ロカルノ映画祭でグランプリを獲った作品。中野区民でありながら、ポレポレ東中野に初めて入った。
中学生の少女が同級生を刺殺した。その加害者の母親・典子のインタビューと被害者の父親・順一のインタビューから始まる。言葉はそこまでしかない。一年後の北海道で、新聞記者を辞めた順一は製鉄所の労働者になっていた。その旅館には、加害者の母親・典子がいた。なぜ二人が再会したのか、説明は全くない。言葉も交わさない。
そこから先は、順一と典子、各々の毎日の繰り返し繰り返し…。観ているこちらは次第に絶望してくる。まるでドラクエ5で強制労働所に送られたときのように。しかし、ちょっとした変化に気が付く。例えば食卓から醤油が無くなっていたり、可笑しいのか可笑しくないのか。だんだん麻痺した感覚の中で、携帯電話を渡すやりとりが行われる。絶望の中の、光なんてとても言えないけれど、「何か」を感じさせる。
順一が言う。「あなた無しでは、生きられない。でも、あなたと一緒では、生きていく資格が無い」。こう言われてしまうと、私には言葉が無い。
中学生の少女が同級生を刺殺した。その加害者の母親・典子のインタビューと被害者の父親・順一のインタビューから始まる。言葉はそこまでしかない。一年後の北海道で、新聞記者を辞めた順一は製鉄所の労働者になっていた。その旅館には、加害者の母親・典子がいた。なぜ二人が再会したのか、説明は全くない。言葉も交わさない。
そこから先は、順一と典子、各々の毎日の繰り返し繰り返し…。観ているこちらは次第に絶望してくる。まるでドラクエ5で強制労働所に送られたときのように。しかし、ちょっとした変化に気が付く。例えば食卓から醤油が無くなっていたり、可笑しいのか可笑しくないのか。だんだん麻痺した感覚の中で、携帯電話を渡すやりとりが行われる。絶望の中の、光なんてとても言えないけれど、「何か」を感じさせる。
順一が言う。「あなた無しでは、生きられない。でも、あなたと一緒では、生きていく資格が無い」。こう言われてしまうと、私には言葉が無い。