道機関、ジャーナリストとしてのプライドがないんじゃないかと思っちゃう。トップがそうなら現場も萎縮する。もうマスコミはすっかり安倍さんにやられて、忖度、自粛のオンパレードだもの。

望月 今年6月に国連人権理事会でデービッド・ケイ特別報告者から日本の報道の自主性に対し危惧する報告書がまた出ました。そのなかには「日本政府当局者が彼らに批判的な質問をする記者に圧力を加えている」という文言もあって。

室井 それって望月さんのことだよね。デービットさんは2017年5月にも安倍政権による報道圧力とメディアの萎縮について是正を勧告していたけど、その後もメディア圧力は是正されないどころか、どんどんひどくなっているからね。

望月 政権幹部とマスコミ幹部との会食がこれほど繰り返されるという状況は異常です。それだけでなく「桜を見る会」には芸能人をどんどん呼んで、メディア幹部だけでなく情報番組司会者、コメンテーターなど影響力のある人たちにも手を伸ばしはじめています。安倍政権になってからメディアの取り込みが露骨になっています。ただ、こうした会食への批判が大きくなったことも影響してか、一部テレビ局のトップが安倍首相との会食は断っていると聞きました。でも、その代わり菅官房長官と会食をしているそうです(苦笑)。何を話しているのかと言えば、民放連(日本民間放送連盟)の人事の話とか。菅氏は他のメディア幹部と会ったときも、官僚の人事話をしていたと聞きます。“官僚や政治家、メディア含め、俺があらゆる人間の人事を握っている”ということを内外に示すことが、自分の権力の源泉になるという意識があるのでしょう。

室井 菅さんなら新聞の動静に出ないものね。


■ギャラクシー賞を受賞した『報ステ』元CPを報道から追放したテレビ朝日

室井 望月さんの菅さんとのやりとり見ていてもそうだし、望月さんの著書『新聞記者』(角川新書)を読んでも、映画を観てもそうだけど、望月さんって新聞記者であることへのプロ意識がすごく高いんだなと思いました。男の人って、“記者”としてではなく、会社の“役職”がつくことにこだわりがちだけど、望月さんはそうじゃない。私はジャーナリストでも新聞記者でもないから、そんなプロの記事を読んで「私はこの記事を読んでこう思った」ということを、賛否両論になってもいいから広げる。それが役目なのかなと思ってます。

望月 室井さん、新聞から雑誌から書籍まで、ものすごい量を読んでますものね。テレビでの発言や週刊誌コラムなどを拝読していますが、相当読み込んでやってるなって。

室井 私、オタクだから(笑)。

望月 熱量のすごさを感じます。特にテレビは権力批判もできなくなり、危ないと思っているけど、室井さんやジャーナリストの青木理さんが発言しているのを見ると、「でもまだ希望があるな」と思います。ただ、最近でもすごくひどい人事がテレビ朝日であった。それがジャーナリズムの要として『報道ステーション』のチーフ・プロデューサーなどをやっていた松原文枝前経済部長が、報道局から総合ビジネス局のイベント事業戦略担当部長に異動したことです。彼女は現役の記者のなかでも、ずっとブレずに仕事を続けて。それで安倍政権になってから嫌がらせが続いても「それでもやらなきゃいけない」と発信し続けてきた。昨年4月の財務省・福田淳一事務次官(当時)のテレビ朝日社員へのセクハラ問題のとき、告発した社員の上司でもありました。それを逆手に取られ、「飛ばされるのではないか」という空気がありましたが、当時は伊藤詩織さんの#MeTooの流れがあって、この問題を『報ステ』でも小川彩佳アナ(当時)が取り上げ、反響を呼んでいました。女性記者たちが集まってできた団体「メディアで働く女性ネットワーク」(WiMN)でも、「声をあげた人たちを守ろう」と掲げていたんです。そうしたまっとうな方だったからこそ、相当前から政権に目をつけられていた。しかもいま、テレ朝は早河洋会長の体制下で、安倍首相や菅さんの応援団を自認する、幻冬舎社長の見城徹さんが放送番組審議会の委員長に入っている。(松原さんが)番組を外れる可能性は高いんじゃないかと危惧していたのですが、現実になってしまって。

