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本試験合格を見据えた入門講義

2015-02-16 15:38:49 | 司法試験関連

消滅時効が完成したのを知らずに、「債務の承認」をしてしまったあと、消滅時効を援用することは「信義則」に反し許されない、と言う有名な判例があります。本試験民法でありがちな、いつもと違う判断をしてみろ、と言う判例射程問題の軽い練習をしましょう。

時効の完成を知らずに承認してしまったのが、保証人だったらどうでしょうか。判例の事案は、債務者本人が承認した事例です。この事実の違いから、結論が変わる可能性はあるでしょうか。

判例が、援用を認めない理由は「信義則」です。主債務者と保証人では、この「信義則」の内容が変わることはありうる話です。「自分で金を借りたら返すのが当たり前」という、当然の大前提があります。主債務者はまさに自分で借りたわけですから、「原則返すべき」という規律が働きます。これに対して、保証人は、あくまでも他人の債務を保証しているだけで、しかも「なるべく自己の負担は小さくしたい」と考えるのが、普通です。

このように両者の立ち位置が違うので、この点を強調すれば、保証人の場合は、援用することが許される、という判断は事例によってはありうる話です。

こんな話を入門講義でもしています。「本試験合格を見据えた」講義なので。

ちなみに講義では、「債務の承認」と評価されうる、「具体的な事実」も具体例を複数指摘しています。

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9 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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資格スクエアテキストの誤植について (aki)
2015-02-16 21:36:54
お世話になります。

現在、絶賛資格スクエアの講義を消化中です。

事前に配信日が分かってますので逆算した上で進めています。

テキストを見ていると、結構な数の誤植が見受けられますが、これは資格スクエアの方に情報提供した方がいいのでしょうか。
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Unknown (yoshino)
2015-02-17 02:14:24
す、すいません。
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下四法の短答 (くろねこ)
2015-02-17 11:56:52
今年の本試験用に、下四法の短答式の問題は、今の時期どれくらいやっておけばよいでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2015-02-17 14:23:28
判例が援用を認めない理由は、ざっくり言うと債権者の信頼保護であり、信義則はそのための法律構成なのではないですか?
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yoshino (Unknown)
2015-02-17 17:56:33
もちろん債権者保護のための信義則構成ですよ。

援用者の属性如何で、債権者の信頼の保護の程度が変わりうるって話です。本試験では、信義則の具体的な内容、「信頼」・「保護の程度」の中身を個別に検討する必要があります。
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くろねこさん (yoshino)
2015-02-17 17:58:40
本試験向けだと、重要条文に関しては、すぐ検索できるようになっていないとダメですね。大体の目星が付けばいいかと思いますが。 あと、どのような制度があるかは覚えておく必要があります(行政法、会社法は特に)。
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Unknown (くろねこ)
2015-02-17 18:39:36
ありがとうございます。
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Unknown (ちょるる)
2015-02-18 15:52:08
判例射程問題を取り扱ってくださってありがとうございます!(^^)!
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ちょるるさん (yoshino)
2015-02-18 16:14:02
なるべく判例の射程に関しては言及しようと思っています!そうすればそのうち感覺も磨けて来ると思うので!
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