自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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9月1日 母からのバトン(ポプラ社)~樹木希林、内田也哉子

2022-10-21 | 

「私、全身ガンなの」と公言してはばからなかったにもかかわらず、晩年も露出度は高く、最後まで仕事をこなしていた樹木希林さん。
希林さんが亡くなったのは2018年9月15日。早いものでもう4年経ったのですね。

まえがきで、内田也哉子さんがこう書いています。
「死なないで、ね・・・どうか、生きてください・・・」
去年(2018年)の9月1日、母は入院していた病室の窓の外に向かって、涙をこらえながら、繰り返し何かに語りかけていました。
・・・(略)・・・
なぜそんなことをしているのか問いただすと、
「今日は、学校に行けない子どもたちが大勢、自殺してしまう日なの」
「もったいない、あまりに命がもったいない・・・」
と、ひと言ひと言を絞り出すように教えてくれました。
この2週間後に母は75年の生涯の幕を閉じました。
・・・(略)・・・


取り立てて希林さんファンではありませんでしたが、悠木千帆としてスタートした女優活動や、2度の結婚、内田裕也さんとは、長い別居生活を経たうえでも添い遂げた結婚生活、ヒットしたドラマ、歌、コマーシャル、映画など、希林さんは途切れることなく芸能界に足跡を残してきました。

私もかなり希林さんの仕事に接してきました。

そんな希林さんの違った面をこの本で知ることになりました。
2014年夏、希林さんは『不登校新聞』の編集長の取材にノーギャラで応じ、食事代も自分で払い、3時間にも及んだ記録も自由に使用していいと言い残したそうです。

そこから、不登校やフリースクールのことに関わっていくことになります。
年を取れば必ず死ぬのに、なぜ自ら命を絶つのかって。

娘の也哉子さんがその遺志を継いで、不登校経験者や、サポートする方々4人と対談しています。
もちろん、何もかも順調に学校生活を送り、社会に羽ばたいていく子どもたちがいるのは当たり前のことです。
ただ、社会はさまざまな人々で構成されています。
どんな人も排除する、また排除される資格も義務もありません。
いろんな生き方、暮らし方があります。死に急ぐことはないのです。

希林さんは人にも自分にも厳しく生きた人生だったでしょう。
自分に甘い人を叱ってくれる人を失ったんだなあとつくづく思います。


今日も朝から空にはおもしろい雲が流れていました。

 

 

 


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4 コメント

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emarchさん おはようございます♬。 (masa)
2022-10-22 06:44:18
emarchさん
>いろんな生き方、暮らし方があります。死に急ぐことはないのです・・・
同感です、親から授かった命、死に急ぐことはありません
最近心配なのが、SNSで知り合って死を急ぐ方を耳にするのが残念です
心が折れそうでも、強く生きて欲しいです。
返信する
秋の空 (takan32)
2022-10-22 07:35:18
自遊空間さんへ、私のブログにいいね!をありがとうございます。
最後の雲の写真はいかにも秋の空という感じですね。
ひとつ前の投稿で、ブルックナーの交響曲 第7番の演奏が行われていますね。アマチュア オーケストラがブルックナーの7番って意欲的ですね。
返信する
★masaさま (emarch)
2022-10-23 00:07:18
こんばんは。

自殺ほう助で捕まった人が言うには、ほんとに死ぬ気だった人は少な
かったとか。
むごい話です。
返信する
★カンサンさま (emarch)
2022-10-23 00:12:28
こんばんは。

ブルックナーの7番をアマオケで続けて2回も聴けるとは、思いませんでした。
今のところ、日本はまだゆとりがあるのですね。
ただ、10年後はどうでしょう?
今、ヴァイオリンケースを持って歩いてる子なんてほとんど見かけません。
学生オーケストラも減りそうですね。
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