室井 彼女は古賀茂明さんが『報ステ』を降板させられたときも、最後までかばった人でもあるよね。

望月 そうです。予兆もありました。2016年6月、『報ステ』で松原さんが経済部長時代に手がけた特集「独ワイマール憲法の“教訓”」がギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞した。「ドイツの民主的なワイマール憲法下でなぜ独裁者ヒットラーが生まれたか」という日本の憲法改正の動きとの比較で深く考察されたものでした。そんな栄誉ある賞なのに、政権に批判的に取れる内容なのでテレ朝内では喜ぶどころか“なかったこと”のようだったと聞きます。しかも「贈賞式に出るな」「コメントするな」って松原さんに対して圧力もあったらしくて。異動との関連ははっきりしませんが、松原さんは、憲法改正の国民投票でのテレビのCM規制についての民放連の動きも問題視していました。これまで民放連は「CM規制をかけることも含めた議論をすべきだ」としていたのに、民放連会長や専務理事が日テレに変わった途端、「表現の自由がある」として、「CM規制をかけない」と一変させた。松原さんはそれに対し、過去の国会の議事録などを調べ上げて分析、民放連の会見でも追及していたと聞きます。誰も聞かないから聞きに行かなければという意識だったそうです。政治部デスクにことわって聞きに行っていたそうですが、これをテレ朝の幹部が、問題視していたと聞きました。


■権力の肩を持ち、望月記者の足を引っ張る記者クラブに、室井が激怒

室井 憲法改正をしたい安倍さんへの忖度と金儲けってやつか。テレ朝は小川アナを追い出したり、逆にネトウヨアナの小松靖を『ワイド!スクランブル』に起用したり。テレビも安倍さんへの忖度と、広告収入や視聴率が下がっていくなかで、どんどん変な方向へ行っている気がする。そんななかで、望月さんにして松原さんにしても、権力と対峙してる。官邸に立ち向かっている。誇りを持って仕事してるんだなってわかる。でも、いろいろ大変なんでしょ。菅さんにガンガン質問してる姿は私たちからしたら拍手喝采だけど、記者クラブで足を引っ張られてるって聞いてる。質問する望月さんの悪口言う記者までいるっていうじゃない。昨年も、辺野古の赤土について質問したら菅さんが逆上して、望月さんの質問を制限しようとしたんでしょ。しかも、そんなひどいことに対して、一部の記者が「望月さんが質問をすればするほどクラブの知る権利が阻害される」なんていうコメントを共同通信にしてさ。その上、菅さんの主張はフェイクだったじゃない。

望月 そうなんです。日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本ジャーナリスト会議から抗議声明も出て、東京新聞でも社説や特集記事を掲載し、官邸前でのデモなどもあったのですが、でも記者クラブに関しては室井さんの言う通りかもしれません。実際、ある大手紙記者が「なんだよあいつ、いつまで来させるんだよ」と私についてあからさまに批判していたとも聞きました。それと最近、新聞労連の新聞研究部が、ここ2年以内で官邸にいた記者を対象に官邸会見について匿名アンケートをとり、幹事業務を担う19社、33人が回答を寄せたようですが、そのなかに私の批判もあった(笑)。「パフォーマンス」「自己アピールだ」だとか「質問が長い」とか。同時に、なかには「内部で官邸と繫がっている社がある限り、記者クラブとして身動きが取れない。苦しい」というような生々しい声もありました。彼らはわかっているけど、ジレンマに陥っている。

室井 どこかの独裁国家のメディアとほとんど変わんないね。現場の人から実態を聞くと、どんどん怖くなってくる。

後編に続く

……
==================================================================================

==================================================================================
https://lite-ra.com/2019/08/post-4890.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(後編)
室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」
2019.08.09 11:42

     (2人が語る”民主主義を守る覚悟”とは(左・望月氏 右・室井氏 撮影・編集部))

 室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、菅義偉官房長官の会見で孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。前編では、そのも望月記者から、メディアや記者クラブの予想以上の政権忖度の実態を聞いて、激怒した室井だったが、後半はさらに踏み込み、話はどんどん具体的になっていく。

 菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか、最後まで読んで、その現実をぜひリアルに知ってほしい。(編集部)


