帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの枕草子〔二百四十六〕たのもしき物

2011-12-06 00:04:14 | 古典

  



                                      帯とけの枕草子〔二百四十六〕たのもしき物



 言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。



 清少納言枕草子〔二百四十六〕たのもしき物


 文の清げな姿

頼もしいもの。体の調子の悪いとき、伴僧、大勢で修法(加持祈祷)している。気分などよくないとき、誠実な親しい人が言い慰めている。


 原文 

たのもしき物。心ちあしきころ、ばんそうあまたしてずほうしたる。心ちなどのむつかしきころ、まことまことしき思人の、いひなぐさめたる。


 心におかしきところ

頼もしいもの。心地の悪いとき、反挿、多数して、す奉仕し、足る。心地、快くはないとき、間こと実直そうな恋人が、いい慰め、足る。

 

 言の戯れと言の心

「はんそう…伴僧…おほき多きにてよきもの…ほうし法師…奉仕…反挿…反復、挿入」「すほうしたる…修法している…加持祈祷している…す奉仕足る」「す…洲…巣…棲…女」「いひ…言い…ゐゐ…井井…女」「たる…たり…完了または断定の意を表わす…足る…充分である…満ち足りる」。


 伝授 清原のおうな

 聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)

 
原文は、岩波書店 新日本古典文学大系 枕草子による。