■■■■■
帯とけの枕草子〔十七〕わたりは
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。
枕草子〔十七〕わたりは
わたりは、しかすがのわたり。こりずまのわたり。水はしのわたり。
清げな姿
渡し場は、しかすがの渡。こりずまの渡。水橋の渡。
心におかしきところ
その辺りは、そうだけどそれでもなおもの辺り。性懲りもない間の辺り。身す端の辺り。
渡り合いは、そうだけどそれでももっとのわたり。性懲りもない間のわたり。をみな端のわたり。
言の戯れを知り言の心を心得ましょう
「わたり…渡り…船着き場…みなと…女…辺り…わたり合い」「しかすが…然すが…そうだけどそれでも…肢下すか…女」「す…女」「こりずま…懲りないさま…性懲りもない間」「間…女」「水…川…女…見ず…身す…女」「見…覯…媾」「水…女」「はし…橋…端…身の端」。
古今和歌集に次のような歌がある。
巻第十三 恋歌三、よみ人しらず
こりずまに又もなきなは立ちぬべし 人にくからぬよにしすまへば
(性懲りもなく又も事実無根の浮名が立つのでしょう、人情あふれる世に住んでいるのだからねえ……性懲りもない門に又も亡き汝は立つのでしょうね、ひと憎くはない夜に、すもうしているのだから)。
これは性懲りの無い「女とおとこ」の歌。「ま…間…女…門」「よ…世…男女の仲…夜」「すまふ…住まう…相撲…組み合う…渡り合う」。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人しらず (2015・8月、改訂しました)