前編はこちら

●望月衣塑子が菅官房長官の会見に出て、質問を続けている理由

室井
 望月さんの話を聞いてると、つくづく恐ろしくなるけど、でもそんな状況なのに記者クラブの人って、質問をしないでパソコンに向かってひたすらカタカタやっているんでしょ。質問しないのって記者としての誇り、能力がないじゃない。記者は質問して、納得できるまで食い下がるのが仕事でしょ。質問しないで菅さんの話を垂れ流すだけだったら子どもにでもできる。しかも同業なわけじゃん? 誇りがあるなら味方しろ! 記者クラブって本来、国民の知る権利を代弁する制度だし、もし同業他社でも権力から知る権利を奪われそうになったら、タッグ組んで「妨害はやめろ」「きちんと質問に答えろ」ってやるのが役目なんじゃないの? でも、日本はそうじゃない。逆にバッシングをするって本当におかしい。しかも、権力の批判や監視をするのが新聞やジャーナリズムの役割なんだから、権力者とお友だちになってどうする! 緊張関係が必要なのに、そうじゃない。いまの記者クラブはスクープがあったとき、1社に抜かれるのが怖いからというだけのために存在してるのかと思っちゃう。それに菅さんって、記者やテレビコメンテーター、芸能人なんかと、けっこう頻繁にご飯食べてるらしいし、人たらしなんでしょ。そんな菅さんに記者はひれ伏している。安倍政権がこんな長く続いているのも、逆に言えばそのキーパーソンは菅さんってことじゃないかと思うんです。

望月 そうですね。政権存続のため、裏で彼がメディアや官僚、政治家、企業の人たちと何をやっているのかを見ることは大切なことだと思います。一連の公文書改ざん問題や森友加計問題の発言のひとつひとつを見ていると、その背後に必ず菅さんの存在がある。今回の私に対する質問妨害もそう。最初は、内閣府の長谷川榮一氏(総理補佐官兼内閣広報官)から抗議文が来たけど、もちろん菅さんなんですよね。しかも、妨害行為が国会で問題視されて、周囲から「さすがにやめたほうがいい」と言っても、菅さんは「俺はあいつが嫌いなんだ!」って全然聞く耳を持たなかったと聞いています。そういう意味で、良くも悪くも裸の王様というか、自分の思ったことは何がなんでもやる。そうした菅さんら官邸の姿勢が公文書改ざんの問題の根底にある。その危うさを感じるからこそ、会見に出て質問しているのですが。

室井 さすが“影の総理大臣”と言われるだけある。でも、裏を返せば、そんな権力の中枢に望月さんは恐れられているってことでしょ。

望月 まあ、目障りなんでしょう(笑)。それまで菅さんは突っ込んだ質問をさせない土壌をつくり、記者もそれなりに従っているふうを装ってきた。そこに私が来て。


■菅官房長官がオフ懇の前に行う“儀式”を聞いて室井が「ひゃぁー怖っ」

望月 菅さんの会見では事前通告が現在、慣例化しているとも聞きます。匿名のアンケートにも「事前通告せずに質問したら官邸側から怒られた」とありました。菅さん側から「事前に質問は全部投げてほしい」と言われると、現在のパワーバランスのなかでは、記者もそれに従わざるを得ないのでしょう。先進国や外国人特派員協会のなかではあり得ない状況です。さらに会見が終わると、裏で番記者とオフレコ懇をやります。

室井 公の会見では記者は質問しない、菅さんは言いたいことだけ言う。なのにその裏でオフ懇をするってどういう了見なの。望月さんが菅会見に出るようになってから、オフ懇を拒否するようなこともあったんでしょ? やっても望月さんの悪口を吹き込むって聞いたことある。他の記者に望月さんを批判して、“おまえらどうにかしろ!”って。なんて姑息なんだ。自分たちに都合の悪い質問をする望月さんを排除するって。でも、それが安倍政権の本質でもあると思う。

望月 政府見解が必要なところは、それなりに毎回、記者は聞いています。でも、官邸がクラブに貼り出した私についての抗議文について質問した記者にある官邸の記者が、こう言ったそうです。「これは、国民の知る権利を守るのか、それとも我々記者クラブの知る権利を守るのか、この闘いだ。バランスもっと考えてね」って。

室井 それって菅さんからの“伝言警告”ってことでしょ。番記者はジャーナリストじゃなくて伝書鳩だったのか!

