2012年08月07日(火)
核燃料サイクル議論で「誘導あった」 TBS系(JNN) 8月7日(火)5時46分配信 核燃料サイクル政策の見直し作業を進めている国の原子力委員会が、電気事業者らを集めて非公式な会合を開いていた問題で、内閣府の検証チームは「議論に対する誘導があった」とする報告書をまとめました。 「核燃料サイクル」の見直し作業を行っていた国の原子力委員会の作業部会が、議論をとりまとめる課程で、電気事業者らを集めた非公式な「勉強会」を開いていたことについて、内閣府の検証チームは6日、報告書をまとめ、細野原発担当大臣に提出しました。 報告書では勉強会の参加者が電気事業者に不利になる可能性があるシナリオを削除する資料を作るなど、「審議に対する誘導があった」としていて、検証チームのメンバーは、「事務局が暴走したと言わざるをえない」と批判しました。 ただ、報告書では、勉強会が作業部会の結論に影響を及ぼしたと認めることはできないとしています。 核燃サイクル「議論誘導」 原子力委勉強会問題 2012年8月7日 東京新聞 今後の核燃料サイクル政策を議論していた原子力委員会の小委員会で、原発推進側だけを集めた非公開の「勉強会」が開かれていた問題で、内閣府の第三者検証チームは六日、「電力関係者は勉強会を利用し、小委に影響を及ぼそうとの意図を持っていた」とする検証結果をまとめた。 チームは、三月の勉強会で当初は四つの核燃料サイクルのシナリオが示されながら、同月中に三つになった経緯を重点的に調査。「電力会社に不利になる可能性があるシナリオを削った。小委の議論に対する誘導だった」と批判した。 ただし、小委の最終報告書では直接処分の可能性があるシナリオも採用されたことなどから、「小委の結論への影響は認めることはできない」とした。 調査によると、四つのシナリオのうち使用済み核燃料の一部を直接処分するシナリオに対し、勉強会で「望ましくない」などと異論が相次ぎ、特に経済産業省の出席者が強く削除を要求。これに沿って原子力委事務局職員が、小委座長の鈴木達治郎氏に「計算が大変」などと強調することで、シナリオ削減の了承を得たという。 検証結果の報告書を受け取った近藤駿介原子力委員長は「よく読んで対応を考える」と話した。 チームは勉強会問題が発覚した六月に発足し、関係者約四十人からの聞き取りや、原子力委事務局などの資料約二百九十件、電子メール約千百件を検証してきた。 |
「民主主義」という幻想 池田信夫 2702012年08月05日 23:50 きのうアゴラの合宿で田原総一朗さんと中村伊知哉さんと話した「決められない政治」についての議論がおもしろかったので、感想をメモしておく。 なぜ政治が混乱しているのかという話になると、すぐ衆参のねじれとか選挙制度とかいう話になるが、私は根本的な問題は日本が民主主義ではないことだと思う。そもそもdemocracyを民主主義と訳すのは誤訳で、もとになったギリシャ語のdemosは民衆、kratiaは権力という意味だから、「民衆支配」ぐらいだろう。これはaristocracyの対義語で、一部の貴族ではなくコミュニティの全員が意思決定に参加することだ。 この意味では、日本の政治の実態はデモクラシーではなくアリストクラシーである。なぜなら、選挙で選ばれた国会議員が立法機能をもっておらず、官僚のつくった法律に注文をつけるロビイストでしかないからだ。ところが民主党は日本の政治がデモクラシーだと信じ込んでいるから、討論型世論調査とか訳のわからないことをやっている。たった286人の世論調査で何を決めようというのか。 選挙→国会議員の選出→立法→官僚の執行 というのがデモクラシーの建て前だが、実際の意思決定は 課長補佐が企画→課長が根回し→局長が政治家に説明→法案提出→国会が承認 という流れで行なわれる。政治家は「先生」とまつり上げられているだけで、「エネルギー・環境の選択」には何の法的拘束力もない。エネルギー基本計画を決めるのは経産省だが、彼らは余命いくばくもない民主党政権では何も決める気がない。民主党もそれはわかっていて、なるだけ派手に「脱原発やってます」というポーズを見せて次の選挙で生き残ろうとしているのだろう。 この状態で選挙制度をいじっても憲法を改正しても、ロビイストの構成が変わるだけで本質的な変化は起こらない。日本の官僚機構は儒教的アリストクラシーだから、絶対的な権力をもつ「皇帝」が必要なのだ。自民党政権の時代に曲がりなりにもものが決まっていたのは、アゴラでも書いたようにアメリカという皇帝がいたからだが、もう彼らも日本には関心がなくなったようだ。 フクヤマもファーガソンも指摘するように、デモクラシーは近代国家に不可欠の要件ではなく、重要なのは法の支配である。エネルギー政策のような専門的な問題を素人の「民意」で決めようというのがナンセンスだ。民主党もマスコミ向けのスタンドプレーはやめて、アリストクラシーを機能させる制度設計を考えたほうがいいのではないか。 引用元 ☆池田信夫と言う人は現場を無視する傾向があるが、あるべきカタチを提示しようと努めているところは評価する。 |
ヒロシマ 67年「原爆の日」 「市民守るエネ政策を」 2012年8月6日 14時10分 東京新聞 広島は六日、原爆投下から六十七年の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、午前八時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。 平和宣言で松井一実市長は、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に全力を尽くすことを誓うとともに、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災者が前向きに生きようとする姿は六十七年前の広島に重なるとして「私たちの心は皆さんと共にある」と呼び掛けた。 また原発事故を受けて、国に対し市民の暮らしと安全を守るためのエネルギー政策を一刻も早く確立することを求めた。ただ「脱原発依存」に向けた国民的議論の方向性を見守るとして、昨年に引き続き原発の是非には触れなかった。 野田佳彦首相も参列し、あいさつで原発事故について「除染などの生活基盤の再建に全力を尽くす」と誓う一方、「脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指す」と従来の方針を述べるにとどめた。 また松井市長が平和宣言で「黒い雨」の降雨地域拡大への政治判断を求めたが、野田首相は具体的には言及しなかった。 式典では、原爆投下時刻の午前八時十五分に参列者約五万人が黙とうした。式典には、原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町の馬場有町長が出席。七十一カ国と欧州連合(EU)から代表が参列し、核保有国では米国のルース駐日大使が二〇一〇年に続き二度目、英国とフランスの駐日大使は初めて出席した。 一方、国連の潘基文(バンキムン)事務総長は出席せず、メッセージが代読された。 この一年間に亡くなったか、死亡が確認された原爆死没者は五千七百二十九人。広島市の原爆慰霊碑に奉納された名簿の総数は二十八万九百五十九人になった。 ◆平和宣言骨子 ▼被爆者の体験談を引用。つらさ、悲しさ、苦しみとともに、切なる願いを世界に伝えたい ▼平均年齢が七十八歳を超えた被爆者の体験と願いを受け継ぎ、語り伝えたいという人々の思いに応え、伝承者養成事業を開始 ▼二〇一一年三月十一日は、自然災害に原子力発電所の事故が重なる未曽有の大惨事が発生。人類にとって忘れ難い日に。被災者の姿は六十七年前を経験したヒロシマの人々と重なる。私たちの心は共にある ▼日本政府は市民の暮らしと安全を守るためのエネルギー政策を一刻も早く確立を ▼核兵器廃絶に向けリーダーシップの一層の発揮を ▼被爆者支援策の充実と「黒い雨」の降雨地域の拡大に向けた政治判断を求める ▼核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に全力を尽くすことを誓う (東京新聞) |
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