Porgy And Bess/The Modern Jazz Quartet
(Atlantic SD1440 jp. reissue)
(Atlantic SD1440 jp. reissue)
「PORGY AND BESS」はおそらくアメリカが生んだ最も有名なオペラであろうと思います。元々は、サウスカロライナのチャールストンのスラムの出来事を題材にしたデュポーヌ・ヘイワードの短編小説「ポーギー」(1925)がその元になっています。1933年、この小説に惚れ込んだガーシュウィンは彼自身に取っても初のオペラ、さらに黒人キャストで興行を始めたといいますから、当時の状況をすれば正当な評価がくだされなかったことは容易に想像できますね。戦後から、このオペラは頻繁にリヴァイバル上演されヨーロッパに渡り人気が出たようですね。ジャズファンにはサマータイムをはじめとする優れた楽曲が、インスト、ボーカルの題材として有名ですし、マイルスのもの等のように全編この曲で構成されたアルバムもかなりたくさん発表されていますね。本日アップのMJQもそんなアルバムですね。
こういった一本の映画、オペラ、ミュージカルに対する取り組みはMJQの得意とするところでコレまでにも、「大運河」や「拳銃の報酬」等の作品を手がけています。おそらくこういったアプローチにはジョン・ルイスの高い音楽性が関係していると想像いたします。メンバーはいつもの4人です。A面が「Summertime」、「Bess, You Is My Woman」、「My Man's Gone Now」、B面が「I Love You Porgy」、「It Ain't Necessarily So」、「Oh Bess, O Where's My Bess」、「There's A Boat Dat's Leavin' Soon For New York」という名曲ぞろいです。全編を通してジョン・ルイスの音楽性の高さと、訥々とも感じられるピアノがよくマッチしていますね。もちろんジャクソンが入ると、ぐっとスウィンギになる展開はいつものMJQのパターンですがのブレンド具合が絶妙の一枚ですね。
原盤はアトランティックですが、所有盤はワーナー・パイオニアが出した再発盤です。改めてガーシュウィンの素晴らしさ、MJQの独自のスタイルを感じられる好盤ですね。