東京半蔵門のPHP研究所にて政策力アップセミナーを受講しました。
テーマは「2015年統一地方選への論点整理」
講師は北海道大学大学院法学研究科 宮脇淳 教授
◎地方自治体を取り巻く構造変化
自治体の現況と課題として
・少子化
・高齢化
・過疎化
・世帯の単身化
・人手担い手不足
・外国人労働力の導入
・税収の確保と公的負担のあり方
・資金の地域再循環の確保
・資金調達力
・インフラの老朽化対策
・空き家未利用施設土地
・コミュニティの空洞化
☆総合的な調整力がこれからより重要になる
☆次世代を意識した上で現世代のニーズに応えられるか
☆国の政策と地方自治体の政策方向が異なる時代にフルセット型は終幕
☆増分主義から減分主義への転換。右肩上がり基本の時代から限られた資源の有効活用が質される経営概念の時代に。
・高齢化率は上昇し続けても、高齢者数が減り始める自治体と増え続ける自治体とに分かれる。〓仙台市は高齢人口も増え続けるが、ホーム等施設は減少している近隣自治体のを利用するようになる。
・2035年の衝撃。団塊ジュニア世代が高齢人口に突入する先からが大問題。首都圏の超高速高齢化は将来、国内的にも大問題に。
◎公共政策の考え方
理想と現実を繋げる手段の集まりが〔政策〕である。価値観の異なる他者との協力関係の形成をしつつ。
政策科学の必要性とは、政策を検証し進化させる探求プロセスを言う。
議会の議論が政策意見のやり取りに過ぎないのではないか? 指摘・議会不用論の視点! 議会が政策について「観察し仮説を立てた上で検証しているか」
公共政策における「公理」と「正義」 政策的正義を考える。
政策議論の本質は、客観性の確保と創造力の発揮により、妥当性と健全性の違いを認識すること。
客観的に対象を注意深く知覚する「自然的観察」の5つの視点
外見的/頭脳的/時間的/環境的/運用的な適合性を観察すること。
政策議論には抽象度の整合が必要〈ディメンションの統一〉これは議会と議員活動への信頼性が有権者から低くなっている要因の一つ。
◎地方の政策課題関する議論
地方議会の投票率の低下の要因に、行政施策への議会関与の縮小傾向あり。
恒常的な議会機能の発揮が求められるとともに、議会事務局の独立性の確保が必要。
「議員定数の削減」をテーマについて参加議員と講師間で意見交換。
市町村議会の無投票当選傾向の増加と議員新陳代謝の低下課題。
団塊の世代が社会の一線から退いた後の、新たな大衆の出現は議会と行政の間でどう影響するか。
EU多核型の自治体連携モデルとは、自治体間で相互に機能分担を行い、基盤整備を共有し、対外的なグローバル戦略を展開する。空港港湾を核として鉄路と高速道路が接続していること。エネルギーや産業や観光の自立を進めて地域内所得を厚くする。
◆モデル例は“九州”が可能と見る。 東北地方にはその地力があるかどうか。地力を後退させない展開を仙台市が推進できるかどうかが、今後、大震災からの復興後の視座になるものと私なりに考えました。