静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

あれから8年  ”変われない財界&文科省”   大学教育の停滞と留学人材の流出

2024-04-12 07:44:27 | 時評
 受験シーズンが終わり、相変わらず週刊誌は「高校別大学合格ランキング」に飛びつく層めあてに今年も稼いだ。特定の大学を選び補助金交付で研究活動を支援する文科省のプログラムも始まるようだ。
だが、数年前に指摘した日本の大学の国際比較上の地位低下は改善せず、魅力を失っている状況は変わらない。何故か?その分析は、<トークネットTalk Net>コラム2016年3月に残したコラムに述べた通りで、現状は今も同じ。
  ☆ ≪ 統一入試落ちたら東大大学院留学で学歴洗浄 ≫ キモは ”留学生が何故日本企業を辞めるのか?”
 これは読者が多く読み返す内容らしく「アクセスリスト」に何度も上がる。特に受験シーズン前後は目立つ。それだけ同じ問題が8年もの間、未解決のまま続いている証左である。

8年の間に中米関係は悪化した。その影響と円安もあり、供給過多な中国での大学進学を捨てた人が日本の大学を踏み台に、或いはアメリカ留学の代替手段として日本に来る割合は更に増えているだろう。
就職難の母国を諦め日本にとどまり働く中国人が増えているが、8年前に指摘した就労構造は全く変わっていない。

 研究職であれ一般職であれ、大学(院)を卒業したあとの就職環境が外国人を働かせるうえで国際的に共通なルールになっているか?・・といえば答えは「NO」。
承知のように入学時期からして日本は孤立したままなので、6ヶ月のズレが壁になっている。このズレは日本語学習に費やされることで表面化しないが、入学の遅れは学生/企業どちら側にも無駄な時間
であるばかりか、外国人学生に日本留学&就労をためらわせる障害なのだ。

 嘗て東京大学や京都大学などが10月入学を試みると宣言したが、案の定、産業界側の無言の抵抗がつぶしてしまった。裏には文科省+経産省のブレーキもあったに違いない。
例によって、10月入試をさせたくない・反対する理由の説明は経済界・霞が関いずれからも発信されない。問われても正面から答えようとしない。政治の世界と同じパターンだ。

 勘ぐれば、4~3月の会計年度と大学予算時期がズレる事への抵抗。次は、飽くまで外国人の在住を日本人と同等の市民扱いする定住ではなく【一過性の労働力としか見なしたくない入国管理の思想】を
変えたくないからと思う。 高等教育対象ではない外国人労働力に関しては悪名高かった『技能実習生制度』に替わる体裁を整えたが、外国人の入学・就職に関しては【~入国管理の思想】は不変。

 日本の大学の国際競争力・技術研究レベルはこの構造のままで今後も伍してゆけると官僚も経営者も未だに己惚れているのか? 不安だが、単に制度を変えるのが面倒だからに過ぎないのか?
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