望月 オフ懇に関しては、新聞労連の新聞研究部がここ2年以内で官邸にいた記者を対象におこなった匿名アンケートでこんな指摘もありました。菅さんへのオフ懇や夜回りに来る記者が携帯電話やICレコーダーを事前に回収袋に入れると。これはオフ懇の内容が週刊誌で報じられたことがあって、菅さんが激怒したため、その予防策として、つまり記者が菅さんに忠誠を誓う“儀式”として行われていたということのようです。その後、雑誌やネットでこの事が公にされてから、その儀式は止めたようですが。

室井 ひゃぁー怖っ。菅さんも怖いけど、それに忠誠を誓う記者も恐ろしい。

望月 会見では質問以外にもいろいろなことがわかるんです。たとえば私の質問中、菅さんがある記者によく目配せしてるんです。その記者は野党時代から菅番をやっていて、安心できるから彼に毎度、相槌を求めているのでしょう。菅さんの会見での精神安定剤なんだなと。彼がいないと気持ちが安心できないのか、目が泳いでいるように見えます。そんな一面も垣間見れる。テレビ朝日の松原(文枝・前経済部長)さんに関しても(編集部註:詳しくは前編参照)『報ステ』で安倍政権批判をしていた時代、菅さんは「あいつ(松原さん)と食事できないかな」って周りに聞いていたらしい。でも、彼女の性格を知っている周りから、「食事しても変わらないですよ」と言われて止めたとか。そうやってまめな会食を重ね、常に現場の記者やメディア幹部を取り込んで来たのでしょう。親しくなり、自分を好いてくれれば、今後の報道も含めて、将来、心強いですからね。


■望月衣塑子や室井佑月に向けられる批判の裏に「女のくせに」という差別

室井 でも、話を聞いていて思ったのが、菅さんや同業の記者が望月さんを批判するのは、女性だからという面もあるんじゃない? やっぱ男社会だし、出る杭は打たれる国だから、女性で目立つと嫉妬やバッシングが起きやすいと思う。Twitterで、私や望月さんを攻撃している人がいっぱいいて、ちょっと興味があるから調べたら、他にもすごく女の人を狙って罵詈雑言を繰り返している人だったりする。「ババアが」とかね。仕事をしていると、「女が意見を言うな」って感じの悪口もすごく多いし、そういうのってすごく感じる。女性差別もあるんじゃないかって主張すると、今度は「おまえ、自分が女だと思ってたのか」なんてことまで言われたことも。望月さんを叩いている人たちって、「女のくせに」って意識があるのは否めなくない?

望月 そうですね。それは私だけではなく政治家にも当てはまるかもしれません。稲田朋美さん、辻元清美さん、そして蓮舫さんなんかもそうだけど、与野党や政治的信念に関係なく、女性の政治家へのバッシングは男性の政治家のそれとは明らかに違う。セクシュアリティへの言及、ツッコミをしますよね。マスコミでもやはり男尊女卑の風潮も感じます。女性記者は、政治家の会見に出ている記者がそもそも少ないし、あまり積極的に質問しているように見えない。とくに#MeToo、#WeToo運動があったとき、女性記者がもっともっと政府や麻生太郎財務大臣に突っ込んで聞いてもいいと思いました。がんばって聞いている女性記者もいましたが、全体としておとなしく見えました。アメリカだったら、麻生大臣は総攻撃にあうし、「はめられたんじゃないのか」と同じ発言をしていたら辞任に追い込まれていたのではとも思います。

室井 たとえば片山さつきさんを批判するとき、主張について意見を言うのは当然だけど、そこに「ブサイクが」とか「変な髪型しやがって」とかって言うのはおかしいよね。でも悲しいかな、権力を持っている男にひれ伏し出世しようとする女性がいることも確かなんだけどね。「恥知らず!」なんて恐ろしい言葉で安倍さんを擁護する三原じゅん子さんとか、大臣就任の挨拶で「私はみなさんの妹」ですと自己紹介しちゃう丸川珠代さんとかもいる。難しいね。女性は団結しないといけないと思うんだけど。


