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米国では転職活動が下火に  さて、労働市場の自由化・流動化が遅れた日本は?

2024-07-18 08:42:02 | 時評
◆【The Wall Street Journal】転職をやめた米労働者、「大退職時代」から一変  要旨抜粋
* 米国人は2~3年前に比べると仕事に対して落ち着きを取り戻している。新型コロナウイルス下で転職ラッシュが起きた「大退職時代」に比べ、自発的離職を考える米国の成人が減っていることが、
  数多くの調査で分かっている。また、仕事への満足度が高まっていることを示すデータもある。労働者へのインタビューでは、以前は転職を繰り返していた人々が、現在のポジションで生活の
  バランスが取れていることに満足していると答えた。 一方、政府統計によると、転職しようとした場合は、労働需給のひっ迫や転職による昇給幅の縮小という現実に直面する。

* 職場コンサルティング・人材紹介会社ロバート・ハーフによると、4月に実施した調査では、今年下半期に転職活動を予定する人は米国の成人の35%で、1年前の49%から低下した。
  調査対象となった労働者1000人のうち仕事に満足していると答えた割合は77%、ワークライフバランスが良いとの回答は85%に上った。
   米労働省のデータによると、1カ月以内に仕事を辞めた米労働者の割合は2022年4月に3%でピークに達した。多くの雇用主は人材確保のために給与を引き上げ、休暇を増やし、
  柔軟な働き方を認めるようになった。それ以降、離職率はコロナ前の水準を下回る2.2%まで低下した。今年はそこから横ばいで推移している。

* 離職率低下と並行して起きているのが、ホワイトカラーの雇用減速と転職者の給与伸び悩みだ。アトランタ地区連銀の賃金トラッカーによると、2年前の夏、転職者の給与は中央値で8.5%上昇し、
  非転職者は5.9%上昇していた。今年3月時点で、転職者の給与は中央値で5.2%上昇し、非転職者は4.5%の上昇だった。
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 転職活動低下の要因として「給与引上げと休暇増で仕事への満足度の高まり」が(A)「ワークライフ・バランスの改善」となり(B)「転職後の雇用&給与伸び率の鈍化」も影響したと挙げている。
  では、同じようにコロナ禍を経験した日本ではどうなのか?  (A)は日本でも進んでいるのか? (B)は、以前から外国と比べて転職が少ない日本でも同じ傾向なのか?

 私が在住した90年代の10年間、転職は日常茶飯事であり、日本企業を離れたあと、私自身も複数回繰り返した。あの当時は転職による給与アップは自然な流れであり、それはWhite Collar でなくとも
 同じだった。それだけに、此の記事を読むと、まさに隔世の感に打たれる。転職活動が大きく遅れて始まった日本だが、長い不況のあと、労働市場の自由度や流動性はマダマダ未発達なだけに、
 アメリカと違い、労働人口減少も加わる日本は、どこに落ち着くのか? 現役勤労世代を子に持つ退役老年世代は気が気じゃないだろう。
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