BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

中上さん

2016年08月07日 | 古本
 まさか中上 健次さんが歌手〔都 はるみ〕さんを書いていたことは知らなかった。これも除籍本で
へえー、あの中上さんが書いたのかと訝った次第。
しかしどうもこの手を書くことに慣れてはいないようで、いまいち〔都 はるみ〕という人物像が浮かんで
こない。世の中のあまたのタレントはややこやしい幼児期を過ごした事が多いようだが、なにかこう
陰鬱な印象を受ける。ただそれも有名になったから書かれていることで、世間いっぱんによくあること
さと、アタシはとくに感慨もない。なぜ歌手を引退したのか、そしてまた復帰したのか、その文章は
少ない。
そういえば思い出したが、〔都 はるみ〕さんが歌手復帰第1作は「小樽運河」という歌ではなかった
ろうか。その歌のカラオケビデオをそのまんま小樽運河で撮った記憶がある。寒い冬で、東京から来て
いた女性ディレクターは夏と同じ靴を履いていた。まさかハイヒールではなかったが、寒そうだったね。
 「天の歌 小説都はるみ」 著者 中上 健次  毎日新聞社 定価1100円
  ( 1987年12月15日 第2刷 )