「電事連「原発ゼロの悪影響」 民主議員に根回し進める」 朝日新聞 9.4
政権による新しいエネルギー政策の取りまとめを控え、電力会社でつくる業界団体「電気事業連合会」(電事連)は「原発ゼロ」にした場合の悪影響をまとめ、
民主党議員に根回しを進めていた。
その内容は、政権がまとめた「原発ゼロの課題」と同趣旨のもの。国民的議論を経て打ち出す新しいエネルギー政策に、「原子力ムラ」が影を落としている。
関係者によると、電事連による働きかけは、党のエネルギー・環境調査会の議論が本格化した8月末ごろにあった。
電事連は、全国の原発から使用済み核燃料を集める再処理工場を抱える青森県との関係を指摘。
原発ゼロになって核燃サイクルの必要性がなくなれば、「青森県が使用済み燃料の返送を要求」とし、原発の燃料プールは満杯になって「全原発が即時停止」せざるを得なくなることを「直近の影響」として強調した。
政権がまとめた「課題」でも、青森県の理解と協力が得られない場合に「『即時ゼロ』となりうるリスク」と記している。
また、電事連は、原発が立地する自治体が再稼働に協力しない可能性にも触れた。
電力が足りなくなることや、電気料金値上げにつながるとの指摘は、政権の「課題」にも入った。
原子力メーカーが事業から撤退することによって技術や人材が失われる危機感も、共通して盛り込まれている。
政府が開いた新しいエネルギー政策の意見聴取会でも電力会社社員の発言に「やらせ」批判が相次いだだけに、
利害関係者の電事連の働きかけには党内外の反発が強まる可能性がある。
「「国民生活、雇用に影響」電力総連、「原発ゼロ」を批判」 朝日新聞9月4日
電力各社の労働組合をたばねる電力総連(組合員約22万人)の種岡成一会長は4日、「国民生活や雇用、産業に大きな影響を及ぼす」として、
将来的に「原発ゼロ」を検討している政府を批判した。
名古屋市で始まった電力総連定時大会でのあいさつで述べた。種岡会長は「原子力がゼロでも経済は成長するという意見があるが、
具体的な根拠を明らかにしたうえでの議論が必要」と指摘。
引き続き原発を主要な電源の一つとするよう訴え、「安易で情緒的な政治スローガンを掲げることは許されない」と野田政権を牽制した。
定時大会は例年報道陣に公開されているが、今年は質疑などは非公開だった。
「「脱原発」は支援せず=候補者に踏み絵-電力総連」 時事 9.4
電力業界の労組で構成する電力総連の種岡成一会長は4日、名古屋市内で開催した定期大会のあいさつで、
「引き続き原子力発電がわが国の基幹電源の一翼を担っていくのが現実的な選択」との認識を示すとともに、
「私たちと考え方を異にする議員、候補者を支援することは組合員の理解が得られない」と述べた。
同総連内では、東京電力福島第1原発事故を受け政権内で高まっている「脱原発」に対し、労働環境を脅かすとの指摘が多い。
このため、今秋以降に行われる総選挙や来夏の参院選を念頭に、脱原発を目指す候補者に主張を続けるのか、選挙支援を選ぶのか「踏み絵」を迫った形だ。
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