狩人の道東放浪記 Ⅱ

定年後道東に移住しました。
しかし2年後、都合により帰郷しました。徳不孤必有隣の旗印は同じです。

一冊の本

2014年02月01日 | その他

先月の句会で一冊の本をいただいた。合田一道著の「証言」である。副題に満州開拓団死の逃避行とある。

スキャナーがうまくいかず本の下4センチぐらい切れてしまった。

内容は壮絶で、見つかった幻のノートを元に開拓団員の証言を記載している。

見つかった第二、第三の執筆者

夕映えの曠野の果てに

満蒙開拓の故郷を訪ねて

死の証言を求めて

悲惨・満州の女たち

相次ぐ発見、ノートの執筆者   

苦しみを乗り越えて   と構成されている。

この項目だけでも内容は想像できるだろう。昭和53年の本であるから登場した元団員達も鬼籍に入っているだろう。読後、どのような感想を持たれるか自由である。しかし、戦争がもたらす災禍について、弱い国民が苦しめる側になったり、虫けらの様に殺されていくのが良く分かる。倫理や神仏、イデオロギーは一切ない。

当時、農家の次男三男坊には一寸の耕地もなかった。アジアの拓士とかクワの戦士とかもてはやされ、五族協和を旗印に満州へ満州へと行った。その土地がどのようにして得た土地かは薄々知っていたが、内地では得られない広大な耕地に歓喜した。しかし敗戦とともにこの本にある地獄が始まった。それは満州だけではなく朝鮮半島でも同様であった。慟哭の中から責任を追及しても失われた家族は戻らない。二度とこのような事の起らない世にすることが大切である、と思う。

・・・・・・ぜひ、読まれたい。

 

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