Plays Jimmy Giuffre Arrangement/Sonny Stitt
(Verve MGV-8309)
(Verve MGV-8309)
アルトサックスの流れの中でパーカーは本流でしょう。ピアノで言うとパウエル,テナーではホーキンス,レスター、トランペットではサッチモ、ガレスピー,ブラウニー、ギターのクリスチャンなどなど,「モダンジャズ~の開祖」として崇められる存在ですよね。そして必ずそれぞれに追従者が現れる,ジャズの歴史のガイドブックにはアルゴリズムのようなチャートがいつも載ってますよね(笑)。アルトに関してはこのパーカーの追従者の代表は白人ではフィル・ウッズ,黒人では「パーカーの影武者」とも言えるこのスティットでしょう。こう言われるのがいやでテナーをも吹いたと言う話は超有名ですが、自分は「録音の良いパーカー」とも言うべき楽器を鳴らしきるスティットのアルトが大好きです。アルトを聴くならROOSTの諸作も良いですが今日はこれで行きましょう。
ちょっと気になるのは”Jimmy Giuffre Arrangement”でしょうが、これが思わぬ効果を挙げているんですよ。Giuffreはストレートアヘッドなソニーに対してバックに流れるブラスセクションのロングトーンを対位的に持って来て,ソニーの細かなサックスのフレーズ(例の♪チャラリラリラリリーンです)をより際立たそうとしておりこれが思わぬ効果を上げていると思います。メンバーもウェストの名手ぞろいで魅力的です。Sonny Stitt(as, ts), Jack Sheldon, Lee Katzman(tp), Frank Rosolino(tb), Al Pollen(tuba), Jimmy Rowles(p), Buddy Clark(b), Lawrence Marable(ds)のオクテットです。A面のLaura, Sonny Boy, B面のDowntown, Two For Timbucktuなどけれんみのないスティットのアルトが素晴らしいです。特にB面冒頭の"Singin' In The Rain"の無伴奏で出るアルトにはゾクゾクしますね。これにクラークのベースがゆっくり絡んでくるこの曲が白眉です。
所有盤はMGMのT字ラベルのステレオ盤です。Giuffreがバックカバーの解説でスティットのプレイを絶賛しています。
最初カバーを見てスティットがジュフリーをプレイ・・??と勘違いしてしまいました(笑)さすがcamperさん数あるスティットのアルバムの中でも渋いところ出してきますね!超有名なのにあまり聴かれていない感じしますが(上手すぎるからか?)自分もスティット大好きでよく聴きます。どちらかというとテナー好きなんですが。オスピートリオとのSits Inやパーソナルアピアランスなんかも最高ですよね。
それにしてもこのアルバムも欲しいです!
多作のスティット,VERVEでも好アルバムが目白押しです。アルトンのワンホーンも良いですし,テナーでのバトルもききものですね。御指摘の2枚も良いですが,ハードスウィング,ニューヨークジャズなんてのも好きですね。本アルバムは無名かも知れませんが,VERVEならどのアルバムでも駄盤が少ないスティットらしい好プレイが聴けますよ。