■三原じゅん子、NHK岩田明子はなぜ安倍首相に心酔するのか

室井 三原さんはすっかり安倍さんに洗脳されているけど、昔からずるい人じゃないのよ。タレントのときから。だってハッピハッピー(元アニマル梯団のコアラ)と離婚したとき、番組で一緒になって。わたしが「こんな男いいじゃん、いらないじゃん」って言ったら、すぐに泣いちゃって。だからいますごく信じているのが安倍さんってことなんじゃないかな。純粋だから。でもそれが一番怖いと思っちゃう。信じ込んじゃうことが。

望月 三原さんは、かつては石破茂議員支持だったと聞きますが、彼女も菅さんとの会食後、安倍さんに寝返ったとか。「菅氏に副大臣とか政務官のポストをぶら下げられたのではないか」と聞きました。NHKの岩田明子記者は、安倍さんに心底心酔しているとも聞きます。そうでもないと、あそこまであからさまに安倍さんを持ち上げられないかなとは思いますが。

室井 安倍さんがイランを訪問したときも、安倍さんの成果を盛んに強調していたけど、なんだかクラクラしたけど、最近は逆の意味で岩田解説が楽しみになって(笑)。でも岩田さんって、安倍さんと近しい関係ということでNHK内ですごい力を持っちゃって。こういうやり方見てると、やはり女性同士ってだけで団結って難しいのかなって思っちゃう。


■室井佑月が望月衣塑子の民主主義を守る覚悟に感動、共闘を宣言!

室井 もっと女同士が味方すればいいのに、なかなかそうはならない。新聞社とかテレビ局って大企業でもあるけど、男女差別はあるし、女性はそれを絶対、感じてたりするのに。そんななかで望月さんが問題意識を持ち続けられるのはなぜ? 原動力ってどんなこと?

望月 たとえば社会部の私が菅さんの会見に出ても、政治部から文句を言われることはないです。彼らには、菅さんの秘書官や他社の記者からはいろいろ言われて、迷惑をかけているはずなのに、本当に有り難いなと思っています。それに、会社にFAXや電話の投書で応援メッセージが来るんです。いまの政権はおかしいと思っている人たち、安倍さんのやり方に怒ったり疑問に思っている人がたくさんいる。そういう声を知れば、記者として疑問に思ったことを会見に出て質問するしかない。国民の知る権利に応えなくちゃならないと思うんです。そして社としてもバックアップしてくれる土壌がある。アベノミクスも公文書改ざんも、沖縄の問題も、いまの日本はおかしなことばかりです。そんななか、私たちメディアが声をあげ、報道ができなくなったら、情報がシャットアウトされて伝わらなくなる。そうなったときに何が起こるのか。民主主義は明らかに後退していく。そんな危機感があります。そして、東京新聞の読者の方々もその問題意識を共有してくれている。だから続けられるのかな。

室井 でも、本当は望月さんの言っていることって、そういう記者の当然の問題意識を安倍政権によって崩壊させられた。その罪は重いと思う。

望月 官邸クラブにいる記者はじめ、他のさまざまな現場にいる記者でも苦しんでいる人は多いと思います。そのなかでもそれぞれが、皆できる範囲のなかでがんばっている。権力に向かってものを言おうと、立ち上がろうとしてる人たちもいる。そんな同じ思いでやっている人がいて、読者が支えてくれる。それが原動力かな。

室井 立派だと思う。これからも応援する。すぐにバッシングされる同士、女性同士、今後も仲良く闘おうね!

(了)

前編はこちら

プロフィール
望月衣塑子 1975年生まれ、中日新聞入社後、東京本社に配属され千葉、埼玉など各県警担当、東京地検特捜部担当を歴任。2017年に森友学園、加計学園の取材チームに参加し、菅官房長官会見に出席、また前川喜平文部科学省前事務次官や女性ジャーナリスト伊藤詩織へのインタビューなどを手がける。『武器輸出と日本企業』『新聞記者』『権力と新聞の大問題』など著者多数。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビュー、その後テレビコメンテーターとしても活躍。「週刊朝日」「日刊ケンダイ」「女性自身」など連載コラムも多数持つ。また『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送 金曜日)などに出演中。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする