新宿文化シネマにて。邦画初のオールフィンランドロケが売り言葉の群ようこ原作の映画。
いいわぁ、この映画の雰囲気。ヘルシンキで和食の定食屋を営んでるのが小林聡美演ずるサチエ。偶然の出会いからこの店の手伝いを始めるのが、片桐はいりともたいまさこ。『やっぱり猫が好き』を彷彿とさせる絶妙なキャスティング。後者二人の取り合わせは、怪優・岸部一徳と柄本明が共演している作品(例えば大林宣彦監督の『理由』とか、北野武監督の『座頭市』とか)を観ているときのような、贅沢さを感じる。彼女たちが日本でどんな生活をしてきたかのは、ほとんど語られない。そして「人は変わっていくもの」とサチエが言う。それでいいじゃない。気負わないその感覚が心地よい。
お店の中はとにかくシンプル。テーブルやイス、食器のたぐいのセンスもいい。だけど来る日も来る日もお客が来ない。ある日、日本オタクの青年トンミがやって来る。訝しげに店の中を覗っていたご婦人集もいつの間にやら常連に。その光景は、近所の人がやって来る開け広げた縁側にとても似ているように思えた。ごはんもおいしそうでたまらない。魚のパチパチ焼ける音、ショウガ焼きのジュージュー、シズル感。
日の丸なんて振り回さなくったって、「日本」がここには、ある。
いいわぁ、この映画の雰囲気。ヘルシンキで和食の定食屋を営んでるのが小林聡美演ずるサチエ。偶然の出会いからこの店の手伝いを始めるのが、片桐はいりともたいまさこ。『やっぱり猫が好き』を彷彿とさせる絶妙なキャスティング。後者二人の取り合わせは、怪優・岸部一徳と柄本明が共演している作品(例えば大林宣彦監督の『理由』とか、北野武監督の『座頭市』とか)を観ているときのような、贅沢さを感じる。彼女たちが日本でどんな生活をしてきたかのは、ほとんど語られない。そして「人は変わっていくもの」とサチエが言う。それでいいじゃない。気負わないその感覚が心地よい。
お店の中はとにかくシンプル。テーブルやイス、食器のたぐいのセンスもいい。だけど来る日も来る日もお客が来ない。ある日、日本オタクの青年トンミがやって来る。訝しげに店の中を覗っていたご婦人集もいつの間にやら常連に。その光景は、近所の人がやって来る開け広げた縁側にとても似ているように思えた。ごはんもおいしそうでたまらない。魚のパチパチ焼ける音、ショウガ焼きのジュージュー、シズル感。
日の丸なんて振り回さなくったって、「日本」がここには、ある。
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