猛暑になると怖いのが「熱中症」。
実は、体がまだ暑さに慣れていない梅雨の時期から、熱中症になる人は増え始めるのです。
梅雨の合間の晴れの日や、梅雨明け直後には、気温が急上昇して湿度の高い真夏日になる
ことがよくあります。
そうした急激に蒸し暑くなった日には、熱中症による事故が増える傾向にあります。
熱中症は、体内で発生する熱と、気温や直射日光など外環境の熱とによって引き起こされる
さまざまな体の不調の総称で、症例としては、
脱水症状を起こして脱力感・けん怠感・めまい・頭痛・吐き気などに襲われる「熱疲労」
体の中枢機能に異常を起こして意識障害を招く「熱射病」
血中の塩分濃度が低下して筋肉にけいれんが起きる「熱けいれん」
などがあります。
このうち「熱疲労」と「熱けいれん」は、体内の水分量の減少が原因となって引き起こされるものです。
私たちは、暑いと大量に汗をかきます。人間の成人の体は約60%が水分ですが、そのうち約3%が
失われると運動能力や体温調節機能が低下したり、最悪の場合は命の危険を招いたりするおそれ
さえあります。
そんなとき、通常であればのどが渇いて水分を補給するのですが、適切なタイミングで水分が補給
されなかったり、あるいは補給する水分量が足りなかったりすると、脳は「アクアポリン」と呼ばれる
物質を使って、体内で水分を調達しようと働きかけます。
アクアポリンは、水の分子だけを通過させるチューブのような構造を持った特殊なたんぱく質です。
私たちの体内で、血液や細胞に水分を運ぶ重要な働きをしています。
水分の不足を察知すると、脳はこのアクアポリンを腎臓に集めて、尿から水分を取り出して補うように
指令を出します。しかし、年をとると腎機能が衰えるため、脳からの指令にすぐに応えられなくなる
ばかりか、アクアポリンの数も減ってきてしまいます。そのため、体内からも必要なだけの水分を
補給することができなくなり、体の中からは水分が失われて、脱水症状が進み、熱中症に陥って
しまうというわけです。
熱中症を予防するには、たとえのどの渇きは感じていなくても、こまめに一定時間ごとの水分補給を
怠らないことです。目安としては、特に気温の高いときや運動中は、15~30分ごとに
200~250mlほどの水分補給を心がけるとよいでしょう。
また、汗と一緒に塩分も失われることから「熱けいれん」などが引き起こされます。
水分補給と合わせて、塩分(ナトリウム)などミネラルの補給もお忘れなく。
ミネラルは、水道水を飲んでいるだけでは十分に補給できないので、汗をたくさんかくときは、
普通の水よりもミネラル成分を多く含んだスポーツドリンクなどを飲むようにするとよいでしょう。
ただし、体に疾患を抱えている方は、かかりつけの医師とよく相談して、自分に合った水分補給を
行うようにしてください。
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実は、体がまだ暑さに慣れていない梅雨の時期から、熱中症になる人は増え始めるのです。
梅雨の合間の晴れの日や、梅雨明け直後には、気温が急上昇して湿度の高い真夏日になる
ことがよくあります。
そうした急激に蒸し暑くなった日には、熱中症による事故が増える傾向にあります。
熱中症は、体内で発生する熱と、気温や直射日光など外環境の熱とによって引き起こされる
さまざまな体の不調の総称で、症例としては、
脱水症状を起こして脱力感・けん怠感・めまい・頭痛・吐き気などに襲われる「熱疲労」
体の中枢機能に異常を起こして意識障害を招く「熱射病」
血中の塩分濃度が低下して筋肉にけいれんが起きる「熱けいれん」
などがあります。
このうち「熱疲労」と「熱けいれん」は、体内の水分量の減少が原因となって引き起こされるものです。
私たちは、暑いと大量に汗をかきます。人間の成人の体は約60%が水分ですが、そのうち約3%が
失われると運動能力や体温調節機能が低下したり、最悪の場合は命の危険を招いたりするおそれ
さえあります。
そんなとき、通常であればのどが渇いて水分を補給するのですが、適切なタイミングで水分が補給
されなかったり、あるいは補給する水分量が足りなかったりすると、脳は「アクアポリン」と呼ばれる
物質を使って、体内で水分を調達しようと働きかけます。
アクアポリンは、水の分子だけを通過させるチューブのような構造を持った特殊なたんぱく質です。
私たちの体内で、血液や細胞に水分を運ぶ重要な働きをしています。
水分の不足を察知すると、脳はこのアクアポリンを腎臓に集めて、尿から水分を取り出して補うように
指令を出します。しかし、年をとると腎機能が衰えるため、脳からの指令にすぐに応えられなくなる
ばかりか、アクアポリンの数も減ってきてしまいます。そのため、体内からも必要なだけの水分を
補給することができなくなり、体の中からは水分が失われて、脱水症状が進み、熱中症に陥って
しまうというわけです。
熱中症を予防するには、たとえのどの渇きは感じていなくても、こまめに一定時間ごとの水分補給を
怠らないことです。目安としては、特に気温の高いときや運動中は、15~30分ごとに
200~250mlほどの水分補給を心がけるとよいでしょう。
また、汗と一緒に塩分も失われることから「熱けいれん」などが引き起こされます。
水分補給と合わせて、塩分(ナトリウム)などミネラルの補給もお忘れなく。
ミネラルは、水道水を飲んでいるだけでは十分に補給できないので、汗をたくさんかくときは、
普通の水よりもミネラル成分を多く含んだスポーツドリンクなどを飲むようにするとよいでしょう。
ただし、体に疾患を抱えている方は、かかりつけの医師とよく相談して、自分に合った水分補給を
行うようにしてください。
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