熊谷夫婦の役を山崎努と樹木希林がやっている。シネスイッチ銀座で封切られたときはバタバタしていて見に行けなかった。
ネットで調べると池袋のシネリーブルでまだやっていた。シネリーブルは神戸でもよく行ったので何となく懐かしい。
映画『モリのいる場所』予告編
[映画.com]から引用。
「山崎努と樹木希林という、ともに日本映画界を代表するベテランが初共演を果たし、伝説の画家・熊谷守一夫妻を演じた人間ドラマ。
30年間もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ描き続けたという熊谷守一=モリのエピソードをベースに、晩年のある1日を、「モヒカン故郷に帰る」
「横道世之介」の沖田修一監督がフィクションとしてユーモラスに描いていく。昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が
住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。そして妻の秀子との
2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、
近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。」引用終わり。
山崎努と樹木希林の演技は見にきて良かったが映画のつくりとしてはちょっと不満が残った。庭とモリと奥さんとのシーンだけでは盛り上がりに欠けると考えたのか、
来るものは拒まずという守一の人柄を表現したかったのかわからないが、家に集団で呼んでみんなで飲んだり食ったり歌ったりという長い場面が入っていて
映画は二つに分裂気味だった。でもトータルとしては監督はなかなか才気あふれる人で、ファーストシーンの天皇のセリフには笑いました。
人は人の集まり・群れの中に生きるが、その人なりに自分が自分のボスでありさえすれば、どんな状況にあっても幸せなんだと思った。
熊谷守一は画家のキャリアとしては正当なルートを歩いたが若い時はとても貧しくて5人の子のうち3人まで失くしている。
その切なさは奥さんのセリフの中にさりげなく入れられていた。
「ヤキバの帰り」
この映画では好きな役者の一人の加瀬亮が熊谷家に親しく出入りする写真家の役を好演しているのもうれしかった。彼は周防正行監督『それでもボクはやってない』でデビューした。
山崎努は黒澤明の映画「天国と地獄」の誘拐犯で売り出したとき、映画館で鮮烈な印象を持った。いままでいなかった悪役を演ずる新しいタイプの俳優が出てきたと思った。
その若者がいま94歳の熊谷守一の役を演じている。時は流れ人は老いる。そこに何の不思議もない。そんなことも思わせる映画だった。
ネットで調べると池袋のシネリーブルでまだやっていた。シネリーブルは神戸でもよく行ったので何となく懐かしい。
映画『モリのいる場所』予告編
[映画.com]から引用。
「山崎努と樹木希林という、ともに日本映画界を代表するベテランが初共演を果たし、伝説の画家・熊谷守一夫妻を演じた人間ドラマ。
30年間もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ描き続けたという熊谷守一=モリのエピソードをベースに、晩年のある1日を、「モヒカン故郷に帰る」
「横道世之介」の沖田修一監督がフィクションとしてユーモラスに描いていく。昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が
住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。そして妻の秀子との
2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、
近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。」引用終わり。
山崎努と樹木希林の演技は見にきて良かったが映画のつくりとしてはちょっと不満が残った。庭とモリと奥さんとのシーンだけでは盛り上がりに欠けると考えたのか、
来るものは拒まずという守一の人柄を表現したかったのかわからないが、家に集団で呼んでみんなで飲んだり食ったり歌ったりという長い場面が入っていて
映画は二つに分裂気味だった。でもトータルとしては監督はなかなか才気あふれる人で、ファーストシーンの天皇のセリフには笑いました。
人は人の集まり・群れの中に生きるが、その人なりに自分が自分のボスでありさえすれば、どんな状況にあっても幸せなんだと思った。
熊谷守一は画家のキャリアとしては正当なルートを歩いたが若い時はとても貧しくて5人の子のうち3人まで失くしている。
その切なさは奥さんのセリフの中にさりげなく入れられていた。
「ヤキバの帰り」
この映画では好きな役者の一人の加瀬亮が熊谷家に親しく出入りする写真家の役を好演しているのもうれしかった。彼は周防正行監督『それでもボクはやってない』でデビューした。
山崎努は黒澤明の映画「天国と地獄」の誘拐犯で売り出したとき、映画館で鮮烈な印象を持った。いままでいなかった悪役を演ずる新しいタイプの俳優が出てきたと思った。
その若者がいま94歳の熊谷守一の役を演じている。時は流れ人は老いる。そこに何の不思議もない。そんなことも思わせる映画だった。