「少しゴチャゴチャしましたね。レースの最初の3分の1はいい感じだったんですが、プレッシャーのかかる場面になったら馬の口が強くなり、収めなくてはならないところがありました。そこからもう一度前に出そうとしたんですが、馬に無理と言われてしまいました。」
このコメントは、マーカンド騎手が7番人気のピュアブラッドに乗って5着になったレース後のコメントです。
どうですか。わかりにくいところもありますが、ボクはすごく気に入りました。コメントってこうでないとと思いました。たぶん通訳の人を介したのでマーカンド騎手の言っていることと少し違う部分もあろうかとは思います。
それでも「馬に無理だと言われました」なんて、とても日本の騎手には言えないコメントでしょう。馬優先主義を標榜している日本のベテラン騎手も見習ってほしいよなあ。「馬はがんばった」のコメントしか残さないか、まったくコメントしないで代わりに調教師にコメントしてもらってますよね。
調教師には、このマーカンド騎手のいう「馬の口が強くなった」「馬に無理と言われました」は、乗っている騎手にしか分からないのでコメントとして競馬ファンに伝わらないでしょう。
もちろん騎手にとって次のレースの準備とか、レース後すぐの精神状態によってはコメントしたくない気持ちも分からないではないです。ただ騎手はレースに乗って結果を出せば良いと勘違いしてるんじゃないかな。
もちろんレースでいい成績を残すのは当然ですよ。野球のメジャーで大活躍している大谷翔平選手を引き合いに出すのは大谷選手に悪いんですが、彼は野球で結果を残していますよね。その上でファンを大切にしていることがわかるインタビューですよね。
彼が野球選手は野球でいい成績を残せばそれでいいという考えでないことは歴然です。大谷選手の真似をしろというのではない。競馬が多くのファンに支えられて存在していることを、この外国人騎手マーカンドさんのコメントから知ってほしい。
それでそのコメントが馬券検討の役に立つのかって。それは分からない。そんなことより馬券を超えた競馬そのものの持っている魅力に触れられたような気がしてボクは嬉しかったんですよ。
ボクに分かるわけないでしょ。「馬の口が強くなる」なんて、それでも分からない人にもなんとか伝えてくれようとするサービス精神がボクにはたまらない。「馬に無理と言われました」なんて愉快な面白いコメントなんでしょう。