ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』と『点と線』

2007-12-16 00:03:53 | 映画
ちょうど2年前に公開された前作。作品上では4ヶ月しか経ってないのに、子役の須賀健太クンが大きくなりすぎてるのはご愛敬。

前作同様、鈴木オート一家と茶川商店を中心とした物語なんだけど、オムニバス性をさらに広げてしまった結果、漫然とした印象に。堤お父さんの戦争体験も、薬師丸お母さんの恋愛話も、宅間先生の犬物語も(獣医師法違反では?との疑問も)、中途半端に扱うなら無かった方が…。詰め込みすぎのせいか上映時間は2時間半、娯楽作にしては長すぎる。本ストーリーであるはずの、茶川とヒロミと淳之介の「家族物語」が際だたなくて。せっかく人情話で面白く出来てるところはあるのになあ。

このシリーズ、昭和30年代の「輝かしいあの頃」を描いている。一面それはあるだろう。でも、戦後十数年の時代、戦争の傷跡や記憶がまだまだ残っているはず。人々は辛さをを抱えながら生きていたのでは?そんな疑問が残る。それに対する一つの答えがテレビ朝日で放映された『点と線』だと思う。

福岡の田舎刑事が、男女心中だと思われていた事件を不審に感じ、捜査に乗り出す物語。そこには、官僚と政治家の汚職問題が関わっていた…。退職を控えた初老の刑事が、なぜ執念を燃やすか。彼は戦時中、中国で人を殺したことを独白する。その痛みを、悲しみを、怒りに変えているようだった。戦後庶民は辛苦を重ねたのに、やり抜けた官僚や軍人上がりの政治家は、のうのうと不正を働いているではないか―。松本清張の指摘は鋭くて、重い。演じるビートたけしは、巧くはないけれど鬼気迫る雰囲気は十二分に出ていた。

初の民法テレビ局として開局した日テレが作った『Always』、キー局の中で一番最後に開局したテレ朝が、50周年記念で作った『点と線』。同じ時代をこれだけ違った角度で描いてるのは、とても興味深かった。『Always』公開に合わせて、あえて時代の影を表現しようとしたテレ朝スタッフの心意気を買いたい。