67camper's Blog

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マリア・トレードとルイス・ボンファ

2007-03-05 00:02:01 | jazz & vocal
Maria Toledo Sings The Best Of Luiz Bonfa
(United Artists UAS6584)
 
 63年3月録音のゲッツ/ジルベルトはアメリカでのボサノバムーブメントを大ブレークさせたアルバムとしてどなたも異論のないところでしょう。この中での何となく不安げで気だるいアストラッドのボーカルもこのアルバムがベストセラーとなる一因であったことは容易に想像できますよね。まるでアストラッドのこの歌声がサウスアメリカから軟らかいそよ風を吹かしたかのように考えられていますが,この一月前に、美しく高貴な歌声を運んだ女性シンガーがいたのです。マリア・トレードがその人です。ボッサの重要なコンポーザー,ギタリストとして知られるルイス・ボンファの奥方でもあります。

 本日アップのアルバムはこのマリア・トレードのUA盤です。もう一枚,フィリップスの"Braziliana"もありますが,長らく入手できなかった本アルバムをアップです。勿論、ボンファの素晴らしいギターも聴け、彼のヒット曲を中心に唄っています。デオダートの率いるストリングスの演奏をバックに囁くような気品ある歌唱を聴かせてくれます。"Samba De Orfeu"や"Manha De Carnival"などの有名曲も収録されています。


Jazz Samba Encore!/Stan Getz・Luiz Bonfa
(Verve 20MJ0062 jp reissue)

 アストラッドの一月前のマリアのアメリカ上陸をとらえたのがゲッツ/ボンファの"Jazz Samba Encore"です。メロディアスで好調なゲッツとボンファの卓越したギターテクニックが聴きモノのアルバムですよね。このアルバムにマリアのボーカルが4曲収録されています。特にA-3の"Insensatez(How Insensitive)"でのリリカルで気高く、ややアンニュイなボーカルを記憶しておられる方も多いかと思います。ボンファのギターに絡む 彼女のハミングも美しいですね。



 このgatefold coverの見開きに、オフ・フォーカスです(太めのゲッツにピントがあっています。)が遠目にマリアがとらえられています。マリアの盤はUnited Artistsのステレオ盤,Colored Dotのブラックレーベルですが、これがオリジナルでしょうか。パープルのバックに彼女のアップが写っているカバーで、素晴らしい黒髪の艶が印象的です。ゲッツ盤は2000円のポリドール再発盤です。


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8 コメント

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Unknown (bassclef)
2007-03-05 10:12:13
う~ん・・・また唸ってしまうbassclefです。出ましたね、このマリア・トレード!このUA盤・・・出そうであまり出ないようで、一度だけネットで見ていたら予想(というより、これくらいなら欲しいな・・・という自分勝手な希望価格:笑)よりもうんと高くなってしまい、驚いたことがあります。やっぱりボサの世界ではかなりの人気盤だったんですねえ・・・。マリア・トレードの唄は、ボンファとの共演盤(philipsだったか?)とcamperさんも紹介しているゲッツとの共演盤(verve)で聴いて、気に入りました。ボサといっても、アストラッドジルベルトほどはあっさりしてなくて、もう少しちょっとソウルフルな(R&Bのソウルじゃあないですが:笑)感じの歌い手ですよね。レコードはうんと少ないようですね。
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HOW INSENSITIVE (NOT)
2007-03-05 19:26:51
こんばんわ。私にとってのBOSS NOVAとは長い間ASTRUD GILBERTOの「ONLY TRUST YOUR HEART」とこのMARIA TOLEDOの「HOW INSENTISIVE」に他なりませんでした。GETZのボサ関係はある時期にT字ヴァーブで揃えましたが不人気でMINT状態でも2000円くらいでした。最近はどうなのか解りませんが・・。久しぶりに聴いたらLUIZ BONFAのギターがやたら素晴らしいですね。ASTRUDはCOMPILATIONを2枚持ってますがMARIAは持ってないし全く未聴です。早速このUA盤と「BRAZILIANA」捜します。ところで「HOW INSENSITIVE」の邦語訳の「お馬鹿さん」ってやっぱり変ですよね。
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UA盤 (67camper)
2007-03-05 23:10:39
bassclefさん,コメントありがとうございます。
このUA盤,確かにレアで自分も長く探していました。5-6年前の米オークションで$20ぐらいだったと思いますが、確かに以後とんと見ませんね。アルバムの出来自体はプィリップス盤がいいと思います。さらにゲッツ~ボンファ~マリアのVERVE盤が内容では素晴らしく、このHow Insensitiveがやっぱり最高ですね。そうして聴いてみるとゲッツが入ると急に演奏が締まる感じがします。UA盤が一番ポップボーカルサイドにあり,VERVEが一番ジャジーなんだろうと思います。
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ボンファのギター (67camper)
2007-03-05 23:20:33
NOTさん、コメントありがとうございます。
このゲッツのアルバム,ゲッツ,ボンファ,マリアと各人個性横溢の名盤だと思ってます。マリアのUA盤は確かにレアですけど、ボンファのギターもこのVERVE盤が断然いいですね。ガットギターでミュートしながら弾くSo Danco Sambaでのプレイなどは唸ってしまいますね。マリアのHow InsensitiveはNOTさんのおっシャルとおりです。

『Insensitive→無神経→お馬鹿さん』なんだろうと思います。やっぱり変かなぁ・・・?
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MARIA TOLEDO SINGS THE BEST OF LUIZ BONFA (安岡孝一)
2007-03-09 15:34:54
マリア・トレードのUnited Artists盤って、2003年10月にCelesteからCD化(Celeste CMYK-6195)されたんですけど、確かに最近みませんね…。CDの方は、私がライナーノートを書かせてもらったので、よければそっちも探して下さいね。
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凄いですね! (67camper)
2007-03-09 19:19:05
安岡さん,コメントありがとうございます。
当方,ビニルだけなものでCDかについては全く知りませんでした。それより,リンクから入った貴webのLUIS BONFA Collectionに驚きました。
素晴らしいです。
推薦盤などお教えいただければ幸いです。
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Luiz Bonfa Discography (安岡孝一)
2007-03-10 09:41:32
どうもありがとうございます。うーん、Maria Toledoの参加盤ということなら、もちろん『BRAZILIANA』(Philips PHS 600-199)を第一に挙げます。Luiz Bonfaのアルバム全体、っていうことだと、私個人がよく聞くのは、『BONFAFA』(Odeon MOFB-3047)、『A VOZ E O VIOLAO』(Odeon MOFB 3144)、『BONFA BURROWS BRAZIL』(Cherry Pie CPF 1045)あたりがターンテーブルにしばしば乗ってます。ま、Dot盤の一部を除いては、どれも好きなんですけどね。
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ボンファ (67camper)
2007-03-10 11:56:49
安岡さん,コメントありがとうございます。
幸い,『BRAZILIANA』(Philips PHS 600-199)は所有しています。これにしようか,本アルバムにしようか迷ったのですが結局デオダートのUA盤にしました。
それより,自分が挙げたゲッツのアルバムの安岡さんの解説読んでて,ボンファのソロがたいしたことないって表現を読んで驚いています。
このギター凄いって思ってました。このディスコグラフィ見て知らないアルバムが多いことに驚いていたのですが,「これは面白い展開になって来た!」なんて思っています。少しボンファをDIGしてみようなんて思います。ありがとうございました。
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