斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

ヘイズ

2015年11月12日 07時13分51秒 | 斎藤秀俊の着眼
今回、ペナンに到着してしきりに聞いた言葉が「ヘイズ」
タクシーに乗車したら、「先週はヘイズがひどかった。ペナンの山々がふもとから見えないくらいだった」と話しかけられました。ペナン日本人学校でも「ヘイズ指数が100を超えたら、プールの授業はできません。」と。

日本を離れる前に少し勉強をしていたので、ヘイズは「スモッグ」くらいの認識はあったのですが、現地でいろいろと聞くと、どうも認識が違うらしいということに気が付きました。
ペナン滞在中に借り上げタクシーの運転手と移動中にいろいろと話をして、ヘイズについても聞きました。認識違いが甚だしかったのが、光化学スモッグかと思いきや、「インドネシアの野焼きが原因だよ」と知りました。

そもそも、ヘイズとは「乾いた微粒子の浮遊により視界が悪くなる煙霧」で、北京の市内のなんとも言いがたいすごい煙霧と同レベルのものだそうです。
原因はインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島などにおけるプランテーションでの野焼きや森林火災などで、これにより発生した煙がモンスーンの風に乗って周辺国に渡り視界を悪くする。たとえばパームヤシ農園や、製紙用パルプ材の植林地などでの残渣の焼却がそうです。日本でいえば、昔は稲刈りの後にもみ殻や稲わらを燃やしていましたが、その煙の大規模なものが国境を越えて風に乗って移動すると思えばいいのでしょう。今でこそもみ殻や稲わらの焼却はしていないので、秋になって空が煙ることはないですが、東南アジアでは大問題なんですね。

今回のペナンでは毎日たいへん視界がよくて何をするにしてもヘイズに邪魔されることはなかったのですが、1週間早かったら予定がかなり狂うところでした。
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