Maria Toledo Sings The Best Of Luiz Bonfa
(United Artists UAS6584)
(United Artists UAS6584)
63年3月録音のゲッツ/ジルベルトはアメリカでのボサノバムーブメントを大ブレークさせたアルバムとしてどなたも異論のないところでしょう。この中での何となく不安げで気だるいアストラッドのボーカルもこのアルバムがベストセラーとなる一因であったことは容易に想像できますよね。まるでアストラッドのこの歌声がサウスアメリカから軟らかいそよ風を吹かしたかのように考えられていますが,この一月前に、美しく高貴な歌声を運んだ女性シンガーがいたのです。マリア・トレードがその人です。ボッサの重要なコンポーザー,ギタリストとして知られるルイス・ボンファの奥方でもあります。
本日アップのアルバムはこのマリア・トレードのUA盤です。もう一枚,フィリップスの"Braziliana"もありますが,長らく入手できなかった本アルバムをアップです。勿論、ボンファの素晴らしいギターも聴け、彼のヒット曲を中心に唄っています。デオダートの率いるストリングスの演奏をバックに囁くような気品ある歌唱を聴かせてくれます。"Samba De Orfeu"や"Manha De Carnival"などの有名曲も収録されています。
Jazz Samba Encore!/Stan Getz・Luiz Bonfa
(Verve 20MJ0062 jp reissue)
(Verve 20MJ0062 jp reissue)
アストラッドの一月前のマリアのアメリカ上陸をとらえたのがゲッツ/ボンファの"Jazz Samba Encore"です。メロディアスで好調なゲッツとボンファの卓越したギターテクニックが聴きモノのアルバムですよね。このアルバムにマリアのボーカルが4曲収録されています。特にA-3の"Insensatez(How Insensitive)"でのリリカルで気高く、ややアンニュイなボーカルを記憶しておられる方も多いかと思います。ボンファのギターに絡む 彼女のハミングも美しいですね。
このgatefold coverの見開きに、オフ・フォーカスです(太めのゲッツにピントがあっています。)が遠目にマリアがとらえられています。マリアの盤はUnited Artistsのステレオ盤,Colored Dotのブラックレーベルですが、これがオリジナルでしょうか。パープルのバックに彼女のアップが写っているカバーで、素晴らしい黒髪の艶が印象的です。ゲッツ盤は2000円のポリドール再発盤です。
このUA盤,確かにレアで自分も長く探していました。5-6年前の米オークションで$20ぐらいだったと思いますが、確かに以後とんと見ませんね。アルバムの出来自体はプィリップス盤がいいと思います。さらにゲッツ~ボンファ~マリアのVERVE盤が内容では素晴らしく、このHow Insensitiveがやっぱり最高ですね。そうして聴いてみるとゲッツが入ると急に演奏が締まる感じがします。UA盤が一番ポップボーカルサイドにあり,VERVEが一番ジャジーなんだろうと思います。
このゲッツのアルバム,ゲッツ,ボンファ,マリアと各人個性横溢の名盤だと思ってます。マリアのUA盤は確かにレアですけど、ボンファのギターもこのVERVE盤が断然いいですね。ガットギターでミュートしながら弾くSo Danco Sambaでのプレイなどは唸ってしまいますね。マリアのHow InsensitiveはNOTさんのおっシャルとおりです。
『Insensitive→無神経→お馬鹿さん』なんだろうと思います。やっぱり変かなぁ・・・?
当方,ビニルだけなものでCDかについては全く知りませんでした。それより,リンクから入った貴webのLUIS BONFA Collectionに驚きました。
素晴らしいです。
推薦盤などお教えいただければ幸いです。
幸い,『BRAZILIANA』(Philips PHS 600-199)は所有しています。これにしようか,本アルバムにしようか迷ったのですが結局デオダートのUA盤にしました。
それより,自分が挙げたゲッツのアルバムの安岡さんの解説読んでて,ボンファのソロがたいしたことないって表現を読んで驚いています。
このギター凄いって思ってました。このディスコグラフィ見て知らないアルバムが多いことに驚いていたのですが,「これは面白い展開になって来た!」なんて思っています。少しボンファをDIGしてみようなんて思います。ありがとうございました。