Best Coast Jazz/Clifford Brown
(Emarcy MG36039)
Emarcyのブラウニーでは大定番の”Study In Brown"と“Clifford Brown & Max Roach"を除けば比較的マイナーなアルバムが多い。それぞれ聴き所があるにも関わらず前記2枚の圧倒的な演奏の前には格の違いは否めないところです。本日はセプテットによるジャムセッション的な演奏をおさめた”Best Coast Jazz”をアップいたします。
メンバーはClifford Brown(tp), Herb Geller(as), Walter Benton(ts), Joe Maini Jr.(sax), Kenny Drew(p), Curtis Counce(b), Max Rioach(ds)のセプテットです。演目はズバリ2曲!A面は”Coronado"、B面は"You Go To My Head"という構成です。A面は管楽器のユニゾンのリフが入り、にぎやかな中で各自のソロが展開され,最後に迫真のチェースを聴かせるビッグバンド的な演奏です。ソロ順はMaini▷Brown▷Geller▷Bentonと回されていると想像します。ところでベントンはこんな古いプレイヤーとは知りませんでした。サイドメンが素晴らしいジャズランド盤が唯一のリーダー盤と思っているのですが・・・。本アルバムの裏面ライナーを読むまでてっきりもっと新しい人と思ってました(爆)。B面はルバート風のドリューのピアノが延々と続きます。こういう趣向はスティープルチェース以降の晩年のドリューの演奏によく見られますよね。既にこの時代に布石があったのかと想像してしまいます。演奏はバラードらしく淡々としたトリオの演奏に各楽器がワンホーンで唄いきる構成です。中でもブラウニーのバラードは出色ですね
所有盤はいわゆる再発マーキュリーの赤ラベルです。A面の曲名を聞いてピーンと来た人はかなりの米国通,いやカリフォルニア通ですね。Coronadoとはサンジエゴ市の向かいにある陸繋島(半島)です。有名なHotel del Coronado(上画像)を擁する風光明媚なリゾートです。自分は1992年、アメリカズカップをここで観戦したことを思い出しますね。デニス・コナーのスターズアンドストライプスと言えば当時は相当に有名でしたね。画像はこのとき記念に購入したキャップです。なつかしい!!!
この辺のブラウニーのジャムセッション(確かもう1枚ありましたっけ?)見逃してました。片面1曲な分各人のソロがたっぷり聴けるのでしょうね。
それにしてもBestCoastJazzというタイトル・・よく考えると確かに謎です。Maini,Bentonについては自分も多分未聴だと思います。(名前は知っていましたが)
ブラウニーのラッパを思い切り聴きたいときにはこんなレコードが良いのかもしれませんね!
やはりブラウニー,このあたりの過小評価?盤でも充分に実力を発揮してくれていますね。流石としか言いようがないです。他のサックス陣の好演,そしてドリューが素晴らしいです。
あくまで個人的な見解ですが,このBEST COASTこそがカリフォルニアで最も南にあるCORONADOの真っ青な海なんだろうと信じています。