あびこ雅浩の日記

仙台市議会議員あびこ雅浩の活動日記。

介護保険の制度改正の見通し険しく

2010-06-07 | 国際・政治

宮城県介護福祉士会主催による研修会

Cimg9057介護保険制度をどう変える」現場からの検証 淑徳大学准教授 結城康博氏 

私のメモから内容を紹介します。

社会保障審議会介護保険部会委員として。 年度内に改正案をまとめて、来年国会での審議へ。制度改正の作業期間は残り半年内。 
審議会は月に2回程度であり、改正案の審議回数は限られ
大幅な改正は無理。次次の2015年を見通した必要あり。
限られた中では、24時間訪問ヘルパーをどうするかがポイント。

公費負担を6割にせよ論者。そもそも介護保険制度は「社会保険方式なのだろうか」
競争原理と民間活力の導入の一方で、社会福祉的/老人福祉的サービスが外れている。

供給サービス体制の再整備が必要。 保険料負担の限界。医療保険と介護保険の格差をどう診るか。

要介護認定は緩やかな3区分にすべき。予防給付を介護保険に取り込めるか?
ただし給付上限額の設定は必要。
ケアマネを
独立専従職に格上げできるか? 報酬単価の設定をどうするか? 1人1件ケアプラン報酬2万円の理想あり。 
要介護認定の課題とケアマネの質の担保は両輪  認定調査を見直した今回であるが課題あり。

訪問看護ステーションの利活用が必要。介護と医療は車の両輪であり、急性期病院と介護の連携が必要。
急性期医療に特化した診療報酬改定傾向に異議。

自治体直営の地域包括支援センターが必要で自治体で1ヵ所は直営をもつべき。

かつて自身が新宿区のケアマネ職として。事務作業量負担をどうするか?
有料老人ホームと個室化ユニット化の推奨。老人福祉の観点から個室入室の負担不可能者をどう担保するか?
低所得者対策としての施設整備の観点が必要。

6福祉と医療を一括財源化しようとする現政権を危惧。地方分権は社会的弱者にマイナスになる。
日本の介護保険制度10年。 
介護職の年収を400万円以上にするための介護報酬の設定が必要。

制度改正のための素案づくりの審議会メンバーの先生のお話。話しにあった改正を現実的にするには、そもそものところ、介護保険会計の制度設計を公費負担を5割からそれ以上に拡大できるかであり、それを国会で法案とするには「介護保険」出身の国会議員が必要です。

しかしながら今回の参議院選挙には、老人施設協会出身者はいるけれども、介護福祉士やケアマネ出身者、居宅系サービス事業出身者は予定なく、医療、看護、薬剤、年金関係の議員方々に押されて、改正法案の作成には弱い立場で、財源の手配からして無理。制度改正を改善にするスタートは、現場に精通した当事者の政治勢力を形成することなのだと思います。