静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ ”自由と平等”を国是の価値観と認めないアメリカへ変貌? ≫ いつでも変わる”正義”と対立する 危うい”自由” ・・・・・アメリカの落日

2018-01-19 09:12:23 | 時評
◆ 【毎日】社説:トランプ1年 米国の品格 高慢さが世界を暗くした https://mainichi.jp/articles/20180119/ddm/005/070/101000c?fm=mnm
★ 【毎日】<金言>続「:口説く自由」=西川恵 https://mainichi.jp/articles/20180119/ddm/003/070/140000c?fm=mnm

 此の二つを併記した理由は、<自由・平等・博愛>の精神に導かれたフランス革命の理念に基づき建国された歴史から編み出してきた価値観をアメリカ合衆国が自ら否定する
 かのような振る舞いをしている昨今の現象に潜む問題点を、二つが≪自由・平等・正義≫の基本的価値から抉っているからだ。 

 ※ まずはカトリーヌ・ド・ヌーヴらの書簡の方から・・・・。
・ <米国と欧州各国で書簡に対する賛否両論の文化論争がわき立っている。各国内に賛否はあるが、大きく色分けすると欧州大陸の国々は書簡に理解を示し、米国は「とんでもない」
  との意見。人権、民主主義の価値を同じくしながら、米欧の文化・社会的差異の大きさを改めて見せつける。>
・ <男女問題に対する米仏の認識の差を、仏哲学者シモーヌ・ド・ボーボワール(1908~86年)が著書「アメリカその日その日」(邦題、新潮社)で描いている。
  1947年に彼女が4カ月間旅行した米国での克明な滞在日記だ。>  ⇒ 興味深い・・・。早速読むことにしよう。

* (ボーボワールは)米国の男女間には目に見えないガラスがある、とも語る。彼女はある夜誘われて、米国人女性2人と食事をする。「男性が欠けた」女性だけの食事はボーボワールにとって初めて。米女性2人は未婚であることを誇らしげに公言しながら、夫がほしいとも語る。また2人はフランスの女性が男性の機嫌をとったり、男性のわがままを我慢したりする卑屈さを軽蔑した。・・← マリリン・モンローを思い浮かべよう!
 ボーボワールは「米国の女性が男性と対等で穏やかな関係にないことは、2人の態度が示していた」と指摘。また「(善意の米国人でさえ)正義と自由の二つの観念を妥協させることを嫌う」「現実社会の諸要素の複雑さを米国人は認めようとしない」とも書く。
  ⇒ 最後の2パラグラフが大事なところだ。これはボーボワールが指摘した時から70年近く経った今でも変わっちゃいない。  ここがアメリカ社会の”病理の巣窟”なのだ。

 ※ アメリカ社会の病理の視点からトランプ大統領の言動をみれば、西川氏が下に指摘するポイントが繋がってくる。
・ <イスラム圏からの入国規制に執念を燃やす一方、数日前はハイチなどの途上国を「肥だめのような国」と呼んだという。その事実を本人は否定しているが、就任1年を前に改めて
 重大な疑問を覚える。トランプ氏の「米国第一」とは結局、イスラム差別、人種差別の同義語ではないのか。同氏が「米国」と言う時は白人男性を優遇し女性や有色人種を軽視する社会を念頭に置いているのではないか。 性別や人種、宗教などの差別を排し平等な社会を建設する。そんな米国の理想主義や「政治的公正さ」はトランプ政権下で見る影もなくしぼんだ。オバマ前政権の「核兵器なき世界」も過去のものとされた>。

 要するに≪自由・平等・正義≫の基本的価値を共存/妥協させる寛容さ、忍耐をアメリカ国民が失ってしまった、ということだ。それに良心の呵責を覚えている人々も当然いようが、悲しいかな、少数派になってしまったのだろう。 このままでは米国のプレゼンスは大きく縮小し、世界は戦国時代に突入するだろう。ロシア/中国は自滅する米国を注視しつつ、着々と橋頭保を築きつつある。 世界の勢力地図はアメリカの自滅で確実に変わる。そのリスクを鋭く説いたコメントを以下に紹介し、本コラムを終えたい。  妾の日本は一蓮托生の運命に在る。

『勢い増す中国、最大のリスクに イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長』 https://www.nikkei.com/article/DGXKZO25861530Y8A110C1TCR000/?n_cid=NMAIL007
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ≪ 放言大統領の認知機能テス... | トップ | 再び問う ≪ 異見に耳を貸さ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時評」カテゴリの最新記事