今日の論文突破基礎力完成講義行政法で扱ったのですが,こんなのどうでしょ?
①営業許可取消処分を受けた際に,事前の聴聞手続が行われ,その手続において文書閲覧請求をするも拒否されたとします。さて,この拒否処分,どう争いますか。
②また,文書閲覧請求は認められたが,当該文書に第三者に関する情報がある場合,当該第三者はこの閲覧許可処分をどう争えば良いでしょうか。
今日の論文突破基礎力完成講義行政法で扱ったのですが,こんなのどうでしょ?
①営業許可取消処分を受けた際に,事前の聴聞手続が行われ,その手続において文書閲覧請求をするも拒否されたとします。さて,この拒否処分,どう争いますか。
②また,文書閲覧請求は認められたが,当該文書に第三者に関する情報がある場合,当該第三者はこの閲覧許可処分をどう争えば良いでしょうか。
完全に個人的な見解ですが,来年以降下4法の短答が廃止された場合,論文試験の傾向がやや変る可能性は否定できないと思います。あくまでも「やや」ですが。従来短答で確認できたことができなくなるので,単純知識優位の設問も出てくるように思います。
具体的には,単に条文を検索すればいいような問題(行政法で以前出た住民訴訟のような問題),制度の概要を掴めていれば良いような問題です。設問3あたりで独立に聞いてくることもあれば,論点ではないが,事例処理の過程で何かと条文を引かなければいけないような問題が出てくるのではないかと思います(会社法とか今でもそうですが)。
短答廃止に伴い,「これで条文読まなくていい!」と喜んでいる人は,その発想は大変危険だと思います。さすがに従来のように細かい知識を記憶する必要はありません。しかし,どのような条文があり(もしくはないのか)のあたりはつかないと話にならないですし,制度趣旨の理解記憶は必須です。要は,条文に「慣れ親しむ」必要性自体は全く変わらない,ということです。
明日は日吉キャンパスで,「慶應十八人会」主催のオリエンテーションに参加します。2時間ほど本音ベースの!?講演会をやりますので,法律に興味のある1,2年生の方,ちょいと暇潰しにでも顔を出して頂ければと思います!堅い話はほぼ皆無!笑 時間は1630~1830です。
出願者数12,622人(前年11,255人)
とのこと。今年も伸びが鈍い。10数パーセントの伸び率です。ということで,今年出願した人はまたもやチャンス!
ところで,ロー現役生はどれくらい占めているのかな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140409-00000109-jij-pol
よりによって試験直前のこの時期に何で出すかな。この問題って緊急度そんな高いかね。
「2689」
この数字は、拙者が5年半ほど細々と続けているこのブログの現時点での投稿数です(本エントリーで2690本目)。
イチローのメジャー通算3000本安打が話題ですが、こちらも密かに「通算3000投稿」が見えてきています(笑)
コメント欄に投稿したものですが念のためこちらにも。
詐欺罪も財産犯なので、単に財物・利益が移転するだけでは不十分で、「財産上の損害」が発生することが必要です。この「財産上の損害」についてどう考えるかで対立するのが「全体財産減少説」と「個別財産減少説」です。詐欺罪は、財産・利益が被欺罔者から行為者に移転することを必要とする「財産移転罪」なので、個別財産に対する罪」と解するのが通説です。
しかし、形式的に個別財産の喪失があれば何でも詐欺罪になるのか、という観点から、個別財産の喪失が実質的に見て損害と認められるか否かの判断基準として近時有力なのが西田先生などの見解なのです。これを実質的個別財産喪失説といいます。
騙された→形式的に財産を交付した=全て詐欺罪としてしまうと、詐欺罪は財産犯というよりは「人を騙したことの悪質性による罪」に変容してしまいます。そこで「財産上の損害」について議論があるのです。
因みに、ゴルフ場事例では、ゴルフ場は「騙されて」サービスを提供しただけなので(役務の提供)、個別財産の交付そのものが想定できないですね。
身分を隠した暴力団関係者が、ゴルフ場で正規の料金を支払って普通にプレーすることが詐欺罪になるか,という事件がありましが,最高裁の判断が無罪,有罪で割れました。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140402162917.pdf
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140402163450.pdf
上の判例が無罪,したの判例が有罪です。
事実関係もなにも全然知らず,ニュースを見たときに「財産上の損害が認められるかどうかで判断が割れたんだろうな」と思いました。例の西田先生やらの「得ようとして得られなかった利益」云々の話だと思ったのです。
そうしたら,争点になっていたのは「欺網行為と言えるか否か」だったんですね。もちろん,事実関係を見ると,「黙って借りたこと」の当否が問題になり,「暴力団関係者か否か」がゴルフ場にとって「重要な事項」なのかどうかは争点になります。その意味では上記判例は共にありうるなと思うのです(暴力団排除の徹底振りの度合いという意味で両事件は前提が違うので)。
驚いたのは,「損害」認定なく,有罪にしてしまったことです。料金を踏み倒したわけでもないので「損害」の有無は当然問題になります。ちょいと今回分かりにくいのは,通常「金を払ってしまったが,サービスそのものは値段相応・適正なものでした」というような事例で損害の有無が問題になるのですが,今回は,「ゴルフ場を暴力団に利用させてしまった事がどうゴルフ場側にとって何がどう損害となるのか」がイメージしづらいところでしょうか。
「ゴルフ場が暴力団関係者の施設利用を拒絶するのは,利用客の中に暴力団関係者が混在することにより,一般利用客が畏怖するなどして安全,快適なプレー環境が確保できなくなり,利用客の減少につながることや,ゴルフ倶楽部としての信用,格付け等が損なわれることを未然に防止する意図によるもの」という言及部分があるので,「損害はあるのが大前提」と言うことなのかもしれませんが。
詐欺罪は,「嘘ついたから詐欺」というわけではなく,「騙す行為」は、個人の財産侵害に向けられたものでなければなりません。今回仮に「いわゆる騙す行為あり」としても,それはゴルフ場の財産上の損害に向けられたものなのか怪しい感じがしますね。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/sonodahisashi/20140404-00034214/
園田先生の意見が参考になるかと思います↑これについているコメントはかなり痛いのが多いですが 苦笑
行政法,基本概念に関する定義が重要です。短答の引っ掛け問題なんかも定義に絡めたものが多いです(正確に覚えていれば引っかからないというレベル)。「行政法」という統一法典がないため,条文が無いところで問題になることが行政法は特に多いので尚更ですね。基本が重要です。