BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

彷徨の方向性

2021年01月09日 | 新 刊
文房具を買うついでに文庫棚を流していたら、読みたかった本が有ったのでつい買ってしまった。古本列伝にも悖る行為だが
正月だしと、許してしまった。
柳美里さんのだが、最後まで読んだ。どうも柳さんとは相性が悪く、最後まで読み終えたことがない。で今回はアタシにも身に
つまされることもありなげ出さずにすんだ。ただどうしてこうも時間軸などをいじって解かりづらくするのだろう。普通に書き
進めばいいものをだ。アタシがホームレスに成らなかったのは核たる故郷が有ったからかもしれない。集団就職で川崎に行った
ダチも居た。東京に行った時、そのダチのアパートを訪ねたが、その大笑いなネタは何年か前に書いたのでここでは書かない。
今作外国での評価が高いらしいが、福島訛りや擬音などどんな風に翻訳されたのだろうか。して意味も伝わったのだろうか不思議だ。 
 「JR上野公園口」 著者 柳 美里  河出文庫 定価600円+税
  ( 2021年1月7日 15刷発行 )

〔まさかとしま〕さんと覚えてしまった〔まさきとしか〕さんがこんな本を書いてしまってありゃまあだ。ミステリーなどは好きで
はないが、まあこんなものか。ただ札幌在住という理由だけでアタシは嬉しい。少しは楽しめたし。
帯のコピーには「まさかの結末にあなたは戦慄するか涙するか」とあったが、アタシは戦慄も涙もしない。展開も結末もユニーク
なのだが、まさきさんが描きたいのはこういう方向なのか。だとすると「なぜ北海道にはミステリー作家が多いのか」という本の
続編が出れば、その名が加えられるだろう。
 「あの日、君はなにをした」 著者 まさき としか  小学館文庫 定価720円+税
  ( 2020年11月2日 第7刷発行 )