New Horn In Town/Richard Williams
(Candid reissue Barnaby BR-5014)
(Candid reissue Barnaby BR-5014)
皆さん、Richard Williamsというトランペッターをご存知でしょうか?1931年生まれだというから、ドナルド・バード(1932生)、ブルー・ミッチェル(1930生)などと同世代です。彼らのような知名度は勿論ないのですが、本日アップのこのアルバムの存在で彼の実力を充分に知ることができると思います。彼のスタイルはファッツ・ナバロ、ガレスピーのライン上に位置すると思われ、ブリリアントでリリカルな唄心を発揮するプレイが素晴らしいと言えます。特にゴルソン作曲の名曲”I Remember Clifford”の決定的名演として巷に広く知られているリー・モーガンの演奏と肩を並べると言っても過言でない素晴らしい演奏をA-2に含んでいるからにほかなりません。サイドメンとしてはミンガスやジジ・グライスのグループでの演奏が残されていますが、リーダー盤はおそらくこれぐらいしかないのではと思います。
他のメンバーも渋いところを招集しており、Leo Wright(fl, as), Richard Wyands(p), Reginald Workman(b), Bobby Thomas(ds)のクインテットです。特に、同じようにミンガスグループで活躍したLeo Wrightの好演も見逃せません。なかでも「クリフォードの想い出」で聞かれるフルートは特筆ものです。また、B-2の"Over The Rainbow"はある意味、クリフォードの想い出と対を成す好トラックと言えると思います。アルバム最長の演奏であり、バラードでのリリカルな歌心はここでも聞き手の耳を釘付けにしてしまう魅力があります。その他のブルース曲でも、オープンでのブリリアントなWilliamsの好演には納得する筈です。ガーランドライクなワイアンズの演奏もいいですよ。
所有盤は、Barnabyからの再発輸入盤です。1000円ちょっとで新潟の中古レコードショップ・ブラックライオンでGetしたものですが、前記2曲のバラードプレイのみで購入する価値があると思われる一枚です。未聴なら是非聞いてみてくださいね。